じみに危ない毒キノコ『 クサりラベニタケ 』 | キノコ・山菜 【BE-PAL】キャンプ、アりトドア、自然掟生掻の情報源ビヌパル
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    2019.02.18

    じみに危ない毒キノコ『 クサりラベニタケ 』

    キノコを採っお撮っお30幎マッシュ柳柀の知れば知るほど深みにハマる野生菌ワヌルドぞようこそ

    芁泚意!!きのこ食䞭毒倚発必ず芚えおおきたい毒きのこ③

    ただカサが開ききらない、クサりラベニタケ。肌色の胞子が䞋のキノコのカサに付着しおいる。

    地味で目立たないクサりラベニタケ毒、䞭毒が倚いのは、なぜ!?

    いわゆる「きのこ䞭毒埡䞉家」ずは、カキシメゞ、クサりラベニタケ、ツキペタケのこず。日本で起こるキノコ䞭毒の割以䞊が、これらによるものず蚀われおいる。
    この皮の䞭で、東北地方に倚いツキペタケ䞭毒に察しお、䞭郚、関東で倚発するのがクサりラベニタケずカキシメゞの䞭毒だ。

    ずっおも矎味そうな毒キノコ!!『 カキシメゞ 』

    肉厚で矎味そうな倖芋が誀食を誘う「カキシメゞ」に察しお、クサりラベニタケの䞭毒倚発の原因は、地味で特別に目立぀特城が乏しいこず。
    カサは灰色。柄は癜く、ツバも無ければ、ツボも無い、特別な暡様も無い。䌌たキノコはゎマンずある。
    䜕凊にでもある、圓たり前そうな倖芋は、なんら譊戒心を抱かせない。
    しかも、比范的芋分けが難しい、「シメゞ」の仲間や、りラベニホテむシメゞなどのキノコ狩りで人気の獲物が、灰色のカサず癜い柄ず、クサりラベニタケによく䌌おいるのも䞭毒事故を倚発させる原因だ。

    私も、クサりラベニタケそのものでは無いが、近い皮類でよく䌌た、コクサりラベニタケ毒をハタケシメゞ食ず䞀緒に採っお持ち垰ったこずがある。
    キノコを皮類ごずに調理するための仕分け䞭に、わずかなヒダの色の違いに気が぀いお事なきを埗た。

    キノコの撮圱䞭、やや小型のハタケシメゞの矀生に出䌚っおホクホク顔でカゎに䞀杯採ったのだが、その䞭にコクサりラベニタケが混じっお生えおいたらしい。特定のキノコの矀生の䞭に別皮の菌が発生するこずは皀だず思っおいたのが盲点になった。

    キノコ採りから垰宅したら、すぐに持ち垰ったキノコを、必ず皮類ごずに仕分けお眮くように習慣づけおおくのは、䞭毒を防ぐ䞊でも倧切なプロセスのひず぀だ。もちろん料理の䞋ごしらえの圹にも立぀。
    あの時、もしも確認せずに食べおいたら、かなりの本数が混じっおいたので䞭毒しおいたかも知れない。

    ●コクサりラベニタケ※毒※

    孊名Entoloma nidorosum (Fr.) Quél.

    クサりラベニタケによく䌌た、より小型の毒キノコ。䞀般にはクサりラベニタケず混同されおいおいる。別名ヒメクサりラベニタケ。

    【カサ】

    盎埄3cm7cm。円錐圢から皿型に開く。衚面は平滑、吞氎。湿時呚囲に短い条線を珟す。垯黄灰色から灰色。也燥時、汚癜色で光沢がある。老成するず呚蟺郚が䞍芏則に波打぀。

    【ヒダ】

    癜色のち肉色で疎。盎生するが成熟するず柄から離脱する。

    【柄】

    䞊䞋同埄、癜色。䞊郚粉状で䞋郚は繊維状。䞭空から髄状。

    【肉】

    癜色で脆く、刺激臭がある。

    【環境】

    倏秋、広葉暹林地䞊に発生する。

    【食毒】

    有毒。

    クサりラベニタケっおどんなキノコ

    クサりラベニタケは毒きのこの倚いグルヌプのむッポンシメゞの仲間だ。
    むッポンシメゞずクサりラベニタケはよく䌌おいお、毒性も同じなので、キノコ䞭毒の統蚈では合わせお䞀皮ずしおカりントされるこずが倚い。
    クサりラベニタケには、よく䌌た毒キノコも倚いのだ。

    ●シミむッポンシメゞ小山 仮※毒※

    孊名Entoloma sp.

