「以前は裏にある神社の宮司さんの家だったんですよ」。たしかに、窓の向こうに神社が見える。徒歩30秒ほどの距離だ。「だから、家の中にも・・・ホラッ!」
廊下の突き当たりの扉。なんと! その中にミニ神社がすっぽりと納まっているではないか!冬季は外の神社が雪で埋まるからなのか?「以前、お客さん言われたんです」。麻弓さんが語りだす。「神社は人が集まる場所。昭和村の人口が減って、この神社周辺も人が減ってきたトコロに、この『とある宿』ができた。きっと、神さまは人が集まるコトを願っていたんですよ・・・って」。
村内外から、たくさんの人と気もちが集まる場所。それは、きっと、あるじの麻弓さんがほわほわしたオーラでたくさんの人を惹きつけるからなんだと思う。だから、神さまは麻弓さんとこの家を引き逢わしたのだろうなと。私も惹きつけられた一人。春夏秋冬、すべての季節を『とある宿』で過ごしてみたい。そう思わずにはいられない。
『とある宿』
住所:福島県大沼郡昭和村小中津川宮原1044
TEL:0241-57-3131
料金:ドミトリー5,000円/泊(寝具、夕・朝の食材費込み)
※冬季(10月下旬~5月上旬)暖房費別途300円
営業:基本的に木・金・土・日・祝日営業(冬季は、金・土営業、詳細はHP参照)
アクセス:JR只見線会津川口駅からバスで約30分。
または、会津鉄道会津田島駅からバスで約40分
(会津田島駅発着のバスは12~3月運休)
http://www.toaruyado.com/
イラスト・文・写真/松鳥むう(まつとり・むう)
イラストエッセイスト。離島とゲストハウスをめぐる旅がライフワーク。今までに訪れたゲストハウスは100軒以上、訪れた日本の島は76島。その土地の日常のくらしに、ちょこっとお邪魔させてもらうコトが好き。著書に『島旅ひとりっぷ』(小学館)、『ちょこ旅沖縄+離島』『ちょこ旅小笠原&伊豆諸島』『ちょこ旅瀬戸内』(いずれも、アスペクト)などがある。
http://muu-m.com/