女性のソロ車中泊では特に気をつけて!クルマ旅で役立つ防犯10カ条 | クルマの旅・ドライブ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    クルマの旅・ドライブ

    2022.08.24

    女性のソロ車中泊では特に気をつけて!クルマ旅で役立つ防犯10カ条

    車中泊の安全を守る10カ条

    諸外国に比べると日本は、強盗やカージャックのような暴力的犯罪が相対的に少ない国と言えるでしょう。クルマの防犯対策の主眼は、持ち主がその場にいない愛車をどう守るか、という点にあったように思います。

    しかし2022年2月に滋賀県、7月には三重県で「コンビニエンスストアの駐車場で、わいせつ目的の男性が車内にひとりでいる女性を狙う」という事件が相次ぎました。

    いずれも車上荒らしではなく人がいるとわかった上での犯行で、しかもおそらく壁一枚へだてたところにはコンビニ店員がいる状況であったことを考えると背筋が寒くなります。

    屋外で就寝するという意味で、ソロ車中泊やソロキャンプは一定のリスクのある行動です。今回は、ひとり旅の車中泊時に私が考える防犯対策を10カ条にしてご紹介します。

    1.全ドア施錠

    もっとも基本的かつ効果的な対策がクルマの施錠であることは言うまでもありません。上記の事件も、インターネット上では「なぜ鍵をかけないのか」「不用心ではないか」という声が上がりました。

    しかしここにも落とし穴が。たとえば私のハイエースの場合、走り始めて時速20kmを超えると自動でドアロック(車速感応オートロック)がかかります。

    逆に停車してシフトレバーをPに入れると、後部座席を含むすべてのドアが解錠(シフト連動オートアンロック)されます。

    同乗者がすぐに乗り降りできて便利な機能なのですが、すべてが自動なので鍵の状態に意識が向きにくくなるのです。開けた意識がないのに、全ドアが解錠されているという状況はちょっと怖いですね。

    ※設定により各オート機能のオン・オフができます。

    また、車中泊地でクルマの側面から何度か出入りした後に、最後に自分が入って手動でスライドドアをロック。「よし安心」と思っていたら反対側のスライドドアが未施錠だったという凡ミスも。

    就寝前には全ドアが施錠されているか二重、三重にチェック。ひとりで車内にいるときにドアロックを忘れる、というのは最大限に注意すべきシチュエーションです。

    2.乗車前後に周囲を確認

    施錠を徹底していても、クルマに乗り込む瞬間に押し入られたら抵抗しようがありません。人気(ひとけ)のない場所で外からドアを開ける前は背後を確認。中からドアを開ける前にも周囲を確認。

    アパートやマンションでひとり暮らしをしている人は、誰しも無意識にやっているかもしれません。つねに他者の存在を意識する、クルマ旅でも同じですね。

    同じ理由から、私は就寝時の耳栓もしません。イヤフォンくらいは使いますが、車外の音が完全に遮断されることに少し抵抗があるためです。

    3.ひとりであることを目立たせない

    とはいえ世界的には抜群の治安を誇る日本。ひとり旅は珍しいことではなく、私も昼間は危険を感じたことはありません。「おひとりですか?」と声をかけられることはありますが、同じく旅をしているキャンピングカーユーザーなど、ほぼ100%善意の人でした。

    ただし、夜になって車中泊地に腰を落ち着けるときには、単独行動であることをなるべくアピールしない方がいいでしょう。

    女性だからというだけでなく、助けに駆けつけたり通報したりする同行者がいないことは犯罪者側のメリットです。極端な話、被害者が姿を消しても当分気づかれません。

    車中泊地に公衆トイレがある場合でも、私は日没後はほとんど使わず車内で済ませています。車外で歯みがきをする、食事を広げるといった行動は、ファミリー向けキャンプ場など安全だと判断した場合だけ。基本的に夜は「クルマからなるべく出入りしない」スタイルです。

