しかしカナダ人の友人は、「10時間くらい運転すれば着くよ」とあっさり言うのです。
「じゃあ、行ってみちゃう?」
そんなノリで始まったロッキー車旅。せっかくなので、途中の寄り道も楽しみました。そんな旅の記録を、全4回でお届けします。
第1回の舞台は、バンクーバーからロッキー山脈へ向かう途中にある山あいの小さな街、レベルストークです。
CONTENTS
【カナディアンロッキー車旅シリーズ1】
カナダの大自然に抱かれて、「絶景」ときどき「絶叫」!
レベルストークは、バンクーバーから東へ約565km、車で約6時間半。日本人にはあまりなじみのない地名ですが、カナダのアウトドアファンにはラフティングやヘリスキーなどワイルドなアクティビティで知られる場所です。一方、歴史好きや鉄道ファンには「鉄道の街」としても有名。19世紀、大陸横断鉄道の建設とともに発展してきた街でもあります。
そんなレベルストークで今回参加したのが、イルシルワット氷河を源流とする美しい川を下るラフティング・ツアー。2時間半かけて26kmのコースを下る、急流ラフティングに挑戦しました!

26kmを2時間半で川下り。こ、これは長い!
ラフティングとは、「ラフト」と呼ばれるゴムボートに乗り、ガイドの指示に合わせて全員でパドルを漕ぎながら川を下るアクティビティ。中でも、水面が白く泡立つような急流を下るものを「ホワイトウォーター・ラフティング」と呼びます。急流の難易度はクラス1~6に分けられ、数字が大きくなるほどスリルも難易度も上がります。
筆者は以前、ウィスラーでのラフティングを体験済み。そのときは約5km、実際にボートに乗っていたのは1~1時間半ほどでした。
今回はレベルアップして、コース距離はなんと26km! 5倍以上です。この長さを約2時間半で下るというのですから、前回とはスケールも段違い。スリルに期待です!

必要なのは水着だけ。装備はほぼレンタル
申し込みは事前にWebで行います。当日は服の下に水着を着て集合場所へ向かえばOK。
ウエットスーツ、ウエットスーツ素材のソックス、防寒用のフリース、その上に着るライフジャケット、ヘルメット、濡れてもいいスニーカーまで、必要な装備はレンタルに含まれていました。服や荷物は集合場所近くのロッカーに置いていけます。

集合場所に着くと、ガイドさんの説明を聞きます。せっかくなら絶景の写真を撮りたいもの。でも「携帯電話は持っていかないように」との注意がありました。
「川に落としたら二度と出てこないよ。ツアーのバスに忘れたらどうするかって? 明日フェイスブック・マーケットプレイスで探してみて!」
なんてジョークを飛ばすガイドさん。安全説明はきっちりしていますが、最初から場を盛り上げてくれます。

「Get Down!」急流ではボートの内側に避難せよ!
今回同じボートに乗ったのは、筆者と友人、4人連れファミリー、ガイドの計7人。4人連れは、祖父母と中高生の男子2人でした。
「こんなツアーに参加しているって知ったら、この子たちの親に怒られるわ(笑)」とおばあちゃん。若すぎでしょ……! カナダのシニア、元気です。
パドルの動かし方や基本動作などを教わったら、いよいよスタート。ガイドの掛け声に合わせてみんなでパドルを漕いでいきます。
しばらく穏やかな流れを進んでいたと思ったら、前方からゴーッという水音。白く泡立つ波が見えます。
「Get Down!(伏せて!)」
大きな落差に入る前には、ガイドの指示で姿勢を低くし、ボートの内側へ体を滑り込ませます。次の瞬間、ボートが急流に突っ込み、頭の上から水がザバーン!
冷たいっ!
迫力っ!
でも、これが楽しい!もう、アドレナリンが出まくりです!

