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    2022.09.24

    必要な旅費は?反省点は?北海道キャンピングカーひとり旅・最終章

    キャンピングカー外観

    北海道キャンピングカー旅を総括

    およそ10日間の北海道キャンピングカー旅が終わりました。毎日充実していましたが、たった1~2週間で回りきれるような底の浅い土地ではないと、後ろ髪ひかれる思いも。毎年夏には長期滞在するのが恒例というキャンピングカーユーザーも多くいるほど、何度訪れても飽きることのない場所だと思います。

    とはいえ「終点を決めない、真に自由な旅」は、誰にでもできることではありません。健康であること、仕事の都合がつくこと、助けが必要な家族のいないこと、誰かが自宅を守ってくれることなど、いくつもの条件が重なって初めて実現するもの。

    期限や制限があることは「しがらみ」とも言えますが、帰るべき場所が存在する幸せでもあるのでしょう。平均的な社会人と比べるとだいぶ自由がきくフリーライターの私ですが、それでもかなり早足の旅だったと思います。

    今回は旅の総括として、費用や服装といった実用的な話から、心境の変化のようなちょっと青くさい話までシェアしたいと思います。

    旅の費用はどれくらい?

    RVパークイメージ

    クルマ旅にかかる費用は、「同行者」「有料道路を使うか」「観光地に行くか」「自炊か外食か」などスタイルによって大きく差が出ます。

    参考までに「女性ひとり」「高速道路を積極的に使う」「RVパークに滞在し、有名観光地を中心に訪問する」場合の費用をご紹介します。これは比較的、出費の多いスタイルに分類されると思います。

    交通費(合計80,000円)

    もっとも支出が大きかった項目、それは交通費でした。北海道にマイカーを持ち込むためにはフェリーの利用が必須で、最短距離の大間ー函館間でも往復30,000円ほどかかるはずです。早期予約割引や、各種キャンペーンを賢く利用したいところ。

    高速道路を積極的に使うスタイルだと、私のざっくりした北海道一周ルートで高速道路料金20,000円前後。ガソリン代は走行距離1,700km、給油4回でおよそ26,000円(軽油の場合)でした。

    akippa駐車場やコインパーキングの利用など、もろもろ合わせて80,000円ほどの交通費がかかりました。どれもクルマ1台につき、という計算になるため人数や日数にかかわらず必要な経費。ひとり旅の私の場合も、予算全体の半分以上を占める大きな数字となりました。

    やはり北海道の広さ、そして「移動を続ける旅」の特徴が如実に出ました。ひとところに滞在するスタイルだと、もう少し安く収まるでしょう。

    滞在費(1泊2,200円×泊数)

    平均すると車中泊スポットの滞在費は1泊2,200円ほどになりました。道の駅のような無料スポットやホテルは利用していません。

    RVパークや湯YOUパークでは1泊3,000円を超えるところがある一方、1泊1,000円程度のオートキャンプ場に助けられました。

    オートキャンプ場イメージ

    北海道は本当にオートキャンプ場が安い!本州では数千円もするような高規格キャンプ場が、信じられないほどの低価格で利用できます。充電やゴミ処理や洗濯ができる施設も多く、オートキャンプ場を上手く挟むことが北海道クルマ旅のポイントと言えそうです。

    食費(1日2,200円×日数)

    食事、飲み物、おやつや嗜好品にかかった費用は1日2,200円ほど。

    自炊せず外食中心の私はいつも割高になる部分ですが、大きかったのはご当地コンビニエンスストア・セイコーマートの存在!

    惣菜イメージ

    低価格でボリューミーな商品が多く、500円もあれば立派な夕食に。「110円ナポリタン」なども有名ですね。

    郷土料理や名物は多少予算オーバーでも食べたいと思っていますが、今回は最高でも1食2,000円弱。京都などの観光地ではランチ1回で3,000円も支出してしまうこともあるので、それに比べると低めに収まったかとは思います。

    ミネラルウォーターやジュースは出発前に自宅近くのスーパーでまとめ買いして、冷蔵庫いっぱいに詰めてから出かけるようにしています。飲み物のためにコンビニエンスストアに立ち寄ると誘惑に逆らえず、散財の元凶となるためです。プリンやらスムージーやらホットスナックやら、ついつい予定外のものを買ってしまって恐ろしい!

