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〝Go take a hike(ハイキングへ出かけなさい)〟
「ラブ&ピース!」──というスローガンのもと、アメリカの若者たちが生活用具一式を担いで自然の中を放浪し始めたヒッピームーブメントは1960年代後半からのこと。これを機に、アメリカではバックパッキングブームが起こり、以降は次々とパックブランドが登場した。
でもそれ以前に、世の中の流行とは関係なく、純粋に山歩きが好きでパック作りを始めた男がいた。それが、1952年にケルティを創設した、アッシャー・〝ディック〟・ケルティだ。
当時売られていたバックパックは木製のフレームとキャンバス地製バッグの組み合わせで、荷物を詰める以前にパックそのものがとんでもなく重かった。
そこで彼は、フレームにアルミニウム、バッグにナイロンを使うことを思いつき、妻のネーナとともに自宅でフレームパックを作り始めた。そして世界初となるアルミフレームパックが誕生。また、肩と腰に荷重を分散させるためにヒップベルトを取り付けたのもケルティが最初だった。こうした実績が後に、〝Father of The Frame Pack(フレームパックの父)〟と称されるようになった由縁なのだ。
ケルティは順調に成長したが、大企業家になりたいと思っていなかったディックは、’72年に事業を売却。新体制となりパック類に加え、最近ではアパレルもラインアップに加わっている。
ディック自身は2004年1月12日に亡くなったが、彼が遺した〝Go take a hike(ハイキングへ出かけなさい)〟という言葉は、現在の製品作りの指針ともなっている。

「Father of The Frame Pack(フレームパックの父)」とも称された、創業者のディック・ケルティ。

現在はアウトドアだけでなく街でも着こなせるアパレル製品の開発にも取り組んでいる。

’70年代に発売されていた「ザ・デイパック」を復刻したモデル「デイパック」(¥13,200)。

ディック・ケルティが開発した、世界初のアウターフレームパックを復刻した「マウンテニアフレームパック」(¥52,800)。
BAG&APPAREL


※構成/坂本りえ
(BE-PAL 2026年11月号より)




