"駅近登山"に出発進行!滋賀の太郎坊山には鉄道・絶景・お宮参りの三拍子が揃っていた | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.05.24

    "駅近登山"に出発進行!滋賀の太郎坊山には鉄道・絶景・お宮参りの三拍子が揃っていた

    鮮やかな新緑がまぶしいこの季節は、ソト遊びにぴったり。もちろん山登りにも!ということで、初心者でも挑戦しやすい低山で、かつ鉄道も絶景も、お宮参りまでまとめて楽しめる、滋賀県を舞台にした”駅近登山”をご案内します。

    目指したのは太郎坊山(350m)

    コースタイム:5時間
    総距離:約7㎞ 標高差:約255m

    勝利の神様を祀る太郎坊宮の上にある、太郎坊山こと赤神山。南峰は御神体で登れないが、北峰には登れる。岩戸山とのセットで周回するコースが人気。今回も5座を縦走した。

    【行程】
    START 市辺駅

    船岡山

    十三仏登山口

    十三仏

    岩戸山

    小脇山

    箕作山

    休憩所

    太郎坊山

    太郎坊宮

    太郎坊宮
    入口階段

    GOAL 太郎坊宮前駅

    私たちが挑戦しました!

    師匠・低山トラベラー
    大内 征さん

    歴史文化を辿って各地の低山を巡る。ピークハントだけに囚われない、知的好奇心をくすぐる山旅の魅力を発信中。著書に『低山トラベル』シリーズ他。

    大内 征さん

    弟子・低山ビギナー オーイシ

    本誌インドア担当と言い続け、早○十年。自然は大好きだが疲れるのはキライ。**とサルはというように、高尾山のリフトが大好き。

    低山ビギナー オーイシ

    飛び出し坊や 発祥の地!

    低山とは思えない眺めに出会える

    右手には東海道新幹線が、左手には近江鉄道が見える!まさに一挙両得。

    「今回登る太郎坊山は、昔から地元の人に“神様が住む山”、“天狗が住む山”といわれている霊峰。登山口から、742段の階段を登ることからはじまります」
     
    と、師匠の大内氏(以下師)。

    「え? 階段キライっす。回り道ないんですかね〜」
     
    弟子のオーイシ(以下弟)が物申す。登山初心者にとって初っ端の階段は死活問題なのである。

    :「……OK! じゃあ、隣の駅から行きましょうか」
     
    到着したのは近江鉄道八日市線の市辺駅。かなり太郎坊山から遠ざかったような……。

    :「階段が苦手なら、船岡山から回って行きましょう。登山口までは駅から5、6分。そのあと、岩戸山、小脇山、箕作山を通って太郎坊山へ。ゴールは太郎坊宮前駅! 行きと帰りが違う駅なんて、いいね〜(満面の笑み)」
     
    余計なことをいったばかりにバチが当たった!? さすが霊山。

    :「さあさあ、準備運動して出発しましょう」
     
    愚図る弟子を横目にちゃっちゃか歩きだす師匠。とはいえ、最初の船岡山は標高151m。楽勝である。ムンッ。

    :「岩戸山、小脇山と急な上り坂が続きますが、そこを過ぎれば尾根筋を行くだけだから」
    :「よっしゃ!!」
     
    希望の光が見えてきた。

    :「この山は、聖徳太子が岩肌に爪で十三仏を彫ったという伝説があるんですよ」
    :「山の階段ってなんで1.5歩分なんですかね。歩きにくっ」
    :「そういう彫刻や石仏を磨崖仏っていうんです」
    :「あぁ、お腹すいた。なんか食べていいですかね」
    :「ハイキングは自然の中を歩いて見聞を広げていくことが…」
    :「あれ、頂上見えてきたー!」
    :「おぉ、いいですね〜」
     
    会話はかみ合わない師弟でも、登頂の感動は一心同体。岩戸山山頂からは、近江八幡の八幡山や比叡山、琵琶湖まで見渡せる。

    :「低山とは思えない眺めですね。アァァ新幹線!」
    :「いやいや、これぞ低山なんですよ。麓の色彩までよくわかるでしょ。ほら、あれが歩いてきた道。近江線の電車の色まで見えますよ。山によっては、近隣の学校の放送が聞こえてきたりもする。そんな暮らしを感じられるのが低山の魅力なんです」
     
    岩戸山をあとにして、小脇山、箕作山と歩を進める。

    :「え、せっかくここ(小脇山)まで登ったのに、なんで下るの?」
    :「縦走っていうのは、アップダウンがあるんですよ」
    :「えー、なんか損した気分」
    :「登山を好きになると、登りが楽しくなってきますよ。高低差があると、見える景色が変わって楽しいんですよ」
     
    ムンッ。その域に達するには、あと何座登ればいいのやら。

    :「お、いいねいいね〜。歩いてきた山の稜線が見えますよ」
     
    うーむ、確かに、悪くない。ふくらはぎはパンパンに張りつつあるが、どんどん太郎坊山が近づいてくる景色も悪くない。

    :「さあ、太郎坊山登頂! いいねいいね〜この景色」
     
    ハイタッチを交わす。師匠のいいねを今日何回聞いたことか。

    :「確かこの山、3回目っていってましたよね?」
    :「季節や時間帯が違うだけで、山って全然変わる。だから、1回行っただけじゃ、その山の魅力なんて到底わからない。通いながら山心と旅心が磨かれて、登山の経験も積み重なります」

    08:30 縦走の全容がここに!