    もしお酒をたしなむ方なら、上記よりももう少し予算が欲しいところですね。逆に自炊中心だと、もっと節約できるでしょう。

    入浴や洗濯(1日500円×日数)

    1回ごとはそれほどの金額でなくても、じわじわと旅費を圧迫してくる入浴費と洗濯費。こちらも都市部と違って、だいぶ安く収まりました。平均すると1日500円ほどです。

    分析してみたところ「都市型の大規模スパ施設ではなく、地域の銭湯が使えた」「無料または格安でコインシャワーを使えるところが複数あった」という要因が影響していそうです。

    とくに後者はありがたく、入浴代がまるまる節約できることもありました。ライダー、ヒッチハイカー、キャンパーなど旅人を迎える文化が成熟していることに感動。

    コインランドリーイメージ

    ただしコインランドリーの費用は本州と同様にかかりました。都市部のようにインターネットカフェのランドリーという裏技も使えなかったため、少々お財布にダメージが。数日おきに700円~900円ほどかかる計算です。洗濯だけならキャンプ場も有用ですが、大型乾燥機で一気に乾かせるのはコインランドリーの強みです。

    観光と土産(合計14,000円)

    人によってはまったく必要なかったり、私のように入場・鑑賞型の見学スポットを好んだりと十人十色ですが、観光とお土産購入には14,000円ほどかかりました。博物館の入場券や、観光列車の乗車券といったものです。

    私は「観光や体験には費用を出し惜しみしない」ことを心がけています。

    旅は一期一会。すぐにまた来られると思っていても、今回のコロナ禍のように予測できない未来が訪れるかもしれません。興味関心や体調の都合でパスすることはありですが、お金を理由に機会を逃すことは、とてももったいないと思っています。

    北海道旅行は割高?

    以上を合計すると140,000円ほど。1日あたり約14,000円かかりました。

    普段本州ではだいたい1日10,000円で計画を立てています。食事や入浴やRVパークなど生活に必ずかかる固定費が5,000円、移動や観光にかかる変動費が5,000円という内訳です。

    ところが今回は、後者に該当する交通費がだいぶかかってしまいました。連日のように長距離を走ったこと、フェリーを利用したことが大きな要因です。

    フェリーイメージ

    ただしフェリーは「一度乗ってしまえば、現地に何日滞在しても費用は変わらない」という特徴がありますし、のんびり一般道を走れば高速道路料金もかかりません。

    オートキャンプ場など、本州よりも安いと感じる部分もありました。札幌や函館を除くと、どこの観光地や店舗にも無料駐車場があることも嬉しいです。

    滞在日数が長くなるほど平均値が下がり、普段の予算に近づいてくるでしょう。せっかく時間と費用をかけて行ったなら、なるべく長く滞在するのが北海道旅のポイントですね。

    服装と持ち物

    着替えイメージ

    北海道に限らず、クルマ旅ではそう簡単に寝具や座席を洗えません。そのため「いかに車内に汚れを持ち込まないか」が大事です。たとえば汗をかいたまま寝たり、湿ったタオルを放置したりしない、といったことです。

    服は「洗濯しやすく」「乾きやすい」ものがよく、化繊のサラッとしたスカートなんて最適です。ジーンズは洗いにくいので夏場はNG。ときに日よけに、ときに防寒具になる薄手のストールは必需品です。そして厚いバスタオルではなく、ハンドタオルやフェイスタオルを複数枚もつ。

    部屋着を除くと、トップス3~4枚、カーディガン1枚、スカート2本、ソックス5足、下着3~4組くらいでローテーションさせていました。女性の場合、カップ付インナーだと荷物が減りますね。