    RVパークイメージ

    4.管理された場所で車中泊する

    めったに人が足を踏み入れないワイルドな野営地で過ごすソロキャンパーや、どこでも野宿できる豪胆なバックパッカーにも憧れますが、安全面を考えたら管理されたRVパークなどが車中泊の最適地です。

    多くの場合、道の駅や入浴施設や飲食店といった「本体」が近くにあり、何かあれば相談できます。とくにホテルは24時間フロントスタッフや警備員が常駐。顔を覚えてもらうとよいでしょう。

    RVパークの利用者は家族連れだったりペットがいたりすることも多いので(家族やペット連れだと善良な人だというのは短絡的かもしれませんが)心理的にも安心です。

    ただし、もともと無人のパークや、時期によってはあまり利用者のいないパークもあります。

    画像はイメージ。

    これまで、ひとりで怖かったな、と思うパークの例をいくつか。とある海沿いのRVパークでは、景色が素晴らしかったのですが、インターネットチェックインを採用しており終日無人。利用者も私だけでした。深夜に海が大荒れしたときは轟音が鳴り響き、車体を揺らす強風に震えました。

    また別のパークでは、古い作業小屋のすぐ隣に車中泊スペースがありました。無人のはず、と思いながらも割れた曇りガラスの向こう側がどうにも気になる。クルマを乗り降りするたび、ついつい人がいないか確認してしまいました。

    臆病な性格のせいもありますが、私がRVパークを評価するポイントは「安全だと感じられた」「明るく温かい雰囲気だった」という点に尽きるような気がします。

    5.目隠しカーテンの設置

    サンシェードや遮光カーテンには多くの効果があります。キャンピングカーに限らず普通車での車中泊でも必須アイテム。

    個人的には、多少のお金をかけてでもサイズぴったりの使いやすいものを用意した方がよいと思っています。それくらいの価値がカーテンにはあります。

    夏には日射しをさえぎり、車内の温度上昇を防ぐ効果。冬には窓ガラスから入る冷気をカットする効果。身支度など生活のあれこれを通行人に見せない効果。外からの視線を防ぐだけでパーソナルスペースとなり、安眠しやすくなる効果もありそうです。

    そしてなにより、犯罪を抑止する効果。

    財布などを見えるところに置かないのは基本とされますが、何人乗っている、寝ている、明かりが消えた、といったことが外からわからないだけで、ぐっと防犯効果が上がると思います。

    車内が暗いと、カーテンのすきまから外の様子をうかがうことも容易です。ドアを開ける前に周囲を確認するのは前述のとおりです。

    6.すぐに発進できる用意

    防犯に限らず天候悪化や自然災害に備えて、いざというときすぐにクルマを発進させられる態勢も重要です。進行方向に向けて駐車する、運転席や足元に荷物を置かない、ひとりのときは飲酒しないといったことです。

    さらに私の場合は、万が一のとき車外に出なくても運転席に移動できるよう通路を確保しています。もちろん平時には発進前に車の外周を確認することが基本ですが、その場から急いで逃げなければならない場面や、ヘッドライトだけでも役に立つ場面が想定されます。

    就寝時にコンタクトレンズを外したときのためメガネも用意。深夜に急に運転しなければならない事態に備えています。

    7.スマートフォンを離さない

    ひとり旅の命綱とも呼べるのがスマートフォン。目の前のトイレに行く、ちょっとクルマの周囲を点検する、といった場面でも肌身離さず持ち歩くようにしています。

    誰かに連れ去られた、鍵が故障してトイレに閉じ込められた、気分が悪くなって転倒した、といった場合に事態を打開してくれるのは通信機器です。

    連れ去りなんて極端な話に思えますが、冒頭の滋賀県の事件ではクルマから抱きかかえられ、加害者のクルマに乗せられたという報道も。

    Apple Watchのようなスマートウォッチには、緊急通報機能がついているものがあります。ボタン長押しなどで簡単に起動するので、覚えておいて損はないでしょう。もちろん、イヤフォンで通話して注意散漫になりながらクルマに戻るなんて行為はNGです。

