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    2023.09.10

    「しょんボトル」を撲滅したい! 富士山をみんなできれいにしよう

    私たち日本人が世界に自慢したい富士山。しかし、美しいはずの富士山には投げ捨てられた大量のゴミがあふれかえっている。そんななか、環境マンガ家/サラリーマン転覆隊隊長の本田 亮さんが立ち上がった!

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    本田 亮さん 広告代理店勤務時代にCMプランナーとして活躍する傍ら、’90年より社会貢献活動として環境問題を啓蒙するイラストを描き始める。近年はテーマをSDGsに広げユーモアイラスト展を開催。カヌーイストの顔も持ち、本誌ビーパルでの連載「サラリーマン転覆隊」は’97年から現在も続いている。

    「これは一気に知らしめなければならないと思いました」

    富士山がユネスコ世界文化遺産に登録されて今年で10年。日本が世界に誇る富士山だが、その実態はゴミにあふれている。なかでも尿が入ったペットボトルのポイ捨ては、あまり知られてない問題。この尿入りペットボトルいわゆる「しょんボトル」を撲滅しようと立ち上がったのが、環境マンガ家の本田亮さんだ。

    ─「しょんボトル」って、一体どんなものなのですか。
     
    昨年ふじさんゼロゴミアクションで僕が講演をした際に、ゴミ拾いにも参加したんです。そのときに初めて、しょんボトルについて知りました。ドライバーがおしっこをペットボトルにして街道に投げ捨てているというんです。ええ、そんな馬鹿なことがあるのか? と驚きました。でも、街道沿いを100mも歩いたら本当に5、6本落ちていたんです。

    ─それは……拾うのも躊躇われるようなゴミですね。
     
    ゴミ焼却場に持っていっても、破裂してしまうから先に中身を捨ててくれといわれるそうなんです(想像するだけでもおぞましい……)。僕自身もこれまでお茶のペットボトルを誰かが落としたんだろうなと思っていました。多くの人が知らないことだし、捨てている本人も誰にも知られないだろうとやっているのではと。

    これは一気に世間に知らしめなければならないと思いました。僕ができることはこれをテーマに絵を描くことでしたので、ユーモアイラストにして多くの人に見てもらって、捨てる人をひとりでも減らしたいんです。

    ─ものがものだけに、視覚的な表現が難しい問題に思います。
     
    おしっこが入ったペットボトルなんて誰しも見たくない。そんなこともあってこの問題は知られにくかったと思います。でもイラストなら表現できる。こういう堅くて難しくて近づきがたい問題にはユーモアがないとダメだなと思っています。

    僕が描くのはひとコママンガのようなイラスト。面白い、つまんないとかは一瞬でわかる。これまで国内外いろんな場所に行って接してきた事柄に対して、ひどい、許せないと感じたことをたくさんの人にアピールしたいと思ったときに発表してきました。今回のふじさんゼロゴミアクションのユーモアイラスト展では20点の絵を描きました。

    ─本田さんのマンガにはいつもクスッとさせられます。
     
    このイラスト展で終わりではなくて、これをやったことをきっかけに社会的なムーブメントになってほしいと思います。これは、富士山に限った問題ではないので、全国に波及してほしいです。誰も焦点を当ててこなかった問題を日の当たる場所に引っ張り出す。しょんボトル、これを機に撲滅しましょう!

    1日で100㎏を超えるゴミを回収。富士山はゴミで汚れている

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    富士山のゴミ問題を解決すべく発足されたプロジェクト「ふじさんゼロゴミアクション」。継続的に富士山の調査活動や清掃活動などを行なっている。しょんボトルは、1日に40〜50本も回収することもあるという。

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    多くの人に知ってほしいと、富士山現状をユーモアイラストに込めて描く本田さん。8月には「ふじさんゼロゴミアクション ユーモアイラスト展」を開催した。

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    ※構成/須藤ナオミ 撮影/小倉雄一郎

    (BE-PAL 2023年9月号より)

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