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「焚き火台禁止・直火推奨!」。ブッシュクラフトを楽しめるサイクリスト向けのキャンプ場が福島にオープン!

2021.05.12

テントサイト

ヤマザクラ咲く林の中、集まったサイクリストたちはソロテントやハンモック、ツェルトなどさまざまな方法で”寝床”を確保。

焚き火好きにはたまらない自由なキャンプ場

JR東京駅からで東北新幹線と在来線を乗り継いで約2時間、福島県二本松市の里山にちょっと変わったキャンプ場が2021年5月にオープンする。自転車で旅をする人やブッシュクラフト、ノマドキャンプを実践したい人を対象にした『Sakura Bushcraft Field(サクラ・ブッシュクラフト・フィールド)』だ。

多くのキャンプ場が「直火禁止」をルールとして掲げるなか、ここでは「焚き火台使用禁止」つまり直火を推奨している。今年4月中旬に開催されたプレオープンイベントに参加し、その魅力を探ってみた。

伝説の旅フェス『BIKE&CAMP』のスタッフと自転車仲間が集結

2020年11月、茨城県のつくばワイナリーで開催された自転車とキャンプをテーマにした旅のフェスティバル「BIKE&CAMP FES 2020」。このイベントを運営する「一般社団法人自転車キャンプツーリズム協会(※)」が、2021年度最初のイベントとして「BIKE&CAMP MEETING VOL.0」をここSakura Bushcraft Fieldで開催した。

※従来の運営母体「自転車キャンプツーリング連絡協議会」を発展させ2021年度に誕生。フェスの詳細は文末の参考リンクを参照

野地 教弥(のち たかひろ)さんと山下晃和(やました あきかず)さん

写真左)Sakura Bushcraft Fieldの生みの親、野地 教弥(のち たかひろ)さん 写真右)BE-PAL本誌にもモデルとしてたびたび登場しているBIKE&CAMP実行委員長の山下晃和(やました あきかず)さん。
写真提供:一般社団法人自転車キャンプツーリズム協会

当日は首都圏を中心に仙台からの参加者も含め15名がSakura Bushcraft Fieldに集まった(輪行や自走を含め自転車関連の参加者は11名)。山下さんによる自転車キャンプとファッションに関するトークショーや、野地さんによるハンモックキャンプのワークショップなどのあと、このキャンプ場の”売り”のひとつである安達太良山(あだたらやま)の眺望を二本松の地酒を片手に楽しむ時間が設けられた。

安達太良山(あだたらやま)に沈む夕日

春と秋にはテントサイトから安達太良山に沈む夕日を眺めることができる。

そして夜はお待ちかねの直火による焚き火を堪能。キャンプ場を整備する際に伐採した桑の木がテントサイトのあちこちに山積みになっており、さらには主催者である野地さんから「テントを張るスペースを確保するためにどんどん燃やしてください」との夢のようなリクエストが……。

みな嬉々として焚き火に薪をくべ続けたものの、夜間も早朝もそれは盛大な炎を上げたつもりが結果的にひと山分にも満たない薪を消費しただけだった。

薪の”燃やし放題”はキャンプ場の正式オープン後も薪の山がなくなるまで続けられる予定という。

直火で焚き火を楽しむ参加者

Sakura Bushcraft Fieldでは焚き火の後始末は現状復帰がルール。薪は燃やし切り、残った熾はメインテント近くに設置された消し炭入れまで持参する。
写真提供:一般社団法人自転車キャンプツーリズム協会

直火の良さは大量の熾火(おきび)を確保できること。常に傍に調理用の熱源があり、思うままに火力の調節ができるため、手を替え品を替え次々と酒のつまみができあがる。このキャンプ場を利用したことで直火の贅沢さを改めて感じることができた。

熾火料理

熾火の上に直接載せたり熾火を被せたり。鋳鉄製の蓋付スキレットや厚手のアルミホイル、コフランのキャンプグリルがあれば熾火料理の幅が広がる。

その場で薪を調達し、直火を楽しむキャンプ場

Sakura Bushcraft Fieldはある意味”不便”なキャンプ場である。オートキャンプやファミリーキャンプには気安くおすすめできない。その理由としては

  • 駐車場から一番近いテントサイトであるファインビューエリアまでの標高差が約20m(一般的なビルの7階部分に相当)、距離にして200mほど。ブッシュクラフト&ハンモックエリアまでは約300m。しかもアプローチは未舗装路。
  • トイレ、水場がメインテント付近のみ。

しかしテントサイトまでの未舗装路が苦にならない自転車やオートバイのキャンパーにとっては、アプローチさえもトレイルとして楽しめるし、自分の”寝床”と”竈門(かまど)”を好きな場所に自由に設営できるメリットは大きい(しかも薪の調達も容易である)。

クラウド・ファンディングでキャンプ場を整備

野地さんがSakura Bushcraft Fieldを作ろうと思ったきっかけは、自身が体験した既存のキャンプ場の不自由さにあった。

「不便さを積極的に楽しむような野性味あふれるブッシュクラフトキャンプをしようと思っても、既存のキャンプ場ではほぼ無理です。キャンプ場以外で焚き火を楽しむ行為も現実的ではありません。また、レンタル用品やサイトの区画がファミリー利用を前提とするキャンプ場が多く、自転車でソロキャンプを楽しむ人は肩身の狭い思いをすることもあります。ならば自分たちで理想のキャンプ場を作ってしまえば良いのではと考えました」

