アルトラという、アメリカのトレランシューズのメーカーをご存知でしょうか。
ゼロドロップと呼ばれる、つま先とかかとの高さが同じシューズを作っていることで知られており、膝への衝撃が少ない「自然の走り方」の実現を目指しています。
今回は、アルトラが販売するトレランシューズの中でも、軽量でユニークなシリーズ「スペリオール5」を紹介します。
アルトラのゼロドロップシューズとは?
現在、世の中に普及しているほとんどの靴のソールの厚さは、かかととつま先で2:1の割合、すなわち、かかとがつま先よりも2倍厚くなっています。
アルトラのゼロドロップシューズはその厚みの差をなくし、かかととつま先の高さが等しくなるような作りになっています。
それにより、シューズを履いているときも素足と同じ角度で接地することが可能になり、「自然な体の動き」「自然の走り方」ができるようになる、とされているのです。
スペリオール5の特徴とは?
そんなアルトラのゼロドロップ構造のトレランシューズの中から、筆者がおすすめしたいのが、スペリオール5というシリーズです。まずは、このシューズの特徴をお伝えします。
(1)軽さと抜群のホールド感
とにかく軽いのが、スペリオール5の特徴のひとつです。サイズ25.0cmで実測値は片足わずか229g。
シューズが軽ければ、疲労感が減ったり、足さばきが軽快になったりと、メリットが多くあります。
軽さに加え、包み込むようなホールド感も、スペリオール5の特徴です。
履き心地がいいのはもちろんのこと、下り坂での足さばきも楽になり、とても軽快に足を運ぶことができます。
(2)2種類の履き心地
スペリオール5のソールには、「ストーンガード」という、石や突起物から足裏を守るためのパーツが内蔵されています。そのため、凸凹道でも足裏が痛くならずに歩いたり、走ったりすることができます。
さらに、このパーツは取り外しが可能。取り外せば足裏の感覚がより素足に近くなり、しっかりと足指を使った走り方を身につけることができます。
あるときはストーンガードありで石の多いコースを走り、またあるときはストーンガードなしで自然な走り方を身につける、といった具体的なシチュエーションに応じて使い方を変えられます。
まるで、2種類のシューズを履き分けるかのように使うことが可能です。
(3)オールマイティーなグリップ
スペリオール5のアウトソールのパターンは、どんな地形でも多方向にグリップできる仕様になっているため、砂利や土、泥、岩など、様々な地形で履くことができます。
あらゆる地形で優れたパフォーマンスを発揮できるトレランシューズ、と言えるでしょう。
実際にスペリオール5を履いてみた
色々な地形にて、スペリオール5を使ってみた様子をお伝えします。
舗装路を走ってみた
ストーンガードなしで走ってみたところ、ダイレクトに地面の硬さを感じることができました。
ストーンガードなしでもソールが十分しっかりしているので、舗装路では足の裏が痛くなることはありません。
あえて小石を踏んでみても、素足で踏んだときのような痛みはなく、快適に走ることができました。
トレイルを走ってみた
土、葉、枝、小石などがあり、舗装路よりも足裏で得る感触が多いトレイル。
着地のたびに足裏で自然を感じることができ、着地や蹴り出しのときにもグリップがしっかり効くので、軽快に安定して走ることができます。
スペリオール5はトレランシューズというだけあって、今回試した中では一番快適に、楽しく走ることができました。
砂利道を走ってみた
硬めの砂利道も、ストーンガードなしで問題なく走ることができました。少し大きめの石を踏むと多少の突き上げはあるものの、痛みは感じませんでした。
ただし、下り坂で石を踏んだとなると、それなりに突き上げ感は伝わってくるため、やはりストーンガードを装着したほうがよさそうです。
急斜面を歩いてみた
土と枯葉の急斜面を歩いてみましたが、スペリオール5はしっかりとグリップが効くので、問題なく登ることができました。
下りも、不安なく歩くことができました。ここでも、オールマイティーなグリップが効果を発揮しています。
トレランビギナーにも試してほしい一足
足裏の感覚が研ぎ澄まされるシューズ、と聞くとクッションが少ない上級者向けモデルを思い浮かべる方も多いかと思います。しかし、このスペリオール5は初心者にもおすすめしたい一足です。
ぜひ、軽量かつ履き心地のいいスペリオール5とともに、トレイルに繰り出してみてください。
きっと、自然をいつもよりダイレクトに感じられるトレラン体験になるはずです。