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WIND from ONTARIO~森の海、水の島~ #20 鱒の棲む水の島
by Tomoki Onishi
撮影・文/尾西知樹
トロント在住のフォトグラファー、マルチメディア・クリエイター、カヌーイストでサウナー。オンタリオ・ハイランド観光局、Ontario Outdoor Adventuresのクリエイティブ・ディレクターを務める。カナダの大自然の中での体験とクリエイティブを融合させたユニット magichours.caを主宰。

カナダ最大の700万都市圏をエスケープ、一路北を目指す。どこまでも無料のハイウェイは、スルスルと快適で、300㎞ほどの彼方に3時間弱で到着する。
高い山の全くない、氷河期に削り取られた、フラットで森の海と称している広大な大地に、数多の湖が連なる。これら湖が例外なく全て凍結し、純白な水の島が森の海原に浮き上がる様は、晴れた日には特に眩く、記憶に焼き付く情景となる。
車から道具を大きなソリに積み、氷上へ。マイナス10度Cを軽く下回る中、白い息をもくもくと吐きながら、歩を進める……。
湖畔に別荘が点在するこのエリアは、夏場は都市からのリゾート客で賑わう。逆に厳冬期には、驚くほど閑散として人気ない。凜と冷えた空気の中、静かに眠るようなこの時季がとても好きで、冬を待ってここへ来る。
目指すポイントに着くまで、誰にも会わず。巨大ドリルで50㎝を超える厚さの氷に穴をあけ、糸を垂らす。暖を取るためテントを設営すれば、白い孤島にポツンと赤いドットがひとつ。
足の下は、水で満たされている不思議。20mを超える湖底からゆらゆらと影が昇ってくるのを、魚探で視認し、ロッドアクションを加えると。ググーッと重い手応え! 慎重に大胆にリールを巻くと、氷の穴から美しいトラウトが顔を出した……。

伝統的な氷穴釣りのトラップ。魚が掛かれば、オレンジの旗がピコッと上がるお知らせ機能付き。

湖に棲まう鱒、名前もそのままレイク・トラウト! 氷片に包んで、産直冷凍まるごと新鮮パック。

氷穴3つ、中央に魚探を配した完璧な布陣。無風無流の氷上直下狙いは、魚探越しの超ゲーム感覚!
(BE-PAL 2026年2月号より)







