おいしさの秘密は森づくりにあり!サントリー社員研修に同行し植樹体験してきました | サスティナブル&ローカル 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.11.12

    おいしさの秘密は森づくりにあり!サントリー社員研修に同行し植樹体験してきました

    「水と生きる」をコーポレートメッセージに掲げているサントリーグループは、これからの未来もずっと天然水がおいしく清らかであるようにと水源涵養(かんよう)活動を行っています。この活動で守られているのが「サントリー 天然水の森」です。今年20232月に22か所目となる天然水の森が東京都檜原村に誕生しました。その檜原村で社員研修の一環として植樹が行われるとのことで、体験取材に行ってきました。

    「サントリー 天然水の森」とは

    2023年2月に誕生した「サントリー 天然水の森 とうきょう檜原」

    「サントリー 天然水の森」の活動は、2003年に熊本県の阿蘇でスタートしました。今年で20周年を迎え、現在では、全国15都府県、22か所に約12千ヘクタールで水を育む活動を行っています。良質な天然水があるからこそ、ウイスキーやビールなどをつくることができるため、サントリーは工場でくみ上げる地下水の2倍以上の水を森で育むことを目標に掲げ、理想の森づくりを行っています。

    単に森を守るというのではなく、森の循環を大切にしながら商品を作っていき、自然の循環の中で、商品が生まれるということですね。また、森を育てることで、良質な天然水が育まれることを多くの人に知ってもらうため、次世代環境プログラムである「水育(みずいく)」を実施し、自然体験プログラム「森と水の学校」や小学校で先生方と一緒に行う出張授業を行っています。

    天然水になるまでの水の循環のイメージ図。

    天然水は、雨が降って、そのまま天然水になるのではなく、地面にしみ込み、何年もかけて天然水になります。これらのことは、サントリーの社員のみなさんも学んではいますが、実際に森林整備活動を体験することで、「水と生きる」というコーポレートメッセージを共有し、自分事として捉えてより理解を深めるために、天然水の森で社員研修が行われています。

    最初は、サントリーの社員とその家族がボランティア活動として参加していましたが、2014年から国内の全社員が対象になり、さらに、グループ会社などにも対象が広がりました。これまでに100回以上の研修が実施され、累計約7800人が参加しています。

    水を育むことと村人たちとの共生を考えた活動

    右上に見える大きな木はシンボルツリーとして残されたもの。

    「サントリー 天然水の森 とうきょう檜原」は、檜原村・檜原村産業協同組合と協定を締結して、森を育てています。檜原村での研修は、春に4回行われ、今回が5回目です。森によって活動内容が変わり、「とうきょう檜原」では、人工林約1ヘクタールの斜面の木を伐採し、植林を行っています。

    取材チームが到着したときには、すでに植林がスタートしていました。この日の参加者は23人。傾斜が40度ほどあるため、林業のプロである組合のメンバー「東京チェンソーズ」の方々が、道を作ってくれ、その道に沿って急斜面を登り、グループごとに指定された場所に植樹していきます。

    丸太で滑り止めされた道。おかげで滑ることなく登ることができました。

    急斜面からすべり落ちないように、足元をしっかり見ながら歩かないといけません。通常のスニーカーでは危険なレベルの急斜面で、しっかりグリップのある靴で行って大正解でした。

    今回植えた苗木は6種類。

    今回植えたのは、ウリハダカエデ・アカシデ・ヤマザクラ・エゴノキ・イロハモミジ・リョウブの6種類です。村の日当たりの問題があり、あまり高く育つ木は植えられません。低木から中くらいの高さまでの木であること、また、ある程度根がしっかりはる種類が選ばれています。根が浅くしかはらないものは、土砂崩れの危険があるからです。その森にあった種類、そして、周辺の人々の暮らしと共生する植物が選ばれていました。

    植樹の様子。みなさん、手慣れた様子でした。

    作業中の場所に近づくと、柄の長い鍬で、植林する場所の土を掘り、苗木を慣れた手つきで植えている人がいました。何度も研修に参加されているのかと伺ってみると、

    「今回が初めてです。最初は、どうなることかと思いましたが、何本か植えているうちに慣れてきました。」(参加者)

    苗木を植えたあとは、しっかり土を踏み固め、空気を抜くことで根が腐るのを防ぐそうです。この日参加した社員のみなさんは、ひとり7本程度の苗を植えました。

    大きなミミズも出てきて、豊かな土壌であることが感じられました。

    植樹のために土を掘り返していると、なんとも大きなミミズに遭遇。ミミズが土地を豊かに耕してくれるため、これはいい木が育ちそう。やさしく土に帰していました。そして、すべての苗を植えた後の達成感がみなさんの表情から伺えました。

    植樹体験

    鍬で苗木を植える場所を掘ります。

    私も植樹を体験してきました。急斜面のため、後ろも気にしながら、植える場所の枯れ葉などを取り除き、鍬を入れます。以前生えていたと思われる木の根っこなどがあり、思った以上に固かったです。何本も植えるのは結構な重労働。

    ヤマザクラの苗木を植えました。

    苗をポットから取り出し、根の周りの土をほぐして、鍬で掘った場所に植えます。その後、しっかり足で踏み固めました。私が植えたのは、ヤマザクラです。10年から15年くらいである程度大きくなるそう。この森で自分の植えた木が成長していくのが楽しみになりました。

    生命線である天然水を自分たちが守っているという実感

    いつ植えた苗木かがわかるよう印をつけておきます。

    何年もかけておいしくなる天然水は、サントリーにとって生命線です。その生命線を守る活動に参加することで、より身近に捉えられます。

    「体験したことで、自分の言葉で語れるようになります。例えば、工場見学でお客さまに説明する場合も、自分の言葉で伝えられるようになったという話はよく聞きます。植樹体験のあと、休日に再訪する人もいますよ。」(サントリーホールディングス サステナビリティ経営推進本部 天然水の森グループ 課長 市田智之さん)

    確かに、自分が植えた木がそこにあると思うと、どんな風に成長していくか気になります。その愛着が、自分事として捉えられ、森を守ることにつながるのですね。

    その地域の特性に合わせて水源涵養活動を行うため、22か所ある「サントリー 天然水の森」の中でも、植樹が体験できる研修は、ほかではあまりないのだそうです。今回、森林整備を行った「とうきょう檜原」では、地権者の方々や産業協同組合のみなさんと連携し、3000本弱の苗木を植え、育てていく予定で、15年くらいで森が変化してくるとのことです。

    そして、降った雨が20年以上かけて地下水となり、くみ上げられて、サントリーの商品になります。自然が生み出すおいしい水は、われわれの祖先が大切に守って残してくれたもの。今、生きる私たちも、自分たちだけが享受するのではなく、この自然の恵みを次世代に引き継ぎ、残していかなければいけないと改めて感じることができました。

    サントリーホールディングス
    https://www.suntory.co.jp/FOREST/

     

    私が書きました!
    ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー。
    林ゆり
    関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台などで活動後、東京に拠点を移し、執筆も始める。幼いころからオーガニックに囲まれて育ち、MYLOHASに創刊から携わる。LOHASを実践しながら、食べ物、コスメ、ファッションなど、地球にやさしく、私たちにもやさしいものについてWeb媒体やブログで発信中。

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