
松本明子のアポなし軽キャン日記|第15回


“漆のお盆とお椀セット”“携行できるクッションタイプの枕”“磁石タイプの貼れるライト”に“初心者マーク”。
これ、なんだと思いますか?「アムズレンタカー」からのプレゼント? いえいえ、お客様の“珍”忘れ物でございます。
レンタカーを借りたことがある読者のみなさんも多いかと思いますが、結構、多いんですよ、忘れ物。
以前、台湾人のお客様から、ライトを忘れた、という問い合わせがありました。小さい懐中電灯タイプで壁に貼れるライトだっていうんです。廣田さんと車の中を探してみたところ、天井の棚の横に貼り付けてありました。
そうしたら、またもや別の台湾人の方から連絡がきて、懐中電灯タイプで壁に貼れるライトを忘れたっておっしゃるんです。ふたりともこういうライトだって、動画を送ってこられたんですが、どう見ても同じライトなんですよ。しかもふたりの出発日も返却日も同じで、車もブギーライダー。
「どっちかがウソをついてるに違いない!」
と廣田さんと憤りつつ車の中を探したところ……、あったんですよ、もうひとつ。しかも同じところに貼り付けてあって。心の中で疑ったことを詫びました。まだ日本にいらしたので、ちゃんと廣田さんが新宿で待ち合わせて、無事届けました。
忘れ物は、圧倒的に海外のお客様に多いんです。食べきれなかった食材や割り箸、ミニクーラーボックス(あ、これは、もう海外に帰るから、ということでドイツ人一家からいただきました)。
みなさん、大荷物だから細かいものを忘れちゃう人が多いんでしょうね。それに、海外の方は布団セットを借りられることが多いので、よく靴下が挟まっていたりします。携行式の枕も、布団の間から発見しました。でもおおらかな方が多くて、連絡すると、大抵、“あげます、あげます”って何でもくれます。
テキサスから来たアジア系のご夫婦は、忘れ物が多いこと多いこと。充電用コード付きのアダプターをはじめ、小さい枕がふたつ布団の間から出てきたし、冷蔵庫にはワインもありました。
極めつきは、国際免許証!運転席のサンバイザーに挟まれていて、どうしますか?って連絡したら、“いらないから破棄していいよ”って。いつでも作れるし、もう国に帰るからいらないのだそうで。果たしてこれは、おおらかというひと言で片付けていいものか。とにかく自由なんですよね。
これは忘れちゃダメでしょー!
携帯電話を忘れた人もいましたね。迎えに来られた旦那さんの車に乗り換えられたのを見送って、廣田さんがお貸ししたブギーライダーの扉を開けたら、ドアポケットに入っていることに気づきまして。
「あ〜〜〜〜〜!!」って全力疾走で追いかけて(下り坂で転びそうになった、と廣田さん)、大きな道に出る寸前、減速したところで追いつき、トントントントン!間一髪間に合いました。商店街の人たちが、何事かと思ってみんな振り返ってましたよ。
どうもドアポケットがネックなようで、家の鍵を入れっぱなしにして帰っちゃった人も、今のところ2組いましたね。レンタカーの返却は大抵夜なので、暗くてこちらも忘れ物を見落としちゃうんです。
どちらも外国人で、ひとりはその日は彼女の家に泊まったとかで、翌日取りにいらっしゃいました。もうひとりはそのまま大分に旅行に行かれちゃったので、東京に戻ってきたときに渡しました。
あ、ルーフトップテントのハシゴをキャンプ場に忘れてきちゃったお客様、という変化球も。キャンプ場の芝生にポツン(!?)と置いてきぼり。キャンプ場から着払いでアムズまで送ってもらいました。確か、お客様もいくらか払ってくれました。
ドアポケット、運転席の上の収納棚、キャンプ場の芝生の上、みなさん要注意です!
アキコ・マツモトの忘れ物事情
なーんて、人様の忘れ物をとやかくいっている私ですが、かくいう私も、忘れ物、します。
いつも持ち歩いているショルダーバッグ。高速道路のサービスエリアでお手洗いに行き、“廣田さん、お待たせー”と手ぶらで出てきて置いてきたことに気づかない。
出発してから「あれ、バッグは?」と廣田さんにいわれ、「あっっ!」財布も携帯も鍵も。トリプルで忘れ物です。高速を引き返している間に急いでお土産物売り場に電話してトイレを見に行ってもらい、なんとかセーフ!
「もう、事件です」(廣田さん)。
キャリーケースを持って、新幹線で地方ロケに行ったときも、ありましたね。大阪から東京に戻ってきて、品川駅まで廣田さんが迎えにきてくれたんです。エスカレーターの下に見えた廣田さんに、
「廣田さん、お待たせ〜!」
「あれ、キャリーバッグは!?」
「あぁっっっ(のけ反り)」
もう、コントの世界です。上りの新幹線でよかった(荷物は東京駅に保管されるので)。
「そのあとで名古屋でもやりましたよ。荷物博多まで行っちゃったじゃないですか」(廣田さん)
わざとじゃないんです。こちらの荷物も、着払いで送ってもらいました。
息子にもそんなおっちょこちょいなところが遺伝してしまい、小学校のとき、「行ってらっしゃーい」と見送って玄関を見たらランドセルが置いてあるじゃないですか。送るほうも送るほうだし、行くほうも行くほう。急いで自転車にランドセルを乗せ、先回りして校門で待つ、なんてこともありました。
考えてみたら、いつも丸ごと忘れるんですよね。そして私の忘れ物は廣田さんが気付いてくれる。廣田さんに感謝です。
「さすがに名古屋の手ぶら事件は、何しに行ったんですか、と思いましたけど」(廣田さん)
何時も〝初心忘るべからず〞

アムズで使っている便利グッズを紹介
アムズが車を購入した「ブロー」の紹介で導入した、水から生まれたクリーナー「wash-U」。洗剤や消臭剤を使わず汚れとにおいを除去できる。

担当の原竜太郎さん。「化学物質を含まず、キャンプにも最適!」

ダッシュボード、内窓、ハンドル、座席など直接スプレーして汚れもにおいも拭き取れる。

食器の油汚れに吹きかけて、汚れが浮き上がったら拭き取ればOK。

ボトルを持参すれば、ブローをはじめ全国53か所で量り売りに対応。
●松本明子さんのレンタカー、オフィスアムズはこちら→https://officeams.com/
※構成/大石裕美 撮影/小倉雄一郎 写真提供/オフィス アムズ
(BE-PAL 2025年9月号より)