
上が「バンブー」。下が「エアステップ」。
岐阜県関市といえば、中世の日本刀の頃からの刃物の産地だが、この地で明治6年に創業したのが三星(みつぼし)刃物。「和 NAGOMI」という包丁シリーズで有名なメーカーだ。この三星刃物が、同じく関市のナイフビルダー原幸治氏と協力して、「セミカスタム」のナイフを作った。デザインから刃付けまでを原氏が担当し、研磨とハンドル加工の一部を三星刃物が担うことで、カスタムナイフとしてはリーズナブルな価格でナイフが完成した。
ハンドルの形違いで2種類あり、どちらも原氏の代名詞ともいえるデザインだ。ひとつは「バンブー」。素材はダブルキャンバスブラックマイカルタを使用し、竹の節のような模様を浮き出させている。もうひとつは「エアステップ」。スペイン製特殊強化木を使用し、日本の段々畑のような形に仕上げている。
ブレードは、高級なバイス鋼(SKH51)をDLC(ダイヤモンドライクカーボン)でコーティングし、鋭い切れ味と錆びにくさを両立している。墨を思わせるようなシブい色も魅力だ。

ブレードに原氏のマーク入り。

2本とも、ブレードの素材がハンドルの末端まで貫通したフルタング仕様。

フルタングなので衝撃に強く、バトニングでの薪割りにも耐えられる。

削る作業もOK。刃の断面はふくらみを持たせたコンベックスグラインド(ハマグリ刃)なので、刃が丈夫。

スマートな牛革製シースは腰のベルトに装着できる。

左は原幸治氏。国内外のナイフショーで高く評価されている。右は三星刃物の渡邉隆久社長。
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