トレランシューズの革命児!?ホカオネオネの「テンナイン」を履いて走ってみた
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    2020.03.22

    トレランシューズの革命児!?ホカオネオネの「テンナイン」を履いて走ってみた

    トレランシューズ業界に革命児が現れた!?

    ソールの形状を見て「なんだこれは!」と驚きを隠せなかった

    トレイルランニング(以下、トレラン)業界は、2014年時点で国内ランナーは20万人ほどいると言われ、そこから徐々に人口が増えているそうだ。トレイルランナーが快適に走れるように専門メーカーがいるほどだが、ここ最近確実に知名度をあげているのが、アメリカのシューズブランド・HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)である。

    この度、今年3月に新しいシューズが発売。それはひと目見ると「なんだこれは!」と度肝を抜かす斬新なデザイン! 今回は、ひと足先にこちらのシューズをお借りし、有名な大会に度々出場しているランナーに履いてシューズの魅力を聞いてみた。

    「最近はGoProで撮った練習中のランニング動画を見るのが楽しみ」という長尾さん。

    今回履いていただいたのは、2015年からトレランに目覚めたという長尾暁人(ながお あきと)さん。学生時代にフルマラソンデビューを果たし、2010年から延べ10年ほどサブスリーを記録中。トレランはスリーピークス八ヶ岳への出場がきっかけで始まり、ショートレースから100マイルレースなどあらゆるトレランの大会に出場。現在はUTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)に向けてトレーニング中。

    今回発売した「テンナイン」とはどんなシューズ?

    ホカ オネオネ「テンナイン」¥30,000+税

    ホカ オネオネが発売した「TenNine(テンナイン)」は、トレランギアという位置付けで発表した新作シューズ。一番の特徴は後ろに突出したミッドソールで、これにより悪路での走行を安定化させるという。果たして、実際に履いた感想はいかに……!

    トレイルランナーにテンナインを履いてもらった

    この大きさで普通のトレランシューズと大差ない重量!

    まずはシューズ全体をチェック。ソールのレモンイエローとスカイブルーのカラーリングが目を引く。片足の重量は360g27.0cm)で、長尾さんが普段履いている同ブランドのトレランシューズ・CHALLENGER ATR 5(チャレンジャー ATR 5)は266g27.0cm)。それと比べると若干重いが、全体の寸法は5cm以上も長い。それを考慮すると、約100gの差でこの重さを実現したのはすごいことだ。

    従来のシューズと比べてソールの形状と横幅がまったく異なる。

    次にチャレンジャー ATR 5と並べて比べてみた。テンナインはソールの形状が圧倒的に大きく、横にも広い。ランニングシューズの厚底シューズブームもあり、トレラン業界もこの流れを継いでいるのかもしれない。

    長尾さん「普段はシューズを軽いものを選んでいましたが、そうなるとアウトソールも薄くて狭いものが多く、急斜面を降りるときに安定性に欠けていると思うことがありました。テンナインを履いた瞬間、これくらい幅広のほうが安定してしっかり走れそう! と感じました」

    アッパーの生地は実際に見ると透けている。

    アッパーのパンプ部位にはLycra®(ライクラ)素材を採用し、従来の化繊と比べると4〜7倍の伸縮性がある。耐摩耗性のあるメッシュ素材を使っているので破れにくい設計に。

    長尾さん「自分の足は甲高で、シューズによっては足が痛くなることが多いのですが、この素材はしっかり伸縮しているので、見た目とは裏腹に快適ですね。外反母趾も気になりません」

    ソールだけでなく、ヒールの形状も別物。

    かかとのデザインも従来とは異なる。テンナインはプルタブと呼ばれるヒールから伸びる生地がかかとを覆い、足をしっかりと包み込んでくれる。

    長尾さん「最初履いた感想はちょっと大きいかな? と感じたのですが、プルタブのおかげで走っても靴が脱げないようになっています。ソックスを替えても、これなら安心です」

    「あれ、タンも従来とは異なるような……」と気づいた長尾さん。

    タンにはAriaprene®(アリアプレーン)という素材を使用しており、独自のオウトツデザインが汗を効率よく吸って乾いてくれる。また、タンがシューズの底で縫い付けられているので、走っているときにタンがずれないで足をホールドしてくれる。

    テンナインを履いて実際に走ってもらった

    「どんな機能があるか楽しみ」と満面の笑み。

    従来のホカ オネオネのシューズと比べて、テンナインはまったく異なるデザイン・機能を備えていることがわかった。では実際に走ってみて、どのくらい異なるのか試してもらった。

    「クッション性がいいですね」と言いながら軽々と坂道を登っていきます。

    まずは登りから。

    長尾さん「普段と変わりありませんね。ここまでミッドソールが大きいのに、重いと感じられずに走れるのは意外でした」

    テンナインにもホカ オネオネのDNAがしっかり盛り込まれており、ソールの厚さは約4mm。クッション性も抜群で、グングン登り坂を走っていった。

    「走りやすい!」という言葉とともに駆け下りていきます。

    次に下りに挑戦。

    長尾さん「おお! ラクに走れます。下っているのに斜度が緩く感じます。今まで下りは転げ落ちないようにブレーキをかけながら走っていましたが、これなら攻めてガンガン走れそうです!」

    今日イチバンの驚きを表した長尾さん。同製品の最大の特徴である突出したミッドソールは、下り坂で足の着地を安定化させてくれるところ。

    トレランでは体力の消耗をどれだけ抑えて走り続けるかが鍵を握ると言われており、特に下りは恐怖心による姿勢の変化で足に負担がかかりやすい。同製品はそれを極力抑えてくれる設計なので、安定した走りを実現できそうだ。

    ただし、街中など普段使いでは使わないように

    突出したソールが場所によっては危険になることも。

    「これを履いて大会に出場したらどんな成果が得られるか、とても楽しみです!」と笑顔を見せた長尾さん。ただし、普段の生活の中では同商品を使わないようにと筆者はお話しした。

    というのも、ミッドソールの出っ張りは履き慣れていないとつまずく可能性があり、たとえば狭い階段を降りると引っかかって転ぶ可能性がある。また全体の寸法もかなり長めため、車や自転車の運転に支障をきたすこともあり得る。スキーブーツといったギアを履いているような気持ちで履いてもらいたいとメーカーの公式サイトにも記載があるため、普段履きのものではないことを理解しておこう。

    実際のトレランの大会で活躍できるか期待

    「次の大会で実際に履いてみたいですね」と気合いが入った長尾さん。

    ホカ オネオネのテンナインは、見た目だけでなく実際の場面でも快適に走れるシューズだとわかった。ただ、今回はレビューとして練習場で走ってもらっただけなので、本番でどのくらいの結果が得られるかは未知数。これからの長尾さんの活躍に期待しつつ、テンナインがトレランに革命をもたらすのか、乞うご期待だ!

    ホカ オネオネ「テンナイン」

    価格:¥30,000+税
    サイズ:25.028.0cm(1cm刻み)
    重量(約):360g(片足、27.0cm

    商品の詳細はこちら
    https://www.hokaoneone.jp/unisex-trail/tennine/1109689/

    取材・撮影/小川迪裕

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