    ただ正匏な名前が付いおいないむッポンシメゞの仲間。むッポンシメゞの兞型に぀いおは異説が倚い。この皮も含め広矩のむッポンシメゞずするのが肉県での刀断では劥圓ず思う。

    【カサ】

    盎埄4cm12cm。饅頭圢から平に開き、老成するず瞁郚が反り返り、䞍芏則に波打぀。湿時、匱い粘性があり、衚面は平滑。灰耐色から垯黄灰耐色。倧小の暗灰耐色のシミを倚数生ずる。

    【ヒダ】

    盎生から䞊生し、老成するず柄から離れる。癜色から、埌に肉色になる。

    【柄】

    䞋方が倪く、基郚やや肥倧する。䞭実から髄状。衚面は癜色から、埌にカサの色を垯び、䞊郚、粉状で䞋は繊維状。

    【肉】

    癜色で衚皮䞋衚面色を垯び、匱い苊味ず粉臭がある。

    【環境】

    ブナ科、りラゞロモミ林など地䞊に発生。

    【食毒】

    有毒、クサりラベニタケず同様の䞭毒の可胜性がある。

    むッポンシメゞの仲間のキノコの特城のひず぀は、成熟するずヒダの色が肉色になるこず。クサりラベニタケも䟋倖ではない。しかし、若く胞子が成熟しおいないものでは、ヒダの色は類癜色。幌い菌でも毒性は倉わらない。必ず成熟した菌で確認するこず。

    兞型的なクサりラベニタケのヒダは、ルヌペで拡倧しお芋るず、瞁がノコギリ状鋞歯状になっおいる。
    これは、同じむッポンシメゞ属の䞭で数少ない食甚になり、きのこ狩りでも人気のあるキノコ「りラベニホテむシメゞ」ず芋分ける際の倧きなポむントだ。

    ルヌペでヒダを芳察するず、ノコギリ状になっおいるのが分かる。兞型のクサりラベニタケの特城。りラベニホテむシメゞのヒダの瞁は、ほが平滑だ。

    実際に山でクサりラベニタケを芋぀けるたびに仔现に芳察するず、少しず぀雰囲気に違いがある。クサりラベニタケやむッポンシメゞず蚀われるキノコは耇数の類䌌の菌の集合の可胜性が高く、それらの党おが有毒ず思われる。
    倖芋的特城からだけでの刀断では粟床を欠く。本圓は広矩のクサりラベニタケ毒ずするのが正しいのだろう。
    ヒダの芳察だけでは100%の安党は保蚌されない。他の特城もよく比べお刀断し芋分ける必芁がある。

    クサりラベニタケ䞭毒の症状は

    クサりラベニタケを食べおから20分から4時間ほどで、䞻に嘔吐、䞋痢、腹痛などの胃腞系の䞭毒を起こす。倚くの堎合は呜に関わるほどの激烈な䞭毒ではないずいわれる。
    しかし、神経毒のムスカリンなど他の毒成分も含み決しお毒性が匱いずいうわけではない。䞀床に倚量に食べたりするず死亡する可胜性もある。

    たた、キノコの毒ぞの感受性は個々人の違いが倧きい。䜓質によっおは重い症状がでる堎合がある。

    1989幎に倧阪垂で起きた食䞭毒事件では、カサの盎埄3cmほどの小さな幌菌1本を倫婊で食べた。量は劻が3/4本、倫はわずか1/4本しか食べおいない。それでも激しい胃腞障害を起こし、自宅療逊で回埩たで6日間かかった。
    このケヌスでは、胃腞障害の他に、手のひらの痺れや、頭がのがせるずいった、ムスカリン由来の神経系の症状も珟れたずいう。

    クサりラベニタケの毒そのもので死ななくおも、激しい䞋痢などが続いたため、脱氎症状から呜を萜ずした䟋もある。
    たた、キノコの毒は初期の治療を早めに行うこずで、症状の軜枛や予埌の経過を劇的に良奜にできる可胜性が高い。初期症状が軜くおも、玠人刀断せず、必ず病院での治療を受けたほうが良い。

    䞀芋、地味でぱっずしないダツが、裏を返すずかなりのやり手だずいうこずは、人の䞖界でもよくあるこずだ。
    胜あるキノコは毒を隠す。
    実はクサりラベニタケは隠れた実力掟「毒キノコ」なのだ。

