三重県多気町の山間に生まれた”美しき村”=『VISON(ヴィソン)』を支えるクリエーターの力 | アウトドアショップ・自然派の店 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

三重県多気町の山間に生まれた”美しき村”=『VISON(ヴィソン)』を支えるクリエーターの力

2022.01.03

海も山も近い、三重県多気町に2021年にオープンした複合商業リゾート『ヴィソン』。木造の美しき建造物が、山並みと調和する。

2021年7月にグランドオープンした話題の『ヴィソン』の「今」をレポート

2021年4月から7月まで3期に分けて開業した三重県多気町の複合商業リゾート『VISON(ヴィソン)』。すべての施設が開業し、現在は通常営業を続けている。敷地面積119ヘクタール(東京ドーム約24個分)という広大な敷地には、いくつかのエリアに分けて、食、ショッピング、宿泊、体験、カルチャーに関する施設が点在する。取材に出かけた日は、平日にもかかわらず朝から大勢の観光客で賑わっていた。

第3期では、新たに『和ヴィソン』『サンセバスチャン通り』『HOTEL VISON(ホテル ヴィソン)』などが開業。なかでも注目は、日本を代表するクリエーターたちが手がけた施設だ。

食べるだけではない「食」の魅力を伝える文化施設

『アトリエ ヴィソン』は、陶芸家・造形作家の内田鋼一さんが監修。そのエリアの中心にあるのが『カタチミュージアム』だ。黄土色の土壁で作られた建造物には、人を惹きつけるような優しい雰囲気が漂っている。一歩中に入ると、白い壁、白い梁、白いフロアのモダンな空間が広がる。そこには、紀元前から現代まで、世界の食にまつわる道具が展示されている。

『カタチミュージアム』のテーマは、「食」をテーマにした博物館。内田氏が所蔵し、このミュージアムのために集められた「食」にまつわる道具が、まるでアート作品のように展示されている。やかんや、おろし金など身近な道具から、ワイン用の葡萄絞り機まで、今まで見たこともないような造形の道具が並んでいる。三重を中心とした様々な「食」を扱うショップやレストランが集うヴィソンと、日常生活の架け橋となる文化的象徴ともいうべきミュージアムなのだ。

先達が生活の中から生み出し、使い続けてきた道具を眺めていると、キャンプで使えそうなアイデアや工夫が見え隠れするからおもしろい。

展示された世界のやかん

世界の「やかん」も美しくディスプレイ。

カタチミュージアムの内部

『カタチミュージアム』の入場料は1,000円。

奈良の『くるみの木』が三重にやってきた

同じく第3期でオープンしたサンセバスチャン通りには、『くるみの木 暮らしの参考室』がある。『くるみの木』は、1983年に奈良県奈良市にカフェを併設した雑貨店として石村由起子さんが開業。日々の生活を豊かにするための道具などを提案し、国内外にファンを持つ。

「くるみの木」の入口

木の香りがしてきそうな素敵なショップ外観。

『くるみの木 暮らしの参考室』には、ショップスペースの奥に、石村さんが影響を受け、大切にしてきたという生活の道具などが並ぶ小さなミュージアムがある。白を基調とした空間と、そこに置かれた作品が、スローでやさしい時間を演出している。

展示されているブローチ

『くるみの木 暮らしの参考室』に展示された作品。展示品に添えられた石村さんのメッセージも必読だ。入館料は600円。

ショップスペースには、やさしい手触りの手ぬぐいや、産地や材料にこだわった箸、かご、衣料などが並んでいた。

ショップには、石村さんの世界観が伝わる素敵な道具が並んでいる。

『minä perhonen(ミナ ペルホネン)』の軌跡を垣間見る

そして、サンセバスチャン通りにはもうひとつ、ヴィソンを代表するミュージアム&ショップがある。

オリジナルデザインのラグやブランケット、『ミナ ペルホネン』の生地が張られたヴィンテージ家具が並ぶショップ。

『ミナ ペルホネン ミュージアム/ミュージアムショップ』は、手作業の図案によるテキスタイルデザインが世界で評価される『ミナ ペルホネン』のミュージアム&ショップ。ミュージアムでは、代表作である「タンバリン」ほか、これまでに生み出された図案やスケッチ、テキスタイルや洋服などの貴重な資料が迎えてくれる。

タンバリンのスケッチ

代表作『タンバリン』のスケッチ。

ミナペルホネンのはぎれ

オリジナルデザインの生地は、はぎれまで大切に保管しているそうだ。『ミナ ペルホネン ミュージアム』の入館料は800円。

三重の魅力を再発見!