    8.SNSや動画投稿に注意

    誰もが自分の感動をSNSでシェアできる時代ですが、旅行中は注意が必要です。以前から空き巣対策として「クリスマスは海外で過ごす」「実家に帰省する」といった投稿が危険であると言われてきました。

    「キャンプ場に到着」「明日は○○に行く」など、自分のリアルタイムの行動を知らせる投稿にも大きなリスクがあります。とくに、ひとり旅であることを公表している場合や、顔を出して発信している場合、悪意ある第三者が訪ねてこないとも限りません。

    場所を明言していない場合でも、背景に写り込んだものや現地の天候、それまでの投稿でわかる移動ルートなどから、撮影地の特定は容易であると言われています。

    ソロキャンプも同じです。将来の予定を投稿しない、現地を離れてから投稿するなどの配慮が必要でしょう。

    9.GPSを上手に活用

    スマートフォンの位置情報を友人と共有して、居場所をオープンにすることに抵抗のない世代が増えていると言われます。そこまでいかなくとも、留守宅の家族に現在地を知らせることは、旅先でのアクシデント対応に役立ちそうです。

    もしリアルタイムで居場所を知られても構わないなら、スマートフォンの位置情報共有アプリや市販のGPSトラッカー。Googleマップも有用です。

    家族とはいえ詳細に知られるのはちょっと……という場合は「忘れ物防止タグ(スマートタグ)」を使う簡単な方法もあります。持ち物につけておくと、スマートフォンなどから位置を確認できるものです。

    たとえば家族のiPhoneと紐づいた「AirTag」を持ち歩けば、旅している本人の位置が家族にわかります。高温にならないよう温度管理は必須ですが、クルマに入れておけば盗難時に行き先を特定できる可能性もあります。

    ただしもともと防犯目的の製品ではないため、リアルタイム追跡には不向きな部分も。「周囲にiPhoneユーザーがいないと機能しない」「過去にさかのぼっては調べられない」「犯人に捨てられたら意味がない」といった点です。

    あくまで「○時頃、○○周辺にAirTagがあった」というざっくりした情報になるため、大まかな位置確認に向いています。

    10.ドライブレコーダーの装着

    幸いにも私は一度も作動したことはありませんが、駐車中の振動検知機能のあるドライブレコーダーも役立ちそうです。誰かがクルマにいたずらしようとしたり、無理にドアを開けようとすると録画が開始されるはずです。

    また、犯罪の抑止という意味では事前に「撮影されている」と気づいてもらう必要があります。「ドライブレコーダー録画中」のシールや、見えやすい位置にモック(ダミー)を設置するユーザーもいますね。

    走行中に「録画中」シールがあまりに目立つと心証がよくない場合もありますが、クルマに近づいた不審者によく見える、というポイントは重要でしょう。

    治安を守ってくれる人々に感謝

    クルマに不審な人物を寄せつけない、あるいは災害や急病などのリスクに備えるポイントをご紹介しました。とはいえ車中泊愛好家にとって「就寝中の車内を怪しい人影がのぞきこんでくる恐怖体験」の定番のオチは警察官でしょう。

    車中泊ではありませんが、私も免許取りたての時代に閉店後のショッピングモールの駐車場で友達と話し込み、職務質問されたことがあります。当時は何が悪いのかわからずキョトンとしましたが、いま思うと完全に不審車でした。

    施設終業後の駐車場や空き地や公園などに目的不明のクルマがあったら、いぶかしむのも当然です。それもあって、いまではRVパークの利用を基本にしています。

    私の経験上、これまで台風や大渋滞や突然の降雪などのアクシデントはありますが、命に関わるような危険な目に遭ったことはありません。誰もが気軽に車中泊できる「平和な日本」が続いて欲しいと切に願っています。

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    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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