東京で焚き火を楽しめる場所はあるか? | BE-PAL

東京で焚き火を楽しめる場所はあるか?

2020.11.09

私が書きました!
自然派ライター/セルフビルダー
和田義弥
1973年生まれ。旅、アウトドア、DIY、田舎暮らし、家庭菜園などのジャンルで活躍するフリーライター。これまで延べ3年3カ月かけてオートバイで世界一周したほか、自転車ではアラスカ、フィリピンを野宿ツーリング。2011年から茨城県筑波山麓の農村で田舎暮らし。自宅のセルフビルドや野菜づくりなど、できることは何でも手づくりの生活を実践中。著書に「キャンプの基本がすべてわかる本」(枻出版社)、「野菜づくりを基礎から学ぶ 庭先菜園12ヵ月」(実業之日本社)、「ニワトリと暮らす」(地球丸)、「菜園DIY入門」(地球丸)など多数。 http://www.wadayoshi.com

先日、都内のある出版社で若い女性の編集者と打合せをしていたとき、話の中で「キャンプって何が楽しいんですか?」と聞かれた。こういう質問をされると答えに窮してしまう。彼女は一見したところ洒落たカフェやバーなんかが似合いそうな可憐な方で、そもそもアウトドアにはあまり興味がなさそうだったから。

興味のない人にはどんなに言葉を尽くして説明しても、たぶん何も伝わらない。まして屋外で寝泊まりするキャンプや登山は、その経験がない人にとっては多分にきついイメージが先に立つ。何が楽しいのか、または楽しくないのかを、言葉で説明するのは難しい。一度体験して感じてもらう以外にない。そう答えて、その場の話はさらりと流れたのだけれど、改めてキャンプって何が楽しいんでしょうね。

東京でバーベキューができる公園

今、私は茨城県の農村でカントリーライフやっているけれど、10年ほど前は東京近郊の住宅地に暮らしていた。マッチ箱のように小さくて古い借家で、8坪ほどのささやかな庭に菜園を作って遊んでいた。

その借家には4年住んだけど、今考えると菜園で土いじりをしているほかは家に居て心から楽しめることが何もなかったような気がする。自然やアウトドア好きの人間はこういうところでは暮らせないのですね。だから、休日の晴れた日はどこかでアウトドア、雨の日はウインドウショッピングしていた。

都立水元公園。都内にあってこれだけ広い空がある。

都市生活をしていると公園を散歩するだけでも気晴らしになる。東京とその近郊は広くて緑豊かな公園が多い。そのとき住んでいた家から電車で数駅のところにある都立水元公園は、高木が茂る森と野鳥の集まる池があるなかなかいい公園だった。焚き火はできなかったけれど、バーベキュー場があり、料理のための火を焚くことは可能だった。池で釣りもできた。

いつも人は多かったけれど都心近くに住んでいて気軽に日帰りのデイキャンプを楽しめるという点ではいいスポットだった。あとで知ったのだけれど、バーベキューは機材がレンタルでき、食材も公園で手配できるとのこと。手ぶらでOKなんだ。

こちらは都心郊外の埼玉県にある公園のBBQ広場

東京でも自宅の庭で焚き火ができる?

その住宅地に住んでいたとき、庭にバーベキューグリル出してサンマを焼いたこともあるけれど、脂がのっていたものだから火があがって煙がもくもく出て、ちょっとあせった。ちなみに東京であれ、住宅地であれ、自宅の庭でバーベキューや焚き火を禁止する国の法律は、私の知る限りない。

法律で厳密に焚き火が禁止されているのは、国立公園などの特別保護地区(自然公園法)や原生自然環境保全地域(自然環境保全法)など、特に自然環境を保護する必要が求められる場所と都市公園の指定場所以外の場所(都市公園法)などだ。

庭でゴミを焼却するのは廃棄物処理法で禁じられているが、ここで言っている焚き火はゴミを燃やすという考えでやるものではないし、この場合の薪は焚き火というアクティビティのための燃料である。自分の庭なのだから直火したってかまわない。仮に千歩譲って薪を廃棄物と考えたとしても廃棄物処理法の条項には「たき火その他の日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なもの」はよしされている。

とはいっても、東京都内の住宅密集地で焚き火をすれば火災の危険性は高いし、煙や薪の燃える臭いが近隣の迷惑になる。そういうわけなので東京など都市部の自治体では、国の法律にはなくても大抵は条例で焚き火の禁止や規制が定められている。都市部では河原の焚き火も禁止されている場合が多い。確かなことはみなさんがお住まいになる自治体に問い合わせてください。

都内で堂々と焚き火がしたかったら、キャンプ場に行くしかない。23区内にもいくつかあるみたいなので、インターネットで検索すればすぐに見つかるはずだ。

東京西部のある河原。古い友人が近くに住んでいて、毎年遊びに行く。BBQも焚き火もOK。

東京に暮らしているからこそ、週末のキャンプと焚き火は楽しい

都心郊外に暮らしていたときの私がそうだったけれど、結局、焚き火をしたければ街を出てキャンプに行くしかなかった。都会に住んでいて週末の休みに気持ちを高ぶらせてキャンプに出掛けるのは楽しい。暖かい季節は、ほぼ毎週のようにそんなことやっていても飽きなかった。

でも、田舎に暮らしてアウトドアクッキングも焚き火も庭で誰にも迷惑かけずにできるようになると、パタッとキャンプに行かなくなった。知らない土地に行ってテントを張って一夜を過ごすのはいつでもやりたいイベントだけど、カントリーライフやるとそれ以上に家での雑事と仕事と楽しみがたくさんあるから。

畑やって、木工やって、愛犬と野山を散歩して、家や道具の不具合直して、ニワトリとヤギの世話して……。で、1日たっぷり汗かいて、火が暮れたら焚き火して、ビール飲む。キャンプに行かなくても家で最高の時間が過ごせちゃう。街に暮らしていたときは、非日常だったことが日常になってしまう。街の小さな家に住んでいると息が詰まってしまうけれど、豊かな自然と広い庭のある田舎の日常に飽きることはない。

つまり、キャンプって何が楽しいのかと問われれば、楽しさうんぬんではなくそういう暮らしを体が求めているってことなのだ。そうじゃない人はたぶんブームとともにキャンプ場から去っていく。

一方で、本当に自然の中で暮らしたくなったらカントリーサイドに来たらいい。キャンプ場に行かなくたって庭にファイヤープレイスこしらえて自分の好きなように焚火ができますよ。

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