スバル 「レイバック」はトレッキングシューズ感覚で遊べる! | 試乗記 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.09.18

    スバル 「レイバック」はトレッキングシューズ感覚で遊べる!

    新しい車台“SGP”(スバル・グローバル・プラットフォーム)をベースに、主要車種のモデルチェンジが続いているスバルのラインナップに、新たなバリエーションが加わった。それがレヴォーグ「レイバック」である。くつろいだ、のんびりとした、という意味の言葉(レイド・バック)をルーツとしたこのモデルは、都会派クロスオーバーを標榜する一台。一般向けの発売に先駆けてプロトタイプを試すことができた。

    レヴォーグ レイバックってどんなクルマ?

    55mmの車高アップやフェンダーアーチへのクラッディングパネル(黒い樹脂モール)追加などでSUVテイストを強めたレイバックのプロファイル。ドレスアップパーツも多数用意される。トップ画像のようにスバルの六連星を模したグリル等でカスタマイズして自分好みの一台に仕上げるという楽しみもあるだろう。

    日本はもとより、世界中にファンの多いスバル車。特に北米での人気は高く、サイズ感や価格などのバランスの良さ、そして信頼性の高さが評価されている。そのなかでも注目を集めてきたのは、ワゴンのスタイルはそのままに、足回りに改良を加えてボディをリフトアップしたクロスカントリーモデルである。レガシィ・グランドワゴンやランカスター、アウトバックという歴代のモデル名を挙げればピンとくる人も多いだろう。

    これらのモデルは一般的なワゴンモデルよりも広いグラウンドクリアランス(最低地上高)を確保することで、使い勝手のよさとSUVに遜色ない悪路走破性を両立しているのが人気のポイント。最近では現行型レガシィをベースとしたアウトバックや、インプレッサから派生したクロストレックという嵩上げ仕様が用意されており、高い人気を誇っている。そして今回、そのラインナップに加わったのがレヴォーグ レイバック(以下レイバックと略す)である。

     ベースとなるレヴォーグと大きく異なるのはもちろん最低地上高。標準型が145mmだったのに対し、レイバックでは55mmプラスとなる200mmを確保している。同社の本格的なSUVであるフォレスターが220mmということを考えると、ワゴンスタイルでこの値はかなりの挑戦とも取れる。実際、レイバックの全高は1570mmに達するため、従来からある日本の一般的な機械式立体駐車場のパレットの高さ部分で引っかかってしまうが、開発スタッフ氏によれば「200mmというグラウンドクリアランスの確保はスバルのアイデンティティとして譲れなかった」とのこと。そんなこだわりが貫かれているのも、スバル車が根強く愛される理由のひとつだろう。

    スクエアな床面形状で、壁面も余計な凹凸が少なく使い勝手のいいレイバックのラゲッジルーム。後席は4:2:4の分割可倒式となっており、中央部分だけ倒して長尺物を積み込むことも可能だ。

    他は基本的にレヴォーグを踏襲しており、ボディサイズにも大きな違いはない。グリル等のデザイン変更によって多少のアクセントは付けられてはいるものの、エクステリアから受ける印象はレヴォーグと同様にシャープでスタイリッシュ。パッケージングももちろん大きな変更はなく、ワゴンの要となる荷室も通常時で492ℓの容量を確保し、床面下にも69ℓのサブトランクを用意する。

    レヴォーグとともにレイバックで特筆すべきは荷室奥行きの長さだ。通常時で1005mm、リアシートを前倒しした際は1630mm程度まで拡大でき、しかも完全なフラットになるため長尺物が積み込みやすい。筆者くらいの身長(178cm)であれば、標準型レヴォーグよりも車高が高まったレイバックのほうが荷物の出し入れがしやすいと感じるかもしれない。

    後席の右および中央部分を倒した状態。ご覧のように後席背面部分と荷室床面の段差はなくフラットで使いやすいフロアが現れる。荷室の奥行きは通常時で1005mm、最大で1630mm。荷室最大幅は1580mm、トノーカバーまでの高さは450mm。

