MSC「海のエコラベル」って知ってる?エコラベル付き製品を選んで未来の水産資源が守ろう
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    2021.06.23

    MSC「海のエコラベル」って知ってる?エコラベル付き製品を選んで未来の水産資源が守ろう

    小さなラベルが付いた魚を選ぶだけで海の生態系が守れるとしたら、あなたはどうしますか?
    今、世界では魚の獲り過ぎなどにより、水産資源が危機的な状況にあります。広大な海の問題に対して、人間はちっぽけですが、私たち一人ひとりにできることがあります。そんな取り組みが、各国で広がりを見せているMSC「海のエコラベル」です。日本でも静かに浸透しているこの取り組みを紹介します。

    海の生物が半減という衝撃

    海の豊かさは年々、失われつつあります。地上で暮らしていると、海中の現状はピンとこないかもしれませんが、深刻さを物語る数値があります。約100か国で活動している環境保全団体、WWF(世界自然保護基金)の報告書によると、海洋生物の生息数はここ40年でほぼ半減しています。衝撃的なデータをもたらした原因のひとつは「乱獲」でした。漁獲量の多いマグロやサバなどは7割も激減しており、特に太平洋のクロマグロは絶滅が危惧されています。

    海に生きる命が静かに姿を消していても、直接的に私たちの目につくことはありません。しかし、私たちの生活に暗い影を落としていくのは確かです。

    乱獲による影響がもっとも目に見えやすいのは食卓です。約30年後にはサバやスルメイカの価格が5割ほど高騰、マアジも3割ほど上昇すると格が5割ほど高騰、マアジも3割ほど上昇すると、日本大学生物資源科学部の大石敦志教授が予測し、さらに、状況が予測よりも悪化する恐れがあると指摘しています。

    「魚介類の価格上昇には、世界を取り巻く環境の変化やライフスタイルの変化も関わってきます。例えば、世界の物価水準の上昇や、海外での魚食の増加による需要と供給のバランスの変化などを考えると、もう少し価格が上がる可能性もあります」と大石教授。

    食卓で味わえていた魚が高級魚になり、気軽に行けた回転寿司も高嶺の花に。そんな時代が訪れるかもしれません。

    MSC「海のエコラベル」とは?

    日本列島を取り囲む海を守り、日本食の代表ともいえる寿司をこれからも食べ続けるには、海洋生物を守っていかなくてはいけません。そのための取り組みが世界的に広まりをみせているMSC「海のエコラベル」です。

    大手スーパーマーケットなどで目にする機会も増えてきましたが、MSC「海のエコラベル」とはどんなものなのでしょう。詳しく知るために、エコラベルを管理している団体「MSC(海洋管理協議会)ジャパン」のオンラインプレスセミナーで詳細を伺いました。

    まずはMSCの説明から。MSCは国際的な非営利団体で、MSCジャパンはその日本事務所になります。水産資源の減少を解決するために活動していて、その活動のひとつMSC「海のエコラベル」の管理と普及です。MSCラベルの付いた製品は、現在、世界100カ国に広まり、国内でも1000品目が登録されています。

    MSC「海のエコラベル」を付けることができるのは、水産資源や環境に配慮し適切に管理された、MSC認証を取得した漁業で獲られた天然の魚介類のみで、国内では、カツオやビンナガマグロの一本釣り漁業、タイセイヨウクロマグロのはえ縄漁業などがMSC認証を取得しています。

    MSC漁業認証の原則は以下の3つです。
    ・資源の持続可能性              
    ・漁業が生態系に与える影響               
    ・漁業の管理システム(長期的に持続可能な漁業を続けるためのルールや仕組み)

    持続可能な漁業が増える

    左から日本大学生物資源科学部の大石敦志教授、MSC アンバサダーであるココリコ・田中直樹さん、MSCジャパンプログラム・ディレクター石井幸造さん。

    セミナーでは、トークセッションも行なわれ、MSC アンバサダーであるココリコ・田中直樹さん、大石教授、MSCジャパンのプログラム・ディレクター石井幸造さんが参加しました。

    芸能界でも海洋生物好きとして知られる田中さん。40〜50年ほど営まれている近所の魚屋さんでの店主との会話を通じて、水産資源の危機を感じたそうです。

    「獲れる天然の魚の量が減っていて、ここ2、3年は特によくないとおっしゃっています。身近なサンマやサバなどおいしく食べられるサイズが少なくなっているんじゃないかと。毎日ずっと魚と向き合って商売をされている方がそういうことを危機的におっしゃることが印象深かったです」

    日常的に魚を扱う専門家が、肌で感じていることには重みがあります。店主の感覚が正しいことは数字にも現れています。国連食糧農業機関(FAO)の発表によると、世界の水産資源は3分の1が獲りすぎで、まだ余裕がある資源は1割未満です。

    こうした現状だからこそ、私たちにできることとして、石井さんはエコラベルの重要性を挙げました。

    「MSCラベルのついた製品を選んでもらうことで、適切に管理された漁業で獲られた水産物のマーケットが拡大していきます。マーケットが拡大することで、持続可能な漁業に取り組もうという漁業者が増え、それが水産資源を守っていくことにつながります」

    続けて、大石教授は環境意識の高まりに触れ、エコラベルの意義を説明しました。

    「環境や水産資源を守る意識はあっても、具体的な方法がわからない消費者がいます。MSC ラベル付き製品を選ぶだけで、環境や水産資源を守る仕組みができていることが重要な点です」

    MSC「海のエコラベル」を手に取るのは小さな選択ではなく、具体的な行動です。個々人の日常的な意識が変わることが未来の海を守ることにつながっていきます。選択することは未来をつくる意思表示です。

    私が書きました!
    ランナー / ライター
    若岡拓也
    トレイルランニングが好き。山だけでなく、砂漠、ジャングル、南極なども走る。PAAGO WORKS、Icebreakerアンバサダー。

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