焚き火のための「薪割り」をしよう!倒木の再利用プロジェクト、始動!

2020.06.24

私が書きました!
日本焚き火協会会長
猪野正哉
焚き火の素晴らしさを伝え、もっと身近に感じてもらえるように活動。焚き火検定やイベント開催に向け準備中。またアウトドアプランナー/焚き火マイスターとしても活動し、千葉県千葉市でアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ <いの> 」の運営・管理も務める。

伐採された木を再利用

またひとつ、林が消滅した……。

たき火ヴィレッジ <いの> がある場所は市街化調整区域になっており、住居や建物を建てる規制や制限が厳しく、いまだに自然豊かなエリアになっている。しかし、近年は大型車の駐車場やスクラップ置場などが乱立し、のどかな景観も失われつつある。人が生活ためには仕方がないことだが、もう少し自然と共存共栄できたらと思う。

上記の写真も台風の倒木が酷かった場所で、倒木だけを処理するのではなく、更地になってしまった。もうここに木が植えられることはなく、無機質な背の高いフェンスが並ぶはずだ。何十年もかかって育った木々が一瞬でなくなってしまうのは、どこか寂しい。せめて伐採された木が再利用されていることを願うばかりだ。

木を薪にする手間と時間

敷地内で倒れた杉の木。

じつはキャンプのなかで一番、贅沢なアイテムは薪かもしれない。お金を払って、燃やしてしまうのだから(笑)。その有難みを知ることと倒木の再利用プロジェクトのひとつとして、薪作りにチャレンジ。本来なら乾燥している時期に薪にするのがベストだが、今回は実験的に体験してみた。

チェーンソーで薪のサイズにカット

順調に育っていても虫が入ってしまうとアウト。

倒木の原因として強風、突風もあるが、幹に虫が入ってしまうと空洞ができ強度がなくなり、ダメ押しになってしまう。また表皮の内側はフカフカになり、売り物にもならなくなってしまう。

安全第一で作業を。

倒木を薪にするには、まず木をある程度の大きさにカットする必要がある。そこで便利な道具がチェーンソー。これを扱う際は、細心の注意を払わない。イメージが湧きやすいと思うが、下手をすると大ケガをしてしまうこともある。

なかでも、立ち木の伐木は経験と知識がない限り、手を出さないほうが良い。私も経験不足のため熟練者立ち会いのもと作業を行っている。ただ切るだけでも集中力と腕の力が奪われていく。

木のサイズに合わせて斧を使い分ける

この3本があれば、薪割りもスムーズ。

私自身でやるワークショップで最も盛り上がるのが、薪割り。火起こしでないのが残念だが、子供から女性まで夢中になる。一見、危険なイメージだがコツと基本動作さえしっかり覚えれば、楽しめてしまう。

まさに一刀両断の瞬間!

薪割りをする際は周囲を確認すること。基本、薪が前方に飛ぶことはないので、人がいる場合は前に居てもらうようにする。斧を使うときは滑り止めのある手袋か柄を握ってみてしっくりこないようなら素手でもいい。滑って斧が飛んで行ってしまうことだけは避けよう。

薪割りの手順

大斧は力がいるので男性向き。

まずは丸太を4分割にする。この作業が一番、力と根気が必要だ。この斧は刃先の鋭さで割るというより重さの衝撃で割る感覚。少しでも亀裂が入れば、気持ちよくパカーンと割れる。

アウトドアショップでも良く見かけるサイズの斧。

斧の入れ方。木目に合わせるが大事。

中斧で4分割から8分割にする。大斧で割ったサイズでも薪としては使えるが、乾燥までに時間がかかるのと、着火に手こずる。この斧は刃先の鋭さで割っていくが、木目に合わせて振り下ろすことでより割れやすい。

力任せでなく木の特性を抑えておくことも重要。また「竹は穂先、木は根元から」という先人の言葉があるように、薪は根元から割ると割れやすい。

節がある割れにくい。

使い勝手の良い鉈があるとさらに便利。

鉈を使う際は、革手袋をはめておこう。

焚き付け用の細い薪も作っておくと、焚き火本番でのひと手間がなくなる。この鉈はデザインこそ野暮ったいが、数ある刃物のなかでもタフで万能。ホームセンターなどでは2,000円台で購入できる。

6月頃は湿気が多く、乾きにくい。

割り終わった薪は、風通しが良く、濡れない場所に保管する。地面に直置きしてしまうと水分を吸い上げてしまうので注意しよう。木に含まれている含水率を約20%になるまで乾燥させると、市販の薪のように使える。針葉樹と広葉樹で差もあるが、期間としては最低半年から1年はかかる。

薪割りを体験してみよう

この数年で薪の価格も上がっているが、この手間暇を考えると機械を使っていたとしても納得だ。このままキャンプブームが続いたら、日本の木がなくなってしまわないかとも思ってしまう。

倒木の再利用を考える日本焚き火協会としては、薪作りだけでなく、植樹活動も視野に入れていきたいところ。これからは木に感謝し、1本1本、大切に燃やしていこうと思ってしまったほどの体験でした。

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