日本から一番近いヨーロッパアルプス(?)・ヒルシェンコーゲル山から縦走ハイクしてみた! | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2026.10.18

日本から一番近いヨーロッパアルプス(?)・ヒルシェンコーゲル山から縦走ハイクしてみた!

日本から一番近いヨーロッパアルプス(?)・ヒルシェンコーゲル山から縦走ハイクしてみた!
「いつかはヨーロッパアルプスに登ってみたい!」。そんなふうに憧れを持っている方も多いと思います。「けど…遠いしなあ。ヨーロッパに着いてからも大変そう」と諦めていませんか。

そんな方にお勧めしたいのが今回のルートです。というのも日本からの直行便があるウィーン空港からすぐ! つまりウィーンへの観光旅行中、「今日は天気がいいしアルプスに登ろうかな」なんてサクッと行くことも可能なんです。

どうも、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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【柳沢有紀夫の世界は愉快!オーストリア・センメリング編1】

もしかしたら日本からの所要時間が一番短いヨーロッパアルプスなんじゃないかと思うその山の名はヒルシェンコーゲル山。今回はそこからゾンヴェントシュタイン山への縦走ルートを紹介したいと思います!

まずはスタート地点のヒルシェンコーゲル山までの行き方。2026年9月現在成田空港から直行便が飛んでいるオーストリアのウィーン国際空港まで飛び、そこから直通列車で1時間40分ほどのセンメリング(Semmering)駅へ(直通列車は少ないのでウィーン駅などで乗り換えたほうが早い場合もあります)。

そこから歩いて23分でロープウェイの山麓駅へ到着します! 

または途中のグログニッツ(Gloggnitz)駅で、バスに乗り換えてセンメリング・パスヘーエ(Semmering Passhöhe)という終点で降りれば、そこから徒歩3分でロープウェイの山麓駅へ到着します。「海外で鉄道はまだしも公共バスの利用はちょっと……」と躊躇される方もいると思いますが、始発のバス停で乗って終点で降りるので難易度は低めかなと思います。

こちらがロープウェイ。新しくて清潔で快適です!

このロープウェイに5分ほど乗車して山頂駅で下車。そこがもう標高1340メートルのヒルシェンコーゲル山(Hirschenkogel)の山頂前広場です。ここからの景色がもう見事ですし…。

レストランや子ども向けの遊具がそろった広場もあって気分は最高!
案内図。中央の青い直線がロープウェイです。

ここは冬場には「ウィーンから手軽に来られるスキー場」として人気のスポット。夏場はハイキングのほかにマウンテンバイクなどが楽しめます。

いざハイキングスタート!

もう山頂だし景色はいいし広場は心地いいしで満足しちゃいそうですが、ここから標高1523メートルのゾンヴェントシュタイン山(Sonnwendstein)へ向かうのが今回のハイキングコース。9時半スタート。標準コースタイムで片道1時間45分、往復3時半です。

左下の太文字から右上の太文字のコースです。
山頂駅周辺から高度にしてたぶん10メートルほど登ります。
山頂から森に入って少し下ります。

ちょっと東京の奥高尾にある陣馬山から陣馬高原への下りみたいな道ですが、下に落ちているのが針葉樹なのでツルツル滑ることはなくて歩きやすいです。

15分ほどして森を抜けます。

ここからしばらくは車が通れる道が続きます。すると!

左側の斜面から2頭の鹿がいたと思ったら道に向かって駆け下りてきました。

そのまま道を横切って右側の70度くらいありそうな急斜面へ消えました。

なんかゴッホの絵のような雲。
そのあと視界が開けてきます。

すごい急斜面の中腹にバス停の待合室みたいな小屋がところどころにあって何なのか気になります。

だけどこの斜面を下りる勇気はありません。ハイキングコースからも外れるし。

牛などを放牧に来た牧童とかが休むのかな?

不安が山盛りの道中。その衝撃の理由は!

出発から25分後、車も通れる広い道から左側の細いけもの道に鋭角に折れます。

標識もなくずっと下を向いて歩いていたら気づかなかったところ。

というか…このあとも標識がほとんどありません。涙

この分かれ道でも頑なに標識なし。

たぶん登っていく方だろうと考えて左の道を進みます。

なんかゲートまで出てくるし。

このあたりではものすごく不安になってきて、「標識くらいつけろよ」と心の中で悪態をついていました。

そんなやさぐれた心を花が楽しませてくれます。

このあたりでは電波が入らなかったのであとでGoogle画像検索し、その検索窓に「オーストリアアルプスで見つけました」と情報を追加。すると「スイカズラ科クナウティア属の多年草であるクナウティア・アルベンシス、またはその近縁種」とのことでした。

同様に調べたところ、こちらは「キク科ノコギリソウ属のセイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)」とのこと。

相変わらず標識はないは、電波は届かないはで不安な気持ちで歩いていたところ…。

こちらは「放牧中の牛。みなさんご注意ください」とのこと。はい、下山後調べました。

そしてその横に待望の標識がっ!