さらに、もうひとつ。「ロングライフデザイン」をテーマに、その土地に根付いた時代を越えて長く愛されるデザインの商品を販売する『D&DEPARTMENT MIE by VISON』も見逃せない施設のひとつ。創設者は、デザイナーのナガオカケンメイ氏。国内外に拠点を設けながら、物販、食、出版、観光など、各地の魅力を見直す提案をしている。その三重の拠点となるのがこのヴィソン店だ。

『D&DEPARTMENT MIE by VISON』は、「d」の字が目印。

「伊勢木綿」「松阪もめん」を使ったオリジナルの小物や、伊勢のクラフトビールなども買える。併設されるカフェスペースでは、「伊勢製餡所」で仕込まれたオリジナル配合のあんこを使ったどら焼き「dドラ」も人気。

オリジナルの袋

三重の伝統生地を利用したオリジナルグッズも豊富に揃う。

ショップの2階は宿泊施設になっていた

このほか、『サンセバスチャン通り』の1階には、本場スペインから出店するバルやピンチョスの名店なども軒を連ねる。そして、2階部分は『旅籠ヴィソン』として気軽に宿泊ができる施設となっている。宿泊施設は、ほかにラグジュアリーな滞在ができる『HOTEL VISON』も開業している。

旅籠ヴィソンの室内

宿泊施設『旅籠ヴィソン』もオープン。サンセバスチャン通りのバルで思いっきり飲んでも、ここに泊まれば安心だ。

人気のアウトドアショップ『Orange』もオープン

また、『HOTEL VISON』には、和歌山県かつらぎ町にある人気のアウトドアショップ『Orange』も出店。圧倒的な品数の気の利いたアウトドアグッズが所狭しと陳列されているので、ゆっくりと物色しよう。

アウトドアショップ「オレンジ」の外観

コンクリート造りのモダンなビルに入る『Orange』。

和の食材をテーマにしたブロックもあり

第3期でオープンした『和ヴィソン』と呼ばれるエリアには、出汁、醸造、酒造など日本の伝統的な食に関する専門ショップが並んでいる。なかでも『美醂 VIRIN de ISE』では、店の奥にある小さな工場で、地元・多気町産のもち米を使った味りんづくりが始まっていた。ここでは伝統的な工法で醸造しているため、約2年後からヴィソン産の味りんが出荷できるという。

『ヴィソン』の未来を支えるクリエーターたち

2021年11月29日には、ヴィソンを担うクリエーター5人が一堂に会しトークイベントを開催した。彼らは、開業から現在にいたるまでに浮かび上がった課題を整理しつつ、「VISON=美しい村」が、これから何十年も「いかに美しい村となり、その魅力を発信し続けるために、今、皆が力を合わせて何をすべきか?」を真剣に語り合っていた。

ヴィソンの魅力を引き上げる日本を代表するクリエーターたち。向かって左から、ナガオカケンメイ氏、中原慎一郎氏(ヴィソン ホテルズ・インテリア監修)、内田鋼一氏、皆川 明氏(ミナ ペルホネン)、石村由起子氏。

失敗しない『ヴィソン』の楽しみ方

第1期、第2期と違い、第3期オープン後は、平日でも駐車場が有料になった。しかも、入場ゲートがなく無人カメラを使った課金システムを使っている。施設で買い物や食事をした際には、忘れずに駐車場のサービス券をもらうように。

また、すべての駐車場は砂利敷きなので、とくに雨の日には靴が汚れる心配がある。自然の濃い場所に作られた広大な施設なので、歩く距離も長くなる。そこを理解し、お洒落して都心を歩くような服装よりも、着慣れたアウトドアウェア&シューズで出かけることを薦める。

また、ヴィソン内は「照明が素敵な星空を妨げないように」と照明を必要最低限に抑えている。その暗さゆえ、夜間、駐車場でマイカーを探すのに苦労することもあるようだ。普段から使っているキャンプ用のヘッドライトなどをポケットやバッグに入れて行くと、星空を眺めながら安心してクルマまで移動できるだろう。

緊急事態宣言解除後は、平日でも駐車場が満車になるほどの来客があるという。混雑時には、ヴィソンから一般道に繫がる道路が渋滞することもある。『マルシェ ヴィソン』に行けば、渋滞状況も目視できるので、渋滞していたら無理せず、日帰り入浴施設『本草湯』やレストラン、カフェでゆっくり過ごして、時間をずらして帰ると快適だ。

三重の美食あり、木育体験あり、地元の特産品あり。そして、本草湯や宿泊まで楽しめる三重県を代表する期待の複合施設。伊勢神宮参拝の帰りにぜひ寄ってみよう。

過去の記事はこちらで

第1期オープン
https://www.bepal.net/news/153748

第2期オープン
https://www.bepal.net/news/161016

【施設情報】

VISON(ヴィソン)
所在地:三重県多気郡多気町ヴィソン672番1
https://vison.jp/
※営業時間など最新情報は上記WEBサイトをご覧ください。

サンセバスチャン通の夕景

サンセバスチャン通りの夕景。

取材・構成/yamabon(山本修二、小牧由美)

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