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旅情とアクティビティーを満喫! ローカル鉄道の駅前キャンプ
私たちが行ってきました!古金竜弥さん、夏姫さん

竜弥さんは栃木県出身で、5年前に山口県に移住。小規模な間伐を繰り返し、森を育てる自伐型林業に従事。山口県の瀬戸内海側出身の夏姫さんも林業のサポートをしている。
目の前の海で釣り!
「キャンプ経験はあるけど、鉄道キャンプははじめて」という古金竜弥さん、夏姫さん夫妻。しかも、最寄りのJR山陰本線・奈古駅に止まる電車は上下線ともに各8本! 遅刻は絶対に許されない。鉄キャンデビューには少々、ハードルが高い⁉
「う〜ん、時刻表に合わせて計画を立てればいいので、あれこれ迷わずにすむ、というか迷えない(笑)。その点はいいのかもしれません」と竜弥さん。
今回、利用するのは2022年開業の「ABUキャンプフィールド」。「道の駅阿武町」や日帰り入浴施設、レストランに隣接していて、鉄道旅キャンパーには絶好の条件がそろっている。
「少しでも荷物を少なくしたいので、食材は現地調達。調味料も塩、コショウ、醤油と、シンプルにしました」と夏姫さん。
受付のある管理棟では電動自転車や釣り道具一式の貸し出しもしていて、アクティビティーも楽しめる。スタッフによると今の推しは、「フォーキング」。専用のフォークで食材を刺し、薪火で食材を炙って食べるというシンプルなBBQスタイルだ。フォークなども購入可能だったし、焚き火台は持参していたので、試してみることに!
ということで早速、食材調達のために、目の前の海で釣りをはじめる。「カサゴが釣れることが多いけど、チヌ(クロダイ)もいるから、がんばって!」とスタッフの声援を受け、釣りを開始。「カサゴは煮つけかな~」などと、張り切るふたり。しかし、ベラにキジハタの幼魚と、釣果はいまひとつ。と、そんなとき「すごく引いている!」と夏姫さん。海面をのぞくと、巨大な黒い物体が! 「もしかしてチヌ!?」と釣り竿を慎重に引くも、重さに耐えきれず糸が切れてしまった。「40㎝以上はあったよね」と竜弥さん。逃した魚はマジで大きかった(号泣)。
釣りを楽しんだあと、道の駅をのぞきに行ったが、日曜日だったせいか、鮮魚コーナーは争奪戦! なんとか店員さんオススメの、ラスト1パックだったアオリイカと、フォーキングによさげなヒラマサのサクを購入。炊事棟で準備を済ませ、いよいよフォーキングにトライ。
「食材は新鮮だし、煙でいぶされて味わいが深まり、塩や醤油を少しつけるだけでうまい」と竜弥さん。「シンプル・イズ・ベストですね。フォークにかぶりついて食べるワイルドな感じも楽しい」と夏姫さん。
食後はサイクリングへ! 日本海を背景に鉄橋を走る電車を見たり、コバルトブルーの海が美しい白砂の浜を歩いたりと、里海&里山を楽しんだふたり。
「キャンプ場のサービスを利用することで、思った以上に鉄道キャンプを満喫できました」
JR山陰本線 奈古駅から徒歩8分


最寄りの奈古駅は昭和4年に建てられた味わいのある木造駅舎。旅気分が盛り上がる~!
↓

駅前を通る国道191号線沿いに歩けばOK。途中にスーパーもある。
あっという間にキャンプ場へ到着!

受付は13時~だが、たっぷり遊べるように、今回はアーリーチェックインで10時に入場した(別途1,650円)。

地元グルメが楽しみたい! ABUキャンプフィールドENGAWA BASE

港に面した広々としたテントサイトが魅力。萩・石見空港最寄りの益田駅からは約70分。
住所:山口県阿武郡阿武町奈古2248-1
電話:08388(2)3000
料金:4,400円~
営業:通年(水曜休)
予約:2か月前の1日より
テントサイト:62
その他の宿泊施設:0棟
DOCOMO
au
SoftBank
- ネット予約可能
- 温水洗浄便座あり
- バリアフリー
- 温水が出る
- 器具による焚き火OK
- ペットOK
目の前の海で食材をGET!

