ここは夏から秋にかけて実りの季節で、道ばたを歩くだけで、キイチゴ、プラム、チェリー、イチジク、ブドウ、オリーブなど、ほんとうにたくさんのフルーツが、いたるところで目に飛び込んできます。
散歩は宝探し
エーゲ海沿岸の夏はとても乾燥しており、抜けるような青空が広がります。

今回、2ヶ月ほどトルコに滞在したのですが、その間ほぼ毎日このような晴天で、雨は一滴も降りませんでした。夏の日中の気温は30℃前後で、カラッとしていて風の通りもよく、汗をかいてもすぐに乾きます。屋外でも快適に過ごせるため、よく散歩に出かけました。

道ばたにはさまざまな実をつけた木々が並んでいます。この写真の左はイチジクの木、息子の視線の先にある右の木はオリーブです。


まだ早い時期は、毎日近くを通る度に少しずつ色づく実を、今か今かと待ち構えていましたが、時期になるとそこら中で一斉に完熟するので食べ放題です。もちろんこれらのほとんどは民家の庭木や土地の所有者のものではあるのですが、道にはみ出したものは誰が取っても良いということになっているようです。

実際、所有者も自家消費では手に負えず配り歩くというようなことが多く、今日はこの人がバケツいっぱいのチェリー、次の日はあの人がネクタリンを箱いっぱい、また次の日には誰かがプラムとアンズを差し入れる、なんていうことが日常的に行われていました。
まだまだ続く宝探し
たくさんの実をつけたキイチゴも見つけました。

赤い実は見た目こそおいしそうですが、まだ酸っぱく、黒く熟れた実を狙うと、決まってトゲの奥です。

「そこに黒いのある!」
息子が安全な場所から指示を出します。私は腕を伸ばしてトゲに刺され、やっと一粒!と思ったら服にトゲが引っかかって動けない!
一粒は人差し指の先ほどの大きさ。美味しいけれど払う代償が大きすぎます。
そしてなんとブドウとイチジクとキイチゴが一緒に実をつけている木を発見。

それぞれの木とつるが複雑に絡み合っていて、まるでひとつの木から3種類ものフルーツが実っているようでした。
ちなみにこれらのフルーツはマーケットでも購入できます。

みかん1kg約170円、チェリー1kg約500円(2026年8月当時)。激しいインフレの進むトルコの物価は決して安くありませんが、フルーツだけは比較的安いままです。
特に、丁寧に選別された形の良いフルーツのみが個包装され、綺麗に並べて売られている日本と比べると、その差に驚くかもしれません。

そしてこちらも日本では輸入品を扱うスーパーなどでしか手に入らないオリーブの実。日本で小瓶入りのものと同じくらいの値段でトルコでは1kg買えます。もちろんオリーブオイルも安く、2リットルくらいのボトルで割と雑に売られています。
それにしてもこんなにたくさんの種類のオリーブがあるのは驚きです。緑、紫、黒。大粒、小粒、ハーブ入り、唐辛子入り。それぞれ熟成度合いなども違うので食べ比べてお気に入りを見つける楽しさがあります。
夏の長い夕暮れ
昼間の散歩もいいけれど、やはり炎天下は暑いので一番過ごしやすいのは夕方です。

ウルラの夏は日が長く、20時を過ぎてやっと夕暮れ時になります。東京と緯度はそれほど変わらないのに、夕方の感覚はまるで違います。日本では夏至のころ、朝4時台にはもう明るくなっていますが、ウルラではその明るさが夕方にずれているようなかたちです。
夕食のあとに海へ行ったり、子どもたちが外で遊び続けたりできるのも、この長い夕暮れのおかげ。一日がとても長く感じます。

子どもの足に合わせてのんびり歩いていると色々な発見があります。この白い花がたくさん集まって咲いている植物を息子がとても気に入って、あちこちに生えているものを見つける度にしゃがみ込んで観察していました。
小さい花が並んだ様子がタコの足のようなので、勝手に「オクトパスフラワー」と呼んでいました。

21時近くなっても、空にはまだうっすらと青さが残っています。たくさん歩いたはずなのに、夕方が長いせいか、まだ一日が終わる気がしません。
帰り道にも息子はオクトパスフラワーを見つけ、私は食べごろのイチジクが残っていないか木の上を確認します。長い夏の一日は、最後まで宝探し。ウルラでは、ただの散歩がなかなか終わりません。