篠笹が生い茂る整備前の敷地

キャンプ場の敷地となったのは、かつてのこの地で栄えた養蚕業を支える桑畑だった場所。整備前は篠笹が生い茂る荒地となっていた。
写真提供:一般社団法人自転車キャンプツーリズム協会

そこで野地さんは2020年1月に父親が所有していた遊休耕作地に理想のキャンプ場を作るプロジェクトを立ち上げた。クラウドファンディングで46名からの出資を得ることができ、コロナ禍の影響を受けつつも、根気良く整備を進めてきた。
「ウチの親父が重機を操り、山下君やBIKE&CAMPのスタッフの手を借りて桑の木を伐採し、草刈機で篠笹を刈りました」

敷地面積は4ヘクタール弱、利用人数は最大で40名程度を想定

Sakura Bushcraft Fieldエリアマップ(計画図)。
※ 一般社団法人自転車キャンプツーリズム協会提供の画像を元に注釈を追加

整備に当たっては、あまり手を入れすぎないよう気をつけたという。なかでも「ディープ・ブッシュクラフト・エリア」は篠笹を刈っただけ。倒木はもちろん、枯れた桑の木も伐採せずに残したままだ。そして敷地内では枯れ木であれば自分で伐って薪として使用できる。

受付やトイレなどの機能が集まるメインテント周辺

メインテント

Sakura Bushcraft Fieldのシンボル、メインテント。
写真提供:一般社団法人自転車キャンプツーリズム協会

メインテントではAC電源が使用可能。将来的にはメインテント付近にWi-Fiを設置してインターネット接続を確保し、ワーケーション(キャンプ場に滞在しながらリモート・ワークを行なうこと)の基地としての機能を持たせる予定だ。

眺望が素晴らしいファインビュー・エリア

ファインビューエリアからの眺め

ファインビュー・エリアの入口から眺める安達太良山。

敷地内にはタケノコや山菜、キノコが自生し、カブトムシなどの昆虫も生息している。これらの「地元の資源」を活用したワークショップの開催も検討中だ。また周辺の農家が栽培した新鮮な野菜を販売するなど、自転車で旅する人がフラリと立ち寄っても食料を確保できるようにしたいという。限られた積載量のなかで何を積むかに悩むことが多い自転車キャンプでは、キャンプ場で確実に食料と薪を手に入れることができれば、装備の軽減に大いに役に立つ。

ワイルドなキャンパー向け”ブッシュクラフト&ハンモック・エリア”

各エリアを結ぶ連絡道

ブッシュクラフト&ハンモック・エリアへのアプローチ。

野地さんたちはBIKE&CAMP FESに出展する企業とのつながりを活かし、Sakra Bushcraft Fieldで自転車と旅に関連する最新の装備品のレンタルも計画している。その装備が自分の使い方に合うのかどうか、ほぼ自然のままのフィールドで実際にキャンプしながら試すことができるだけでなく、輪行などで極力装備を減らしたい場合にも有効な嬉しいサービスといえるだろう。

ブッシュクラフト&ハンモックエリア

適度な間隔でヤマザクラやクヌギの木が残るブッシュクラフト&ハンモック・エリア。

遊休耕作地の有効活用と地域振興の新しい形

近年、山間の農地転用策として太陽光発電が注目されている。しかし木を伐採して土の保水力が失われるだけでなく、全く水を吸収しないソーラーパネルから流れ落ちる雨水が斜面を削り、土砂災害を引き起こす例も増えている。またコストを抑えた安易な工法で設置された発電設備が強風で破壊され、一部の有害物質を含むソーラーパネルが放置されたままになる例もある。

その点、遊休耕作地の有効活用法としてキャンプ場を整備するという発想はさまざまな可能性を持っている。地元の農産品や特産品のアピールの場としても、地域の交流人口や関係人口を増やすという意味でも、Sakura Bushcraft Fieldの取り組みは今後の地域振興のひとつの形としてモデルケースとなるのではないだろうか。

なお、2021年5月15日(土曜)〜16日(日曜)に開催される「ヨコハマ サイクルスタイル2021」にてBIKE & CAMPのイベントが開催される。Sakura Bushcraft Fieldに興味がある人は会場でスタッフに問い合わせてみるといいだろう。

Sakura Bushcraft Fieldの入口

Sakura Bushcraft Fieldのエントランス。

問い合わせ

Sakura Bushcraft Field
福島県二本松市下川崎字七色山1番地
アクセス:JR安達駅より約5km(自転車で約20分)
料金:1,000円、1泊ごとに1,000円(デイキャンプなら入場料のみ、1泊2日で2,000円)
電話番号:03-6883-5845
https:// www.bikecamping.jp/sbf/

参考リンク

一般社団法人自転車キャンプツーリズム協会
https://bikecamping.jp(作成中)

BIKE & CAMP FES
https://www.bikeandcamp.net

山本修二さんによる「BIKE&CAMP FES 2020」のレポート
『BIKE&CAMP』で見つけた旅が楽しくなるバイク&グッズ10選
https://www.bepal.net/event/125644

Sakura Bushcraft Fieldをベースに周辺をツーリングするなら
自転車でお花見へ!福島県郡山で「一本桜」をめぐる自転車旅
https://www.bepal.net/bike/87685

私が書きました!
ライター・編集者
高木義人
札幌と福島を行き来する”IT方面”の会社員兼ライター、編集者。趣味は旧版地形図を眺めながら自転車で田舎道や山道を徘徊すること、キャンプ、酒類全般、おき火づくり。そして呑み鉄。https://northernlights.smugmug.com/EverydayAdventure/
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