    ●クサりラベニタケ※毒※

    孊名Entoloma rhodopolium (Fr.) P. Kumm

    ヒダが肉色になった成菌。幌菌では類癜色。カサの色は倉異が倧きい。

    【カサ】

    盎埄3㎝10cm。半球圢から平。老成するず呚囲が反り䞊がっおうねり乱れる。衚面は吞氎性で平滑。灰色から灰耐色。湿時、呚囲に短い条線を衚し、也燥時絹糞状光沢があり繊維状。

    【ヒダ】

    盎生䞊生。老成するず柄から分離する。初め癜色、のち淡玅色を経お肉色になる。ヒダの瞁は䞍芏則に乱れ鋞歯状になる。

    【柄】

    䞊䞋同埄からやや䞋方が倪く、䞭空から髄状。衚面は癜色で、䞊郚粉状で䞋方は光沢がある繊維状。淡く条線がある。

    【肉】

    衚皮䞋、衚面色を垯び癜色。匱い粉臭がある。無味。

    【環境】

    倏から秋、ブナ科広葉暹林地䞊に発生。広矩のクサりラベニタケず思われる菌は針葉暹林にも発生する。

    【食毒】

    有毒、䞭毒事故が極めお倚く最も泚意する菌のひず぀。毒成分は、ムスカリン、ムスカリゞン、コリン、溶血性蛋癜。䞻に匷床の消化噚系䞭毒だが、神経系の症状も珟すこずがある。

    クサりラベニタケに間違えられやすいキノコ

    ●りラベニホテむシメゞ食べられるキノコ

    孊名Entoloma sarcopus Nagas. & Hongo

    やや苊味があるが、雑朚林のきのこ狩り察象ずしお人気が高いキノコだ。カサの指で抌したような班が同定のポむント。

    【カサ】

    盎埄5cm15cm 円錐圢から䞭倮の盛り䞊がった平に開く。衚面粘性は無く、垯耐灰色。癜色の絹糞状繊維に薄く芆われるが老成するず消倱する。しばしば指で抌したような浅い凹みや班がある。

    【ヒダ】

    盎生状湟生し、やや疎。類癜色から埌に淡玅色。

    【柄】

    倪い棒状で䞊䞋同埄から䞋方にやや倪く、䞭実。衚面は癜色で初め平滑。成熟するず条線を珟す。

    【肉】

    癜色、匱い苊味ず粉臭があり緻密。

    【環境】

    秋、ブナ科暹林地䞊に矀生、単生。

    【食毒】

    可食、キノコ狩りの察象ずしお人気。

    ●ハタケシメゞ食べられるキノコ

    孊名Lyophyllum decastes (Fr. ) Sing.

    栜培皮がスヌパヌなどで販売されおいる、矎味な食菌。実はカサの様子など倉化が倚く芋分けの難しいキノコのひず぀だ。

    【カサ】

    盎埄2cm12cm 饅頭圢から䞭倮がやや窪んだ平らに開く。衚面は灰色耐色。现かい繊維王があり、癜く粉を吹いたように芋える事がある。粘性は無い。

    【ヒダ】

    類癜色で密。盎生から湟生やや湟生気味に垂生する。

    【柄】

    衚面繊維状で癜色からカサの色を垯びる。䞊䞋同埄から䞋方が倪く、䞭実。基郚で数本が癒着し束生し、しばしば株状になる。

    【肉】

    癜色、衚皮䞋衚面色を垯びる。無味無臭。

    【環境】

    貯朚堎や廃材捚堎、庭園など、朚質の埋もれ朚などがある堎所から、束生する、腐朜菌。

    【食毒】

    可食。ホンシメゞに匹敵する優秀で矎味な食甚菌。

    文・写真柳柀たきよし
    参考
    「日本のキノコ262」自著 文䞀総合出版
    「原色日本新菌類図鑑」今関六也・本郷次雄線著 保育瀟
    「原色日本菌類図鑑」今関六也・本郷次雄線著 保育瀟
    「北陞のきのこ図鑑」池内良幞著 橋本確文堂
    「Gakken 増補改蚂 フィヌルドベスト図鑑 日本の毒きのこ」長沢英史監修 孊研教育出版
    「クサりラベニタケによる食䞭毒」高朚正明著 食品衛生孊雑誌40å·»5号 日本食品衛生孊䌚
    「日本におけるきのこ䞭毒の発生状況」石原 祐治・山浊 由郎著 食品衛生孊雑誌46å·»6号 日本食品衛生孊䌚
    「自然毒のリスクプロファむルクサりラベニタケ」厚生劎働省HP

     

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