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野良ニラと野良エゴマを見極めよう
コンクリートの隙間から顔を出した「ど根性野菜」がニュースになることがある。しかしそれは、まれな出来事であることの裏返し。本物のど根性野菜はニュースにもならずにひっそりと街の一員になっている。「野良ニラ」と「野良エゴマ」だ。
道端や河川敷で野生化しているこれらを収穫する人もいるが、怖いのが食中毒だ。ニラと間違えてそのほかの有毒植物を誤食する事故が毎年起きている。
「誤食は怖いけどニラは食べたい……」なんて人におすすめの収穫期が、秋。ニラはこの時季に花を咲かせるので、開花期と形とにおいの3点からニラかどうかを確かめられる。

なき、ニラ!
ニラ
中国原産のネギの仲間。種子と分蘖の2つの方法で増殖する多年草で、刈り取りにも強い。群生地を一度見つけたら、春から秋まで何度も利用できる。

群生地を見つける目印は花。9月上旬〜10月上旬に白い花をつけるので、嗅いで確かめる。
エゴマ
エゴマも野良野菜の代表選手。実はシソ、青ジソ、エゴマの3つは同種。そのため容易に交雑する。野外で見つかる株は、風味にバリエーションがある。



シソ、青ジソ、エゴマの3つが混じり合った株。葉を揉んでみるとにおいも中間的になっている。

葉が堅いニラは地上部を一度刈り捨てし、数日後に新たに伸びた葉を使う。食感と香りが良くなる。

材料はニラ、エゴマ、豚ひき肉に砂糖と醤油少々。皮は強力粉を練って厚めに。皮を自作すると、野良野菜の野趣ある香気に負けない。
Complete!


キャベツや白菜を使わずにつくると、香気がダイレクト! こんな野生食材の調理は楽しいけれど、採集は法的に問題ない場所で。
※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一
(BE-PAL 2025年11月号より)







