![いざクロコダイルと接近遭遇!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/07/kakadu-yellowwater-1.jpg)
てなわけで我々が向かったのは「イエローウォーター」。そこでその名も「イエローウォータークルーズ」という1時間半~2時間のボートクルーズを楽しむのです。
どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
【世界遺産「カカドゥ国立公園」旅vol.3】ワニと野鳥とハスの楽園「イエローウォータークルーズ」へ
「イエローウォーター」というのはこのあたりの「川および氾濫原」の名称。「氾濫原」とは「毎年雨が多い時期には川から水が氾濫し、湖のようになる場所」というくらいの意味です。
雨が多い季節とほとんどない季節がある熱帯。「氾濫原」が広がるのは「洪水」のような「災害」ではなく、毎年やってくる「年中行事」みたいなものです。場所によって8メートルくらい水位が変わるのだとか!
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波のない湖面なので乗り込むのはこんな平底船。
平底のクルーズ船に乗って約1時間半の桃源郷への旅に出発。
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乗車定員は50人乗りくらい。
今回の船長さん。名前を訊いてメモしたけど、紛失しました。すみません。
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笑顔が素敵。アウトドア女子の笑顔にはコロッとやられる私です。笑
ちなみにこのイエローウォータークルーズに参加するのは確か5回目くらい。そのうち1度は夕方取材で乗ったあと「明日の朝もぜひ!」とお願いしたものです。
「船好きの少年かっ!」とツッコミを入れられそうですが、じつはこれが大正解! いちばんオススメの乗船時間帯は夕陽も素晴らしく、鳥たちの姿も夕映えする日没前なのですが、早朝の静かで幻想的かつ荘厳な雰囲気も捨てがたいのです。
たぶんイエローウォータークルーズを夕方遅くに体験される方々はこの近くに宿をとると思うので、できれば早朝もあわせて2回体験することを強くオススメします! ホント、イエローウォーターのまったく違った表情を楽しめますから。
ハスが彩る「極楽浄土」の世界
さてこのイエローウォータークルーズでのいちばんの呼び物はやっぱり「巨大イリエワニとの遭遇」。でもメインイベントは取っておくことにして、まずはその他の魅力を紹介しましょう。
まずはハスです!
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白いハスは「謙虚なのだけど隠しきれない華やかさ」というイメージ。
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紫のハスは「いやらしさなどみじんもない高貴な色気」でしょうか。
白や紫の美しい花を見ていると…これはもうやっぱり西洋的な「天国」ではなく東洋的な「極楽浄土」「彼岸」の心の安らぎを感じます。
【世界遺産「カカドゥ国立公園」旅vo.1】で、〈初めてそこに行ったとき「あっ、ただいま」とふと口から洩れて〉いた場所があると書きました。「世界最後の日にはここで死にたい」と思った場所だとも。
それがじつはこのイエローウォーターなんです。このハスたちの「極楽浄土」「彼岸」らしさが、そういう気分にさせるのかもしれませんね。
ところでハスとスイレンの違いはご存じでしょうか。意外と知られていないんですよね、これは。
スイレンは水面に直接浮かぶように花が咲きます。一方ハスは水面からすっと茎が立ち上がっているのが特徴なんです。
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というわけでこれがハスです。
野鳥とリフレクションの鮮やかな世界
美しさという点では野鳥たちも負けていません。特に鮮やかなのは日本でも見られる鳥ですがカワセミ。
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この艶やかな青色が夕陽に映えるんですわ。
そしてオーストラリアの北部や北東部に生息するジャビルー(セイタカコウ)と呼ばれる大型の鳥。はい、コウノトリの仲間です。体長最大150センチ、羽を広げた幅は230センチにもおよぶそう。
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青く光る首から頭部が見事です。
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他の鳥たちもぜひ!
もう一つイエローウォーターの魅力を上げるとリフレクション、つまり水面への写りこみ。
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木々の写りこみもきれいだし。
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夕空も。
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さらに沈みゆく太陽も。
日没直前のクルーズだったので、船長さんは船を停めてくれてしばし夕陽鑑賞。私の「世界最後の日にはここで死にたい」という気持ち、ちょっとわかっていただけたでしょうか。
そしてワニにとご対面!
咲き誇るハスの花、彩り鮮やかな鳥。そんな「まさに極楽浄土」という穏やかな景色の中に突如現れる野獣がイリエワニです。オスの体長はときには6~7メートル(メスはその半分)にもなるモンスター。平和で極楽な世界だからこそ、その荒々しい見た目が際立ちます。
さてワニは基本的には自分の「なわばり」的なものを守るそう。そして「イエローウォータークルーズ」では前に出航した船から目撃情報を得るので、船長たちは見どころをつかんでいます。
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「あそこにいた」という目撃情報を船長たちは交換しているとのこと。
とはいえワニたちも移動するし水に潜ることもあります。
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岸にいることもあれば、水辺にいることも。
まったくワニを見られないということはないと思いますが、どれほど大きい個体を見られるかはそのときの運次第の部分もあります。
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やっぱり不気味。「モンスター」感が溢れています。
ところでこの船には同乗しなかったのですが、【世界遺産「カカドゥ国立公園」旅vo.1】と【同vo.2】で大活躍してくれたガイドのデイヴィッドからおもしろい話を聞きました。ワニが食べているものを調べたところ1970年代は魚がメインだったのに、現在は野生化したノブタが多いとのこと。食性が変わってきているのです。
魚が減ったというよりも野ブタが増えすぎたのでしょう。大型の肉食獣はワニくらいしかいないので。
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口を開けて暢気にお昼寝に見えますが…。
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こうやって口の水分を蒸発させることで脳の温度を下げているのだとか(所説あります)。暑すぎても寒すぎても動けない。変温動物も大変です。
その日の夕食は前回紹介したクイーンダロッジのレストランで。
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前菜はこのあたりに生息するバラマンディという魚のカルパッチョ。
バラマンディをカルパッチョで食べたのは初めてですがくせがなくておいしかったです。よくよく考えたらスズキの仲間なので、カルパッチョに適していて当然。
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そしてメインは水牛のステーキ。
これが滋味があって、みんな「ビーフよりおいしいくらいだね」と大満足でした。
かつてはここの宿も食事ももっと簡易なものだけだったのに、今ではどちらも一流のものが楽しめるようになりました。そういえば出発地のダーウィンもかつては「バックパッカーの聖地」だったのに対して、今では高級リゾートが建ち並んでいます。
まあ時代は変わるもの。そんな中、イエローウォーターだけは今も昔も極楽浄土風の「楽園」であり、「ワニの王国」です。
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
オーストラリア政府観光局
https://www.australia.com/ja-jp
ノーザンテリトリー政府観光局
https://northernterritory.com/jp/ja
イエローウォータークルーズ
https://app.respax.com/public/kt/?site=KT&categoryId=1
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