    山の全景

    左からスタートして右へ至る。

    市辺駅に到着〜!

    市辺駅

    滋賀県で最古級の鉄道。太郎坊宮の最寄りは太郎坊宮前駅だが、縦走のため隣の市辺駅へ。カラフルな車両が可愛い。

    09:00 フォームチェック後出発

    阿賀神社

    阿賀神社で登山の無事を祈り、出発。

    YAMAP

    まずは携帯アプリYAMAPでルート確認。直近の記録を見ると、道の状況などがわかり参考になる。

    歩き方

    歩き方

    ×

    歩き方講座。上が正解の歩き方、下は間違い。階段を登る時は足だけ上げるのではなく、足の上に全身の重心を乗せると疲れにくい。なるべく小股で。

    09:15 船岡山で足慣らし

    船岡山

    なだらかな道が続く船岡山で技量を測る。「一歩ごとの高低差をなるべく小さく。腕は振り回すより前で組んだほうが楽だよ」と師匠。

    船岡山

    船岡山

    09:30 十三仏登山口から本格スタート!

    十三仏登山口

    田畑のなかを抜け、岩戸山十三仏へ。手前に見えるのが岩戸山で、その後方が小脇山。天竺はまだまだ遠いのである。

    新四国八十八箇所霊場

    十三仏までは新四国八十八箇所霊場になっており、不ぞろいの石段が続く。麓は、朝は日当たりがいまいち。

    石仏

    160ほどの石仏が道々に祀られていて、神聖な空気が漂う。巨石に紅白の布が巻かれているのが印象的。

    10:20 巨岩に刻まれた十三仏と戯れる

    石仏

    ひたすら石段を登ると、石垣の上にそそり立つような御神体の巨岩が! ふたつの巨岩の間には祠があり、ここに岩戸山十三仏が祀られていて、春の法要のときだけ観られる。

    10:30 岩戸山の見晴らし台でしばし鉄道風景を堪能

    岩戸山の見晴らし台

    岩戸山の見晴らし台

    乗ってきた車両かも!?

    展望台でひと休み。20分ごとに足を止めて足休めをしてきたので(師匠の配慮)、結構余裕!? 座って電車を眺めながら1分程度休憩。

    鉄道見るならここ!

    頂上

    さらに岩の間を進んでいくと、頂上に到着。右手に東海道新幹線、左手に近江鉄道を眺められ、八幡山の向こうには琵琶湖も見える。

    頂上

    11:35 琵琶湖を望む小脇山へ

    小脇山へ

    373.4mの最高峰。ここまでくると新幹線は見えないが、琵琶湖は見渡せる。前方に目指す太郎坊山が見えてきた。

    12:00 植物観察しつつのんびり歩を進める

    植物観察

    一度下って、少々登ると、尾根道らしい歩きやすい道が続き、周りの植物を観察する余裕が生まれる。

    アセビ

    アセビ

    白い壺型の小花が特徴。林内や山の尾根などに群生する。

    ミツバツツジ

    ミツバツツジ

    いちばん先に咲くツツジ。花のあとに三つ葉が出る。

    ショウジョウバカマ

    ショウジョウバカマ

    山地の湿った斜面に咲く春の花。地域によって紫や白も。

    12:20 箕作山で尾根筋を振り返る

    箕作山

    373mの箕作山到着。太郎坊山まであと一歩。弟「空気が薄い気が…」師「アルプスのような高山じゃないから……」

    箕作山

    箕作山

    13:00 念願の太郎坊山到着〜!

    太郎坊山

    達成感が半端ないっす!

    一般的なコースタイムより、1時間ほど遅れて到着。まだ日があるので問題なし。この景色は山の神様からのご褒美に違いない!

    太郎坊山

    13:40 太郎坊宮に勝運の神様を詣でる

    太郎坊山

    本殿に向かう際に通る夫婦岩。岩と岩の間は80㎝。

    夫婦岩

    勝運の神が祀られている本殿。

    高さ13mの舞台

    急斜面の岩場に据えられた、高さ13mの舞台。

    階段

    見渡す限りの階段。下りでよかった!

    飛び出し坊や

    飛び出し坊や天狗になる

    階段

    登山の疲れで 足ガクガク

    鳥居がズラッと並んだ表参道の眺めは圧巻! 
    742段の階段を転げ落ちないよう、疲れた足で慎重に下る。

    14:30 太郎坊宮前駅にて縦走完遂〜!

    太郎坊宮前駅

    太郎坊山登山口から10分ほど歩けば駅に到着。ヘロヘロでもすぐに帰路に就ける。

    ハイクで一句!

    山笑う
    屁っ放り腰見て
    また山笑う

    オーイッサ

    大内さん流低山の楽しみ方

    低山の楽しみ方

    前日入りして街中から山を眺めるのも一興。立体的に山を捉えることができ、高度やスケール、山と街の位置関係を肌で感じられ旅情をそそられる。

     

    ※構成/大石裕美 撮影/作田祥一

    (BE-PAL 2024年6月号より)

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