カヤックとパックラフト、夏アウトドアで活躍する水辺の旅道具2つ | 海・川・カヌー・釣り 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2021.08.22

    カヤックとパックラフト、夏アウトドアで活躍する水辺の旅道具2つ

    夏のアウトドアの王道といえば海旅&川旅。今回は僕がイチオシする水辺の旅道具を紹介!

    海を旅するヤタガラス

    Sea Kayak

    グリット/ヤタガラス

    人力旅専門店『SOUTHERN WORKS』の松本哲也氏がプロデュースするフォールディングカヤック。2018年に登場したフジタカヌーの『ALPINA-1・480』をベースに本格的な海洋ツーリング用に艤装を変更。これから海旅を始めたい人の相棒となるモデルとした。
    ¥391,600~
    問い合わせ先:サザンワークス 092(332)8393
    SPEC
    ●全長=480cm
    ●全幅=62cm
    ●重さ=16.5kg(ラダー未装着)
    ●収納サイズ=100×37×32cm
    ●付属品=収納バッグ、シーソック、フットマット、シート、ノーズガード、コーンドライバッグ、修理キット、説明書&DVD

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    久しぶりに登場した
    本格的な海旅カヤック

    野宿道具と飲料水、そしてカリブ産のラム酒を積み込み、自分の力で海を旅する……。そんな自由で冒険的な旅のために登場したのがコイツ。その名を『ヤタガラス』という。

    これは国産のフジタカヌーの『アルピナ1』をベースに艤装関係を特注したモデルで、プロデュースしたのはシーカヤックガイドの松本哲也さんだ。

    松本さんは僕の古い海旅仲間でもあり、一緒にあちこちの荒波を越えてきた。だから全面的に信頼を寄せているのだが、この艇には旅人目線の独自設計が盛り込まれていて感心する。荒波の中でのコントロール性を向上させるリアラダーはもちろん、セイリング用の帆が取り付けられたり、パドリング中に使いたい装備が機能的にレイアウトできるようになっているのだ。

    そして最大の強みは折りたたむと170サイズ(3辺の合計が170cm以内)に収まること。これによって「ゆうパック」が利用でき、日本各地の離島に送り出すことができるし、電車やバスで運ぶことだってできる。

    日本は6000余りの島が連なる海洋国家。現代に舞い降りた八咫烏の背に乗って広い海を旅して回るのはどうだろう。

    ここがスゴい!

    強度と軽さを持つ
    アルミ製の骨格

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    本体骨格は高強度なアルミポールと6枚のリブで組まれ、強大な波の力に負けない設計になっている。船底にも追加フレームが備わり剛性を向上させている。

    実践的で使いやすい
    デッキの艤装

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    下半身が艇と完全に一体化するカヤックでは、いったん離岸すると身動きが取れない。それだけに機能的な艤装とレイアウトが重要。安全航海にも繋がる。

    170サイズだから
    ゆうパックで送れる

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    旅の機動性を考えるとゆうパックやヤマト便を使って全国に送れることは大きなアドバンテージだ。装備重量も20㎏を切るので背負って歩くこともできる。

    V S

    川を旅するゴムいかだ

    Packraft

    ココペリ/リーコン

    ココペリ社のパックラフトの中では最も激しい流れに対応できるモデル。高圧で膨らませられるので剛性が高く、適度な自重があるため軽量モデルが捕まってしまうような流れにも対応可能。パックラフトとしては重いが、本体8.1kgと、カヤックの半分程度しかない。
    ¥112,200
    問い合わせ先:モンベル・カスタマー・サービス 06(6536)5740
    SPEC
    ●全長=229㎝
    ●全幅=94㎝
    ●重さ=8.1㎏(本体のみ)
    ●収納サイズ=76×30㎝
    ●付属品=フロア、ハンドポンプ、シートバック、コンプレッションストラップ、リペアキット

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    激流にも突っ込める
    突破力の高いラフト

    一方、日本中の川を旅することができるのがこちら。UL系ハイカーのあいだで人気上昇中のパックラフトである。

    ただ僕自身はこれまであまり積極的にパックラフトを使ってこなかった。携行性重視の、あまり極端に薄くて脆弱なモデルが多く、本格的な川下りに使う気にはどうしてもなれなかったからだ。激流が渦巻く自然の川で「ゴム風船」のようなモデルに身を委ねるのは正直怖い。

    そんな中、登場したのがこのリーコンだ。船体に1000D(デニール)のPVC素材を採用しているので高圧で膨らませることができ、剛性が高い。さらに岩などとの接触にも安心だ。また、セルフベイラーという自動排水機構を備えているので漕行中に水舟になる心配がなく、4級の瀬まで安心していける。

    僕は去年の夏、北海道の歴舟川をこいつで下った。オジロワシが空を舞い、クマが河原を歩く原始の川だ。護岸されていない川の風景を堪能し、焚き火中心のワイルドな野宿を楽しんだ。

    積める荷物の量に限界があるので極限まで荷物を減らすパッキングが必要だが、背中に担いで川から川へと渡り歩ける自由は何ものにも代えがたい。

    ここがスゴい!

    付属ポンプで
    簡単に膨らませる

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    組み立ても撤収も、ものの数分。なお、今季よりフットポンプからダブルアクションの高圧ポンプに変更になり、より一層スピーディーに空気が入れられる。

    セルフベイラーで
    激流にも対応

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    艇底に空いた穴から自動的に水が排出されるのでいくら水を被っても水舟になる心配がない。艇内にはエアマットが入るので通常はお尻が濡れることもない。

    船底は強化され
    浅瀬でも安心

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    本体は切り傷や摩耗に強い1000DのPVC素材を採用。加えてボトムはケブラー繊維で補強されているので浅瀬や水量の少ない川での安心感が非常に高い。

     

    ※撮影/中村文隆

    (BE-PAL 2021年7月号より)

    私が書きました!
    ホーボージュン
    大海原から6000m峰まで世界中の大自然を旅する全天候型アウトドアライター。Twitterアカウントは「@hobojun」。

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