砂漠でオアシス、地獄で仏に出会った気分。

…というか。今原稿を書きながら冷静に振り返ってみると、さきほど鋭角に曲がって細いけもの道に入るところからずっと標識がなかったということは…はい、私がそこで本来のルートから外れてしまった可能性大です。涙

その証拠に…。

10分後にまた標識が出てきました。笑

「頂上まで30分」とのこと。ロープウェイの山頂駅を出発してから1時間が過ぎていました。

眺望はないですが気持ちがいい道。

不安がなくなると景色まで違って見えます。笑

山頂前の集落がまさかの…

その直後に鉄塔が見えてきました。あのあたりが頂上のはず。

出発から1時間20分、山小屋やレストランなどがある「集落」っぽいところに到着。

ブルドーザー兼除雪車なのかな?
山小屋ですね。

ところが人がいる気配がまったくありません。「もぬけの殻」状態。

そんなときに山小屋の外壁で見つけたのがこれっ!

「クマ注意」の看板!

もぬけの殻なのはもしかしたら人々がクマを恐れて退散したからか? こんな人っ子一人いない場所でクマに遭遇したらとビビりましたが…。

よくよく見ると下にちっちゃく「Canada」の文字。きっと主(あるじ)か常連客がカナダ土産で買ってきたものでしょう。

さてその集落の突き当りにあり、展望スペースになっているカフェ兼バーに到着しても人はおらず。

シーズンならめちゃくちゃ賑わいそうですと思ったのですが…。

いやいやいや、じつはこの日は7月7日火曜日。平日とはいえ夏山シーズンの真っただ中じゃないのでしょうか。日本なら梅雨の時期ですがオーストリアにはないし。

あとでセンメリング観光局の人に聞いたところによると、このあたりもご多分に漏れず人手不足でハイシーズンでも登山客が多い週末にしか開けない山小屋やカフェが多いのだとか。その一方で人出が多い週末は休みたい人も多いので、人材の確保は本当に大変だそうです。

このカフェ兼バーからの見晴らしはなかなかです。

ちなみにこのあたりでは wi-fi が入りました。

いよいよ頂上へ!

この集落からわずか3分ほどで頂上です。出発から1時間40分後、ほぼ標準コースタイムで到着。

先客がいました。

この頂上付近でようやく何人かの登山客と会いました。

あいにくの曇り空だけど見晴らしは最高。

頂上にいたウィーンから来たというマックスさんによると写真正面に見える山がオーストリア・ニーダーエスターライヒ州の最高峰であるクロースターヴァッペン山。標高2076メートル。左側に広がるのがラックス大地(ラックス高原)。どちらも素晴らしいハイキングスポットとのこと。

その頂上にあったのがこれ! なんだと思いますか?

一応双眼鏡みたいに使うようですが…マックスさんも「特に意味があるものじゃないですよ」。

実際覗いてみたけど確かに意図は不明。笑

もしかしたら覗くためのものではなく、この横に立ち「ゾンヴェントシュタイン山展望台 1523メートル」の文字とともに記念撮影するためのオブジェなのかもしれません。

さて帰りましょうか。来た道をそのまま戻ります。

こちらもGoogle画像検索によると「ヒレアザミ属の一種で、おそらくジャコウアザミと思われます」とのこと。
来るときには気づかなかったかわいい手書きの看板を発見。

ロープウェイの山頂駅には山頂からちょうど1時間で到着しました。

今回のコースは「登山客でごった返す」という感じではない分、「ヨーロッパアルプスを独り占め」感をたっぷり味わうことができました。でもその分、道迷いにはご注意を!笑

【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!

Semmering-Hirschenkogel Bergbahnen GmbH (ロープウェイ運行会社。マウンテンカートなど山頂駅での様々なアウトドアアクティビティも提供)
https://www.semmering.com/en/

Sporthotel am Semmering (スポルトホテルアムセンメリング。今回私が宿泊したホテル)
https://sporthotel-semmering.at/en/

オーストリア観光公式
https://www.austria.info/ja/inspiration/skiing-and-winter/

著者画像

柳沢有紀夫さん

オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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