    ラップポン消耗品

    日本を旅する以上、旅先で手に入らないものはめったにありません。しかしポータブルトイレ「ラップポン」の消耗品など、キャンピングカー特有のアイテムには注意が必要。工具や修理用品や消耗品など「急に必要になるもの」「簡単に買えないもの」は忘れないようにしたいです。

    過去に夜の山道で左右のヘッドライトが同時に切れるという珍事に遭遇した際、JAFの隊員さんがガムテープでハイビームを半分ふさいで応急処置をしてくれたときには「目からウロコ」でした。

    フェリーに乗船する都合上、キャンプ用カセットガスは持参しませんでした。そのため、せっかくのキャンプ場なのに調理ができなかった場面も。もし滞在中に使い切れそうなら、北海道に渡ってから現地購入してもいいですね。

    逆に今回持参しなくて正解だったのは折りたたみ自転車です。都市型RVパークにしばらく滞在して、周囲を開拓するような旅では便利アイテムなのですが、北海道はクルマ社会。ほとんどの場所に広々とした無料駐車場があり、ひとつひとつの観光地が離れていることもあって、クルマ移動が最適でした。

    北海道旅の注意点

    札幌市時計台

    旅した季節は5月から6月にかけての初夏。同じ道内でも地域によって気候がまったく異なることには改めて驚きました。寒風吹きすさぶ稚内に対し、真夏のような暑さの札幌。札幌では熱中症になりかけてしまいました。

    大事には至りませんでしたが、その後も数日にわたって頭痛が続き、旅を楽しむ元気も出ずに困りました。同行者がいないと、ついつい食事や休憩がおろそかになってしまう点には気をつけたいです。

    また、広大な北海道のこと。Googleマップに載っているような見学スポットでも、道中「人っ子ひとりいない」という場面に何度も遭遇しました。「クマ注意」「ハチ注意」といった看板も頻出し、ひとり行動では安全に気を配る必要がありそうです。ちょっと道を逸れたら、人の手の及ばない大自然であることを実感。

    十勝地方の田園風景

    一方で、「人がいない」ことが素晴らしい体験をもたらしてくれることも多くありました。聞こえるのは鳥の声だけだったり、絶景をひとり占めしたり……。

    周囲を気にせず自分のペースで物事に向き合える、という環境は旅の感動を何倍にも高めてくれます。逆に人混みに出くわすと、どんなに素敵なスポットでも魅力半減。

    目的地の近くに前泊できるという車中泊のアドバンテージを活かし、行列や混雑を避けることが良質な体験のポイントだと思います。

    ひとり旅の醍醐味とは

    十勝地方の田園風景

    雨や体調不良もありましたが、無事に帰ってきました。もとから「ひとり旅が大好き」というタイプもいると思いますが、私はそうではありません。

    夕暮れ時の旅先で人々が家路を急いでいるのを見るとホームシックになったり、人気(ひとけ)のないRVパークでは車外のちょっとした物音に怖くなったり……。

    それでも、旅から戻るとすぐに「また旅に出たい」と思ってしまいます。

    普段から映画も焼肉もラーメンもひとりで行けますが、そのくせ知り合いにばったり出くわすと、気まずかったり「今日はたまたま家族が仕事で」などと妙に言い訳してしまう自分がいます。

    けれど、旅先では私を知っている人は誰もいません。誰の目も気にせず、ただひとりの自分に立ち返るような新鮮な感覚。五感が鋭敏になり、こころの濁りが取れていくような気がします。

    住み慣れた自宅に腰を落ち着け、平和ながらも単調な日常を送っていると、心細さを噛みしめながらクルマで寝た夜が懐かしく思い出されます。

    ハンドルを握れば日本中のどこにでも連れて行ってくれ、停まった場所が拠点になるキャンピングカーは、最高の相棒です。次はどこに行こうか、愛車を眺めて考える日々です。

    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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