深海の世界、農業のこれからをじっくり考えられるおすすめの本2冊
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 2024.08.28

    深海の世界、農業のこれからをじっくり考えられるおすすめの本2冊

    深海の世界、農業のこれからをじっくり考えられるおすすめの本2冊
    まだまだ暑いなか、休めるときは無理せず部屋で読書を。今回はネイチャーライフの知恵を育み、明日を考える良書を2冊ご紹介。

    『深海世界 海底1万メートルの帝国』

    深海はラストフロンティア。アビスの楽園に迫る脅威

    スーザン・ケイシー著 棚橋志行訳 
    亜紀書房 
    ¥3,080

    image

    その昔、怪物がひしめく場所として恐れられてきた深海の世界。映画にもなった沈没船タイタニック号や全長15mにもなるダイオウイカなど、深海にまつわる発見やストーリーは今も未知と不思議にあふれている。深海の定義は水深200m以深の海域。地球表面の約65%を覆い、なんと海洋空間の約95%を占めるという。我々日本人に海は身近な存在だが、普段見ているのはほんの一部に過ぎない。
     
    海底にはヒマラヤ山脈をひっくり返したような海溝があり、奇妙な姿をした生き物たちがいる。頭の透き通った魚や光を点滅する幻想的なクラゲ、大きな目玉と牙剝き出しのホウライエソ。そして、深海の堆積物には類まれな生命が満ち、既知の分類に当てはまらない生物も多いと、近年明らかになってきた。新種ではなく生命の樹の全く新しい枝もあるというから心躍る。
     
    だがそんな深海には豊かな金属も眠っている。深海採鉱が進みつつあり、深淵の開発事業が環境や生物に与える影響は大きいと研究者たちは警鐘を鳴らす。著者も開発を推進する背景や事業者の実態を詳らかにし、海を守ろうとしている。深海は一体誰のものなのか? 
     
    深海の歴史、存在の大きさ、未来……。うだる暑さの盛夏、深海の世界にどっぷり浸ってみては。

    『おひとり農業』

    自給農で生き抜く術を身に付ける!

    岡本よりたか著 
    内外出版社 
    ¥2、200

    image

    「食べるものの一部でいいから作ってみてほしい」著者のそんな思いで綴られた本書は、農業の根源を探れる指南書。そもそも土って何?野菜って何でできてるの?水はどうやって自然の中を巡っているの? 
     
    第1章は縄文時代の話からスタート。自然の摂理に倣い、数々のそもそもを知ることで、野菜作りの根幹をまずは捉えるところから。タイトルには「おひとり」を冠しているものの、決して孤独が趣旨ではない。「買う」の一択だったものが「作る」ことで選択肢が増える。ひいては自分で食べ物を作れるという自信は暮らしやすさにつながると著者が背中を押す。

    ※構成/須藤ナオミ

    (BE-PAL 2024年9月号より)

    NEW ARTICLES

    『 本 』新着編集部記事

    芥川賞作家・松永K三蔵さん「バリ山行」ロングインタビュー!

    2024.12.12

    焚き火の前で読みたい愛読書をアツく紹介!BE-PAL沢木編集長×ファイヤーサイド代表・ポール・キャスナー氏対談

    2024.12.12

    科学が照らす人びとの営み、一杯の牛乳から考える…自然好きのための面白い本4選

    2024.11.17

    オオクワガタ採集に人生を懸ける男たちのノンフィクション、関西の漁港めしガイドブック…今読みたい本2冊

    2024.10.11

    キャンプ関連の本はどんなものがおすすめ?目的別に編集部がおすすめする本を紹介!

    2024.10.10

    BE-PALがおすすめする初秋の新刊4選!ヒグマとの闘い、生き物の捕まえ方、自給生活など

    2024.09.15

    夏山の遭難ドキュメント、カラスとの付き合い方……盛夏に読みたい新刊2選!

    2024.07.24

    ライチョウ、バッタ、危険生物に…カレー!?アウトドア好きが読まずにはいられない新刊本4選

    2024.06.24