今や多くの人に愛されるようになったモンベル。全国に展開し、様々な活動を続けるなか、災害支援にも力を入れているのをご存じだろうか。
災害時に出動する"アウトドア義援隊"の存在
地震や台風など、大規模な自然災害が発生すると、いち早く組織を結成し、大量のアウトドア用品を持ち込み援助活動に向かう。そんな『アウトドア義援隊』の活動を一度は耳にしたことがあるのでは。
はじまりは1995年1月、関西地方を襲った阪神・淡路大震災の直後。モンベルは支援を即決し、約2000個のスリーピングバッグと約500張りのテントを被災地で配布した。
しかし、「自分たちだけでできることには限りがある」と考えた辰野勇氏(モンベル現会長)は『アウトドア義援隊』と名付けた趣意書を、全国のアウトドア関連の企業や団体に送り協力を求めた。その呼びかけに賛同した全国の人々から、多数の救援物資が届けられた。
一方、被災地の役に立とうと、個人で駆けつけたアウトドアの知識を持つボランティアたちは、慣れない野外生活に戸惑う人たちに、テントの張り方やロープの結び方など、自分たちの持つノウハウを教えて回った。
「アウトドアで培った経験や知識、そして機能的な道具がいざというときに役立つことを、身をもって実感した活動となりました」と辰野会長は語る。
その後、新潟中越大地震、ネパール大地震、東日本大震災、令和元年台風19号など、災害があるところに義援隊は出動している。また、2020年には、新型コロナウイルスの流行に対応し、品薄が続く防護服やフェイスシールドなどを医療機関をはじめ、学校、役所、山小屋などの施設へ提供した。
現在は、2月に発生したトルコ・シリアの大地震の援助金を受け付け、現地へ向かう団体をサポートしている。
2011年
東日本大震災において長期の支援活動を実行
甚大な被害が発生した東日本大震災では、約300トンの物資を支援。現地の活動も広範囲にわたり長期間に及んだ。
2016年
熊本地震において現地支援
2016年の熊本地震では、モンベル南阿蘇店前にテントを張り避難所を置き、テントや寝袋の貸し出しも行なった。
2020年
九州地方豪雨災害で避難テントの設置ほか、ガレキの撤去も
2020年
新型コロナでは感染防護服を作って医療現場へ
2020年、新型コロナウイルスがまん延すると防護服が枯渇。スリーピングバッグカバーの素材を使い、辰野会長が防護服を試作。その後、急ピッチで生産し、医療機関へ提供した。
ほかにも国内外、さまざまな活動を展開!
アウトドア義援隊の活動についてはコチラをcheck! https://about.montbell.jp/social/support/
※構成/山本修二
(BE-PAL 2023年4月号より)