登山での緊急時や幕営にも使える「ツェルト」その使い方とは? | BE-PAL

登山での緊急時や幕営にも使える「ツェルト」その使い方とは?

2021.05.25

登山において必携の装備「ツェルト」。常に持ち歩かないといけないという意識を持っている方も多いと思います。ツェルトは危急時にしか使わないと思っている方も多いようです。しかし、危急時以外にも使える場面はたくさんあります。今回はそんな「ツェルト」の使い方をご紹介します。

ツェルトとは?

ツェルトを広げると1枚の大きなシート。

ツェルトとは簡単に言えば、防水、撥水性のある大きなシートの事をいいます。この大きな1枚のシートは、危急時以外にもいろいろな場面で使うことができます。

ツェルトを使う場面とは?

1.緊急のビバーグで使う
2.テントの替わりとして使う
3.テント泊の物置きとして使う
4.山頂アタック時など荷物のデポで使う

その他にも用途はありますが、大きく分けると上記の場面で使います。

ツェルトの使い方

ツェルトを使う場面として上記に4つの場面を挙げました。その詳細について各場面ごと紹介していきます。

緊急のビバーグで使う

登山行動中において、様々な理由によってその日の行動を中止せざる負えない状況に陥ることがあります。そんな時に野営することを「ビバーグ」と言います。

ビバーグには「フォースト・ビバーグ」と「フォーカスト・ビバーグ」の2種類があります。フォースト・ビバーグとは、アクシデントや予想されなかった事態によってやむ負えなくビバーグをすることをいいます。

これに対してフォーカスト・ビバーグは、計画的にビバーグをすることを言います。例えば、山深い長いルートや挑戦的な難しいルートに行く際に、程よい幕営地がなく登山計画として野営することを言います。

ビバーグをする際には、雨風を極力避けられる場所を探すことが大前提です。しかし、そのような良い場所が常にあるとも限りませんので、一時的に風や雨による濡れ、または寒さを防ぐためにツェルトを使います。

ツェルトに包まるだけでも寒さや濡れから身体を守れる。

使い方としては、木や岩などにツェルトを覆い被せられるような場所があれば覆って、身体を休ませる場所を作る方法があります。最悪そのような場所がない場所では、ツェルトに包まるだけでも雨風や寒さから身体を守ることができます。

テントの替わりとして使う

ツェルトは300g前後でとても軽量なものが一般的。1人用のテントの1kg前後と比べると3割程度の軽さです。行動が長い縦走や、危険個所が続くような登山で荷物を軽くしたいときにテントではなくツェルトをテントの代用として使う場合があります。

著者の所有するツェルトは336g。

ツェルトの張り方

テント替わりに張ることもできる。

ツェルトとトレッキングポールが2本あれば、画像のようにテントとして使うことができます。ツェルトをテント替わりとして使う場合、軽くてコンパクトなので持ち運びが容易という最大のメリットがあります。しかし、テントと比べて「風雨に弱い」「結露がし易い」「快適性に欠ける」といったデメリットもあります。

特に風と雨は大敵です。トレッキングポールを細引き(太さ3~4mm程度アクセサリーコード)で引っ張り合って自立させているだけなので、少し強い風が吹くと簡単に倒されてしまします。また、別の登山者が細引きに足を引っ掛けて、倒してしまうこともあります。

底の部分は縛ってあるだけなので防水性は期待できない。

雨に関してもテントとは違い、底の部分は紐で縛っているだけなので、水が流れるような雨が降った場合簡単に浸水します。ツェルトをテント替わりに使う場合は天候や風なども考慮することが大切です。

テント泊の物置きとして使う

テント泊をする際に、ソロならともかく2人3人……と人数が増えるごとに荷物が増えて、テント内の居住スペースが狭くなった経験などはありませんか?

人数によってテントの数を増やすという選択肢もありますが、テント生活には不要な装備をツェルトに包んで、テントの外に出す方法もあります。一度幕営してしまえば、行動中にしか使わないザックや行動食、雨具、ヘルメットなどはまとめてツェルトに包んで外に出せば、居住スペースは格段に広がります。

ツェルトに不要なものを入れる方法

テント生活で必要ないものはすべて外に出すとテント内が広く使える。

まずは、ツェルトを広げてテント生活で不要なものを置きます。

荷物を入れて中の物が濡れないようにする。

次に、ツェルトの四隅を持ち上げて、中のものが出ないように包み込んで束ねた部分をねじります。

クローブヒッチで縛ればほどけにくい。

ねじった部分にスリングなどをクローブヒッチで結んで完成です。こうすることで雨が降っても中のものが濡れる心配はありません。

山頂アタック時など荷物のデポで使う

登山時に「一定の場所」から、山頂だけ往復する場合などがあります。ザックごとそのまま置いていくような近い場所では問題ありません。しかし、少し距離がある場合、幕営用具や調理器具など、登山行動では使わない重たい荷物を置いて山頂に向かうケースにはツェルトが有効です。このように、登山で荷物を一時的に置いておくことをデポ(デポジット)と言います。

小分けにした荷物をバラバラおいていくのは盗難の可能性もありますし、見栄えも悪いので、ツェルトに包んでデポしましょう。やり方としては前述した「テントの物置として使う」の方法と全く同じです。

風が強い日などに軽いものばかりを入れる場合、飛ばないないように重たい石などを乗せておくといいでしょう。

まとめ

ツェルトのいろいろな使い方を理解していただけましたでしょうか?

今まで一度も使ったことがなかった……そんな人も少なくないと思います。危急時の備えとしてはもちろん大切ですが、その他にも有効活用ができます。

現地でいきなり使おうとしても、なかなか使えるものではありません。一度ツェルトを広げていろいろなことを想定して、ご自宅やお庭などで使ってみてください。

私が書きました!
山岳指導員(アルパインクライミング)
ミツル
山と自然に囲まれた長野県在住。登山では日本体育協会公認・山岳指導員(アルパインクライミング)の資格を持つ本格派。登山、バックカントリー、フリークライミング、アルパインクライミング、沢登りと山に関する遊びが生きがい。2児の父親をしながら、アウトドア系のフリーライターとして活躍中。
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