日本最大級のキャンピングカーショーを徹底リポート
千葉県にある幕張メッセで2022年2月10日〜13日まで開催された、日本最大級を誇るキャンピングカーの祭典「ジャパンキャンピングカーショー2022」。
昨年はコロナ感染症による緊急事態宣言などもあり4月に延期しての開催でしたが、今年は入場制限など感染対策を徹底しつつ、厳戒態勢のなか例年どおりの2月に開催されました。
コロナ禍のなか、「三密を避けられる旅の手段」としてキャンピングカーや車中泊カーはこの2年で一気に盛り上がりをみせています。国内旅行をするにしても飛行機や鉄道などの公共交通機関とは別の、時刻表を気にせず楽しめるクルマでの旅は渋滞を避けられるなどのメリットがあるほか、キャンプ場やRVパークなどの増加という面も追い風になって今まで以上に定着してきています。マナー面などの課題も多いですが、ほんの少しずつですが世の中にキャンピングカーの文化が広まってきていると感じられたイベントでした。
キャンピングカーは「価格が高い」「運転が心配」という声もありますが、国内での最近の人気は、普段の生活でも使いやすいミニバンやワンボックス、軽自動車をベースにした「普段も使えるキャンピングカー」。そこで、今回は会場で注目を集めていた軽自動車をベースにした最新モデルを中心に紹介しようと思います。
ダイハツ「アトレー」が早くもキャンピングカーに!
昨年の12月20日にフルモデルチェンジされたばかりのダイハツ「アトレー」。
デビューからわずか2か月という短期間にも関わらず、岡モータースからはアトレーをベースにした「ミニチュアクルーズ」が登場。また、メティオからも「ラクネル バンツアー アトレー バージョン」が初披露され、注目を集めていました。

岡モータース「ミニチュアクルーズ アトレー」。
「ミニチュアクルーズ」は、上質で使い勝手のいい軽キャンパーシリーズ。
そのコンセプトを踏襲しつつ、寝心地のいいベッドキットをはじめ、キッチンキャビネットや上部収納庫、照明類を搭載。新型アトレーの走行性能や室内の広さを活かし、小回りのきいた快適な旅が楽しめるモデルに仕上がっていました。

両サイドのキャビネットカバーを跳ね上げ、中央にテーブルを橋渡すと大型テーブルに。ベッドはシリーズ共通で寝心地にこだわったマットを採用。

左キャビネットには収納庫のほか、スライドドア上部にLED間接照明やハンガーフックを装備。

メティオ「ラクネル バンツアー アトレー バージョン」。
「ラクネル」シリーズと言えば、アルミチャンネル材を使った軽量かつ耐久性のあるフレームが特徴。「ラクネル バンツアー アトレー バージョン」はベッドメイクやテーブルセットのしやすさに加え、対面リビングにアレンジができるのも魅力です。加えて容量のある上部収納スペースなど使いやすさ満載でした。

2人で向き合って休憩ができる対面リビングモードが特徴。

リビングモードではマット下や上部収納棚に荷物の収納ができるようスペースを確保。
旅や仕事、遊びに使えるお一人さま仕様の軽キャンパー

フルモデルチェンジした「ミニチュアクルーズ コージー」。
先ほど紹介した「ミニチュアクルーズ」シリーズのひとつ、「コージー」がフルモデルチェンジを敢行。スズキ「エブリイ」をベースに「快適な1人旅モデル」というコンセプトで気持ちのいい居住空間に仕上げています。

横座りソファは座り心地も抜群。カウンター天板も広く作業性も高い。
右側にロングカウンターを装備し、左側にはベッド&ソファを配置。カウンターはワーケーションなどパソコン作業がしやすい広さ。また、シンクやポータブル冷蔵庫、電子レンジなども内蔵されており、電装系についても驚くほど充実しています。

