自分でできる!薪ストーブの掃除&メンテナンスの方法 | 薪ストーブ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2020.06.11

    自分でできる!薪ストーブの掃除&メンテナンスの方法

    私が書きました!
    自然派ライター/セルフビルダー
    和田義弥
    1973年生まれ。旅、アウトドア、DIY、田舎暮らし、家庭菜園などのジャンルで活躍するフリーライター。これまで延べ3年3カ月かけてオートバイで世界一周したほか、自転車ではアラスカ、フィリピンを野宿ツーリング。2011年から茨城県筑波山麓の農村で田舎暮らし。自宅のセルフビルドや野菜づくりなど、できることは何でも手づくりの生活を実践中。著書に「キャンプの基本がすべてわかる本」(枻出版社)、「野菜づくりを基礎から学ぶ 庭先菜園12ヵ月」(実業之日本社)、「ニワトリと暮らす」(地球丸)、「菜園DIY入門」(地球丸)など多数。 http://www.wadayoshi.com

    今年は暖冬だったわりに春は短かった。3月に25℃を超えるような夏日があったと思ったら、5月に入ってから10℃に満たない冬のような日が何日か続いたりして、うららかな春の陽気をあまり感じないうちに、冬から一気に初夏になってしまったような気がする。10年近く薪ストーブを使っているけれど、関東の平野部にある我が家でアヤメの咲く季節に薪ストーブを焚いたのは初めてだ。

    薪ストーブの掃除はお早めに

    そんなあやふやな気候だったから、例年であれば4月中旬に焚き納めをして、5月の連休には薪ストーブのメンテナンスをするのだけれど、今年はそれができなかった。で、そうこうしているうちに間もなく梅雨の季節。こういうことはずるずるしていると、いつの間にか秋になっていて、薪ストーブが焚きたいのにメンテナンスができていないってことになる。これまでそういうことが1~2回あった。

    やばい、やばい。そろそろやらなくちゃ。梅雨になって湿度が上がると薪ストーブの中に残っている灰が湿気を吸うし、鉄の本体には茶色い錆が浮いてくる。焚き納めした薪ストーブをほったらかしにしていいことはない。

    それに、火を焚かない夏の間も薪ストーブはインテリアとしてそこにあるのだから、ガラスが煤で曇ったままじゃパッとしない。くすんだ鉄の本体も、専用のポリッシュ(磨き、艶出し材)を塗って磨いてやれば艶やかな輝きを取り戻す。メンテナンスをしたあとの薪ストーブはほんと見ていてうっとりしちゃう。車好きの人が洗車したあとの愛車を愛でるような、刃物好きの人だったら研ぎ終わったあとのナイフの輝きに目を細めるような、そんな心境になれるのです。

    定期的なメンテが道具の寿命を延ばす

    薪ストーブは大変アナログな道具だ。アウトドアギアや自転車などと同じで、その性能を十分に発揮させて、快適に使い続けるためにはメンテナンスが欠かせない。小さな傷みをそのままにしてしまうと、それがいつの間にか広がって道具の寿命自体も短くなる。そうしないためにも年1回のメンテナンスはとても大切だ。

    では、薪ストーブのメンテナンスとは、そもそも何をするのかというと、要は掃除である。煙突の内側にこびりついた煤を落とし、火室の灰をきれいにして、ガラスと本体を磨き上げる。たったそれだけ。そうやって薪ストーブを注意深く見てやると、ガスケットがへたっているなとか、煤の具合から薪の燃やし方がよくないなとか、そういうことにも気が付く。

    道具でも、車でも、自転車でも、何でもそうだが、掃除をしてやることが不具合を未然に防ぐいちばんのメンテナンスなのではないか。

    屋根に上って煙突の中をブラシでお掃除

    薪ストーブのメンテナンスで、まずやるべきことは煙突掃除。脚立を立て、グリップの利く足袋をはいて、屋根によじ登る。もちろん煙突掃除用のブラシも忘れずに。それから煙突トップを外し、中にブラシを突っ込んで掃除する。

    ブラシは連結式のロッドの先にワイヤーブラシがついているものが一般的だが、私は、長いロープにおもりとブラシが付いたものを使っている。これを煙突の中にするするとゆっくり下ろしていき、ストーブに届いたら今度はゆっくり引き上げる。勢いよくやるとおもりでストーブを傷つける恐れがあるので慎重に。

    煙突掃除前。煙道に煤がこびりついている。

    煙突掃除後。2~3回ブラシを上下させれば、こびりついた煤はきれいに落ちる。

    ブラシの上げ下げを3回繰り返し、煙突の中をLEDのライトで覗いてみて、黒い煤がきれいに落ちていたらOK。

    煙突トップについている煤もワイヤーブラシできれいに落として、元通りにはめたら滑落に気をつけて屋根を降りる。

    煙突の掃除を怠って、煙道に煤やクレオソートがたまると排気が滞ってよく燃えないばかりか、最悪の場合、火室で燃える火がクレオソートに引火して煙道火災を引き起こす恐れもある。そういう安全面からも年1回のメンテナンスは必須なのである。

    煤を見れば、薪の燃え方の良し悪しがわかる

    煙突の掃除が済んだら次は本体。部屋を汚さないように薪ストーブの周りに新聞紙やブルーシートを敷いて、粘着テープでしっかり留めておくように。

    ドアを開けると、煙突から落ちてきた煤が火室にたまっている。それがたっぷり山になっていたり、塊があったりしたら 薪がよく乾燥していなかったか、焚き方が悪かったか、何らかの原因で薪ストーブの性能を十分に発揮できていないかもしれない。我が家の場合、上手に薪を燃やせていれば、煤は片手に載るくらいの量でさらさらとしているのだが、今年はやや量が多かった。

    ドアの内側のガスケット。交換を要するほど消耗はしていない。

    煤と灰をきれいに掻き出したら炉内の掃除は終了。ドアの締まり具合を調整して、ガスケットがヘタっていたら交換をお忘れなく。

    我が家にはセルフビルドした母屋と仕事場にしている古民家に、それぞれ薪ストーブがあるが、1台は排気をよりクリーンにして、燃焼効率を高めるための触媒付きモデル。天板を開けて、それもチェックする。触媒はハチの巣状になっているので、灰で目詰まりしていればブロワーで吹いてやる。触媒は消耗品で交換目安は4~8年。まだ、数年は使えるので、掃除をしたら元通りに戻しておく。

    本体に錆が浮き始めていたらワイヤーブラシで落とす。最後にストーブポリッシュで全体を磨き上げ、窓をきれいに拭いたらおしまい。

    メンテナンスって、なんというか作品を完成させたような達成感がある。くたびれた道具がよみがえるのもうれしい。これで、今シーズンも安心して冬を迎えらえる。

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