アウディの新型SUVをレビュー!
アウディ Q5ってどんなクルマ?

初代は2009年に日本デビュー。ステーションワゴンのアバントと共に「積める」SUVに力を入れた結果、Q5をはじめとするアウディのSUVは人気モデルとなった。第三世代となる新型Q5は従来型とほぼ同程度のボディサイズを保ちながら、車体の基本骨格となるプラットフォームは一新されている。外観はフロントマスクがより堂々としたものとなり、全体的に抑揚のある肉感的なデザインとなっている。

パワートレインのトピックは、2リッターの直列4気筒ディーゼルターボエンジンに組み合わされるMHEVプラスと呼ばれる48Vハイブリッドシステムだ。低出力のモーターを搭載して発進時などにパワーアシストするタイプをマイルドハイブリッドと呼ぶが、MHEVプラスは従来からのスターター兼発電機を残しつつ、新たに最高出力24PS、最大トルク230Nmの「PTG」(パワートレインジェネレーター)を追加。さらに電動システムも強化され、高出力モーターとエンジンを組み合わせた一般的なハイブリッドシステム(メーカーによってはストロングハイブリッド、フルハイブリッドと呼ぶ)に匹敵するレベルに。
メカニズム面での詳しいことはさておき、要するに新型Q5はグローバルな感覚で一般的なハイブリッド車といってほぼ差し支えない。

駆動システムは全車「クワトロ」、つまり4WDだ。タイヤサイズは18インチが標準。オプションで19インチや20インチも選べる。SUVにかぎらず、タイヤ&ホイールは大きいほど見栄えがいい。“踏ん張っている感”があり、そうしたファッション性はアウトドアギアの類でも重視されるポイントでもある。とはいえ、不整地走行やスタッドレスタイヤへの履き替えなどを考慮すると、現実的な18インチが標準なのはうれしいポイント。ライフスタイルが多様化した現在、選択肢があることはとても重要だ。
走りだしから感じる快適ぶりはロングドライブでさらなるメリットに

新しいハイブリッドシステムを搭載した新型Q5は、誰もがすぐにその威力を実感できる。状況にもよるが、走りだしはほぼモーターのみ。すぐにエンジンが始動することは少なく、かかったとしてもディーゼルエンジンとの“つなぎ”がスムーズで、自然なフィーリングだ。ディーゼル音はそれなりに感じられるものの、こうしたスマートなふるまいのおかげで違和感なく乗っていられる。
車室内では走行音や風切り音が抑えられ、高級車らしい上質な時間が堪能できる。高速道路での安定感もさすがの出来栄えで、移動中に疲れにくいのはソト遊び帰りの体に効くこと確実。

荷室は奥行きをしっかり確保し、後席は同乗者がいるときでも長尺物を積みやすい3分割式。後席の背もたれをたたんだときの傾斜は多少あるが、それはシートがしっかりと作られている証拠でもある。家族や仲間に快適なドライブを楽しんでもらえる、そんな心配りができるクルマなのだ。
今回は好天の舗装路のみでの走行だったため、「クワトロ」の真価を実感することは叶わなかったが、なにしろ40年以上にわたって継承され、アップデートしてきた技術だけに、心強いのはなにより。これからの季節は路面凍結や積雪に遭遇する機会が少なくないだろうし、都会にいても雪に見舞われることはある。そんなときに備えておくことは、雨から身を守り、滑りやすい道でも軽快なフットワークをサポートするレインアウターやトレッキングシューズ同様、アウトドアパーソンの務め。
説得力のあるブランドの最新SUVに乗るということは、自然との距離を詰めていくためにも価値がある。そして、日々の暮らしのなかで乗ることの多い家族にとっても、快適なアウディ Q5なら喜ばれること間違いなしだ。


【Audi Q5 edition one】※ベース車両は「Q5 TDI quattro 150kW advanced」
- 全長×全幅×全高=4,715×1,900×1,655mm
- ホイールベース:2,820mm
- 最小回転半径:5.7m
- 車両重量:2,040kg
- 駆動方式:4輪駆動
- エンジン:直列4気筒ディーゼルターボ
- エンジン最高出力:150kW(204PS)/3,800~4,200rpm
- エンジン最大トルク:400N・m/1,750~3,250rpm
- WLTCモード燃費:16.1km/ℓ
- トランスミッション:7速Sトロニック(DCT)
- 車両本体価格:¥7,880,000(税込み)
問い合わせ先:アウディ
TEL:0120-598106