標準装備が充実しており、納車してすぐにでも旅に出られる仕様。ベッドモードでも食事や洗顔などしやすい作り。

岡モータース「N-VAN イージーコンフォートベッドキット」。
ほかにも、N-VANユーザーに朗報な「イージーコンフォートベッドキット」も登場。車体に穴開けなどの加工が必要なく簡単にベッドフレームが取り付けられる優れもので、ベッドの高さも3段階で調整が可能。

ベッドの土台はもともと車両にあるサービスホールを利用して取り付けるので、加工などは不要。左側のテーブルやウッドフロアも販売。
さらに、写真のようにフッド調のフロアやテーブル、パンチ加工されたクオーターガラスボードなど、自分の好みで拡張していけるよう、多くのパーツを用意。好みのアイテムを選んで自分で取り付けて楽しめるようになっています。

自転車を積んだままでも就寝が可能。ベッドの高さは3段階で固定できる。遊びの基地にぴったり
軽自動車をベースにした本格キャンピングカーも登場!

キャンピングカーオーゼット「Kanoa(カノア)」。
キャンピングカーオーゼットからは「カノア」がデビューしました。こちらは、スズキの軽トラックである「キャリイ」をベースに居住部分であるシェルを架装したキャブコンバージョンモデル。

大型シェルにより、軽自動車ベースとは思えない広さを実現。上部収納庫も備わるほか、キッチンキャビネットには冷蔵庫も内蔵。
シェルを搭載したことで軽自動車枠に収まらないため、登録は普通車キャンピングカー登録になりますが小回りの良さは軽自動車と同じで室内はライトキャンピングカーのように広々。
キッチンや冷蔵はもちろんのこと、展示車にはオプションで用意される300Ahリチウムイオンサブバッテリーを装備。またエアコンの装着も可能で、シーズンを問わす快適な旅ができる仕様にすることもできます。

300Ahリチウムイオンサブバッテリーに1500Wインバーターなど、電装系もハイパワー。オプションのクーラーも安心して稼働させられるスペック。
ポップアップルーフモデルに熱い視線

スマイルファクトリー「OFF TIME TRAVELLER2 POP-UP ROOF」。
「普段は買い物や仕事もこなし、休日は車中泊などにも使いたい」という人の多くは、見た目がキャンピングカーぽくないものを選ぶ人が多いように思います。とはいえ、車内の空間には限界もある、ということで人気なのがポップアップルーフ。
スマイルファクトリーの人気シリーズ「オフタイムトラベラー」に新たに加わったポップアップルーフは、なんと欧州車でよく見られた横開き式のポップアップルーフを日本初採用。
フロア部分と合わせて4人の就寝を可能としているので、小さい子供との家族旅にも使えるモデルとなっています。車上からの見晴らしも抜群でした。

ポップアップルーフ内の高さは1mほどと開放的。フロアは左右のキャビネットを薄くすることで就寝スペースを広く確保。
ワイルドスタイルに注目! 個性派に人気のトラックキャンパー

M.Y.S.ミスティック「Desierto-01(デシエルト01)」。ポップアップルーフ付きのシェルが個性的。
キャンピングカーのなかで「トラックキャンパー」と呼ばれるジャンルがあります。トラックの荷台にシェルを積載して固定するもので、使用しない時は外して保管することが可能になっています。
M.Y.S.ミスティックからお披露目された「デシエルト01」は薄型のシェルにより走行時の風の抵抗を低減。それでいて、キャンプ場などではポップアップルーフにより快適な居住空間を生み出すことが可能なモデル。

走行時とは変わり、ポップアップルーフを開けば開放的な空間に変身。白を基調とした明るい内装色を採用。
エントランス右手にL字型キッチン、奥は対面のリビングというレイアウト。スタイリッシュなデザインに多くの人から注目を集めていました。
※「ジャパンキャンピングカーショー2022」リポート後編につづきます。後編ではハイエースやタウンエース、NV200バネットなど、ワンボックスをベースにした注目モデルをご紹介します。