食材調達も兼ねてテントサイトの目の前の海で釣りにチャレンジ。うまくいけば、チヌ(クロダイ)が釣れるというが……。目指せ、ゴージャス海鮮BBQ!

気軽に釣りを楽しめる穴釣りのセットをレンタル。釣り竿、バケツ、ライジャケなどが含まれている。2,200円。

夏姫さんが高級魚、キジハタの幼魚を釣った! 小さいのでリリースした。大きくなって帰ってきてねー。
キャンプ場から徒歩1分!
【立ち寄りスポット】道の駅で新鮮な魚を購入

道の駅阿武町は、新鮮な朝どりの魚介がリーズナブル価格で手に入ると大人気。訪れた日は週末だったせいか、開店前から行列ができていた。

道の駅阿武町 物産直売所「あぶの旬館」
住所:山口県阿武郡阿武町奈古2249
電話:08388(2)0355
営業時間:10:00~18:00
定休日:第1水曜
海を見渡せる芝生のフリーサイトにテントを設営

宿泊可能なテントサイトはA、B、C、Dの4つに分かれている。A、Dはフリーサイトで車の乗り入れ不可。B、Cは電源付き区画オートサイト。今回は海が見えるAサイトに決定!
エアコン完備の炊事棟で下準備

2022年春に誕生しただけに設備は充実。炊事棟は戸建てでエアコンが完備され、快適。取材日は34度Cだったので、魚を調理する際に本当に助かった。

下ごしらえなどができるスペースもあり、温水も利用OK。スマホなどの共用充電ステーションもある。

天然のヒラマサとアオリイカ。刺身はもちろん、とBBQでも楽しんだ。


イカはバター醤油炒めもしてみた。シンプルだけど間違いないおいしさ!
サイクリングで絶景スポットめぐり

日本海きれいだね!
JR山陰本線に架かる全長189mの惣郷川橋梁(惣郷鉄橋)へ行ってみた。鉄ちゃんならずとも一度は見ておきたい絶景スポットだ。工事中なのが残念……。
鳴き砂の浜を散策

歩くとキュッキュッと音がする清ヶ浜海水浴場。白砂と青い海は県下有数の美しさだ。美しい浜を維持しようと、ボランティアによる清掃活動も行なわれている。
自転車をレンタル

電動アシスト付き自転車をレンタル。半日800円、1日1,500円。鉄道旅とレンタサイクルは相性◎。

風が心地よい海辺をのんびりサイクリング。阿武町は海あり山ありで、走っていても楽しい。

電車の本数が少ないので惣郷川鉄橋へは自転車で行くのもいい。電動なので登り坂もスイスイ。
【姉妹キャンプ場】清ヶ浜すぐそば。自然豊かな小規模キャンプ場

清ヶ浜の隣に位置する小高い丘に立地。サイトは5サイトのみ。棚田状にレイアウトされているため、プライベート感が味わえる。

ABUキャンプフィールド KIYOGAHAMA BASE
住所:山口県阿武郡阿武町奈古3762-10
電話:050(3555)8063
営業時間:通年
定休日:水曜
阿武町のお土産

阿武町の酒蔵、阿武の鶴酒蔵とコラボして作ったキャンプ場限定の日本酒「ABUのつる」。700円。

特産のキウイフルーツを使ったクラフトビールなども販売。左の「ウィート」はキャンプ場限定品。各700円。
駅前キャンプを楽しむ3か条
1 食材は現地調達で荷物を減らす。
2 素材の味を活かしたシンプルな調理方法で新鮮な地元食材を満喫。
3 自転車をレンタルして行動範囲を広げ、現地の自然を体感しよう!
※構成/松村由美子 撮影/作田祥一
(BE-PAL 2025年11月号より)







