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ザクロの英名はPomegranate
葉は長楕円形。6月ごろ筒形で多肉質の萼(がく)をもつ橙赤色の花をつける。果実は球形で紫紅色に熟すと裂けて種子が現われる。果実の外種皮を食用に、樹皮を駆虫薬に用いる。ペルシア地方の原産。せきりゅう。じゃくろ。
かすかに赤っぽい、手作りのリキュール。色も味も、上出来のグレナデンだ。
ザクロはミソハギ科の落葉小高木で、イランなどの中東が原産だ。日本には平安時代に渡来したというが、人類が最も古くから栽培した果物だという。
初夏に咲く花は美しい橙赤色で、緑の葉の中によく目立つ。
秋にはこぶしぐらいの大きな実をつけるが、なぜか干からびた実が冬までぶら下がっているのを、ときどき見かける。
ザクロの実は完熟すると、果実の分厚い外皮が自然に裂開し、赤く多汁の外種皮に包まれた多数の種子が現われる。
ザクロの果実は種子が多く、おまけに猛烈にすっぱいから、とてもおやつには向かない。
東南アジアでは、道沿いにザクロジュース売りがいて、手軽に楽しむことができるという。ただ、すっぱさ……は、どうなんだろう。
家内が友人から外皮の裂けた大きな実をふたつもらってきた。種子をつまみ出して食べてみると、猛烈にすっぱい。
そうだ、果実酒にしてみようと、ガラスの空き瓶にホワイトリカーと種子を入れ、すっぱさを消そうと氷砂糖を入れて作ってみた。
半年ほど熟成させたら、うっすらと赤っぽくなった。リキュールのグレナデンはザクロの果実酒だが、私のリキュールはアルコールの度数が高いのと、氷砂糖が多かったせいか、少し甘すぎたがとても美味しいのだ。
かつて日本では、ザクロの樹皮を生薬ザクロといい、条虫駆除薬として用いていたが、衛生環境が改善された現在では用いることはないようだ。
今では品種改良されたヒメザクロ、別名チョウセンザクロやナンキンザクロなどと呼ぶ矮性種もあって、盆栽などに利用されている。

初夏に咲くザクロの花。

果実の外皮は自然に裂開する。

珍しい外皮の白い品種。

私の手作りグレナデン。味は……へへへ。
※酒税法には自家醸造の例外(例外的に製造行為としないこと)がありますが、材料によっては製造を禁止するものもあります。自家製の果実酒などを作る場合は事前に調べましょう。
(BE-PAL 2025年12月号より)








