修験者の一大集落があった
九州屈指の修験の山
明治時代から石炭の輸送のために建設が進められた日田彦山線。社寺風の駅舎が印象的な彦山駅は、修験霊場として出羽の羽黒山、熊野の大峰山などと並び称される英彦山の最寄り駅である。
英彦山(標高1199m)は北岳、中岳、南岳の3つの峰によって構成され、最高地点は南岳にある。
参道入口に立つ高さ約6.9mの青銅製の大鳥居を潜って登山開始。樹齢数百年を数える杉が林立する登山道の脇には、梵字岩や磨崖仏が点在する。最盛期には数千人の修験者が暮らす集落もあったとされるが、修行のために造られた石窟が残り、繁栄を偲ばせてくれる。
中腹には英彦山神宮が鎮座し、朱塗りの奉幣殿は元和2(1616)年に小倉藩主・細川忠興によって寄進された社殿で、重要文化財に指定されている。
「英彦山神宮」住所/福岡県田川郡添田町英彦山1 TEL0947(85)0001
JR日田彦山線とは?
城野駅~夜明駅を結ぶ、約68.7㎞の単線・非電化の路線。小倉近郊は通勤利用者も多い都市近郊路線の趣が強いが、市街地を離れると山間部を長大なトンネルで抜ける山岳路線へと変貌する。
彦山駅から青銅の鳥居登り口まで徒歩約50分。バスで約10分。山頂までは主に6つのコースがあり、徒歩約2時間〜4時間。
◎構成/山内貴範