     使いやすさが増した

    縦型のセンターモニターが特徴的なレイバックのインストルメントパネル周り。先進運転支援システム“アイサイト”は既存のステレオカメラに広角単眼カメラを追加した最新版にアップデート。衝突回避性能がさらに向上したという。

    レイバック独自の仕様として、明るく華やかな雰囲気を演出するアッシュカラーを織り交ぜたシート地も選べるようになった。ホールド性は前後席とも上々。

    今回は正式発表直前のプロトタイプ試乗ということだったが、一般道を貸し切った試乗コース(ワインディングロード)が用意されていたこともあって、日常と変わらぬシーンでの試乗ができた。レイバックの足回りの基本はベース車から変更ないものの、セッティング自体は先に登場したクロストレックと同様、ハイトの高いオールシーズンタイヤに組み合わせた独自のセッティングが奏功しているようで、ダンパーのストロークを生かした乗り心地の良さが際立っていた。

    車高が上がってはいるものの、走りの上質さはレヴォーグやクロストレック譲り。ファルケンとの共同開発によるオールシーズンタイヤもいい仕事をしてくれる。装備内容等も加味すれば400万円を切るという価格もリーズナブルに思えるだろう。

     大きな段差を乗り越えた際のサスペンションの伸び縮みが滑らかで、そのあとの収束がすばらしいため、車体の姿勢が乱れることがない。それは速度域を問わずに変わらない美点だから、たとえばアウトドアフィールドに向かうまでの一般/高速移動はもちろんのこと、キャンプサイトへのアプローチのガレ場だとしても不快な振動を伝えてくることはないだろう。レヴォーグやクロストレックに続き、レイバックでもスバルの新しい車体の旨みが存分に生かされているようだ。

    魂はフィールドにある

    レヴォーグとは明らかに違う雰囲気。アウトドアでのあと一歩を可能にするスバルらしい出来栄えだ。

    レイバックは、その車名が表すようにスバルとしてはちょっと肩の力を抜いた都会派クロスオーバーとしてキャラクターづけしようとしているが、実際のその中身はまぎれもなく開発陣の実直な姿勢が形となった“しっかりと使える”SUVだ。1.8ℓ水平対向4気筒ガソリンターボに4WDの定評のある組み合わせや、カメラを追加してさらに検知性能を高めたアイサイトシステムなど、安心感に溢れるところも変わらない。

    だからレイバックはこれまでのスバルファンはもちろん、道具感を大事にするアウトドアマンの期待を決して裏切ることはない。むしろ全方位にバランスよくまとめられた格好のギアが増えたことに、頭を悩ませるアウトドアマンが増えるはずである。

    ※撮影/桐畑恒治、SUBARU

    【スバル・レヴォーグ レイバック リミテッドEX(プロトタイプ)】

    • ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,770×1,820×1,570mm
    • 車両重量:—–kg
    • 最低地上高:200mm
    • 最小回転半径:5.4m
    • 駆動方式:4WD
    • トランスミッション:CVT
    • エンジン:1.8ℓ水平対向4気筒ガソリンターボ
    • 最高出力:130kW177PS)/5,2005,600rpm
    • 最大トルク:300Nm1,6003,600rpm
    • 車両本体価格:未発表

     問い合わせ先

    SUBARU

    TEL0120-052215

     

    私が書きました!
    ライター&エディター
    桐畑恒治
    1973年生まれ。琵琶湖のほとりで生まれ育ち、学生時代はスキー、スノーボード、サーフィン、釣りなど、ひと通りのアウトドアアクティビティを経験。自動車専門誌の編集記者となって以降はその活動も停滞気味だったが、フリーランス・ライターとなった現在は改めて外遊びを満喫したいと目論む今日この頃。まずは自分自身の相棒(愛車)選びも含めてクルマの魅力を探り、紹介していきたいと思います。

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