ボートの先端に座れば、さらにスリル満点!
ガイドたちは、岩の場所や水深、流れを熟知しています。そのため、川の状況に応じて「前に座りたい人!」と声がかかることも。
希望者はボートの先端に座り、足を外側へ出したまま急流に突っ込みます。当然、波を真正面からかぶります。場合によっては、そのまま川へドボン!
「ここでは体を低く」「ここなら先頭に座って楽しめる」。ガイドが川の状況を見極めながら判断します。このツアーを主催するエイペックス・ラフティング(Apex Rafting)は、この川で30年以上も運営している老舗。スリルはあるけど安心感もあるから、遠慮なく絶叫できます。
絶叫のあとは、流れに乗って癒やされて
イルシルワット川のよさは、急流だけではありません。猛烈に漕いで、波をかぶって、「イエーイ!」とパドルを上げた数分後。今度は流れが穏やかになり、パドルを休めて山や森を眺めます。
深い緑に囲まれ、川の流れを聞き、氷河を源流とする冷たい水に触れ、風を感じ……。ウィスラーでのラフティングも楽しかったけれど、レベルストークはより自然への没入感がすごい。
スリルと、癒やし。……ああ、この時がずっと続いてほしい。

季節によって水量や難易度が変わる
この川を30年以上見続けているのは、エイペックス・ラフティングの共同創業者、ラルフ・コーバーさん。ラルフさんはカナダ、コスタリカ、アメリカなど各地の川でガイド経験を積んだ後、1993年に妻のデビーさんとレベルストークへ移り、ラフティング会社を始めました。

この川のおもしろさは、季節によって表情が変わること。ラルフさんによると、雪解けで水量が増える初夏の高水位期には、毎秒280立方メートルもの流量があるのだとか。一部の急流は「クラス4」に達し、難易度も迫力もぐっと上がります。そのため、この時期は最低参加年齢が16歳まで引き上げられます。
一方、シーズンの終わりの晩夏には流量が毎秒約50立方メートルまで落ち着くとのこと。落ち着いた時期には、8歳(体重23kg以上)の子どもから参加が可能です。

全長26kmの川下りを終えると、参加者も協力してラフトを片付け、ツアーのバスに。集合場所まで戻ります。移動含めて約4時間のアクティビティ。ツアーバス内の時間も車窓からの風景を満喫できます。
知らなかったカナダの街、レベルストーク
バンクーバーに数年住んでいる筆者もついこの間まで知らなかった、ブリティッシュ・コロンビア州内陸部の街レベルストーク。小さな街ですが、中心地にはおしゃれなレストランやおいしいアイスクリーム屋さんもあり、夕方には街角で音楽の生演奏も。地元愛にあふれた居心地の良さを感じます。



バンクーバー発、カナディアンロッキーまでのロードトリップ。10時間連続で運転はさすがにつらいので途中で一休み、と思って選んだ経由地のレベルストークでしたが、思いのほか充実した時間が過ごせました。
いや、このラフティングはよかったです! 水は冷たいけど!

でも、心残りもあります。筆者のしくじりを聞いて!
充実のレベルストーク体験だったけれど、筆者には心残りとなる「しくじり」が。
ロッキー山脈までのロードトリップなんて一生に一度だと思って頑張って計画したけれど、「季節によって川の流量も、急流の迫力も大きく違う」とは知りませんでした。
5倍以上も流量が違うと聞くと、その時期を逃してしまったのはやっぱり残念。絶景&絶叫好きとしては、せっかくなら「クラス4」のスリルを体験したかった……!
もうひとつの心残りは、GoProを用意しなかったこと!
ツアー参加者の中には、ヘルメットにGoProを取り付けるマウントを借りて動画撮影をしていた人がいました。筆者も、急流へ突っ込む瞬間、真正面から浴びる波、絶叫の瞬間などを自分目線で残したかった! これもめちゃめちゃ心残り!
みなさんは、筆者のようなしくじりをしないように、次の2点をお忘れなく!
・カナダのラフティングは季節によって川の流量とスリルが変わる。好みにあわせて選択を!
・GoProなどの撮影機器が使えるか、事前に確認!
■エイペックス・ラフティング
https://apexrafting.com/
貸出装備やその他詳細は将来変更の可能性があります。予約時にご確認を。
※カナダのラフティング・ツアーの子どもの最低参加年齢は、主催者によって、また季節等によっても異なります(おおむね8~10歳から)。お子さま連れの場合は予約前にご確認を




