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旅情とアクティビティーを満喫! ローカル鉄道の駅前キャンプ
私たちが行ってきました! 山川泰明、夏美、ことは

山形在住ライターと家族(娘5歳)。車社会で生活しているため「電車で移動」と聞くだけで身構えてしまう。娘は保育園の散歩で低山登山に行くほどのアウトドア派に成長している。
ブドウ畑見学をした後は、お待ちかねのBBQタイム
地方に住む私たちは、コンビニに行くのですら車移動。仕事も保育園の送迎も車。普段の生活で交通機関を使って移動するなんて滅多にない。だからこそ娘に「電車移動」を体験させたいと考えた。しかし問題も多い。
最大の問題は荷物の量。どうしたって荷物が多くなる子連れ旅。しかも今回はキャンプを考えている。子供がいると1泊でも着替えは1組で足りないし、車なら無限に積める遊び道具も厳選しなければならない。
解決策として、キャンプ場選びにこだわってみた。まずは手ぶらで行けること。キャンプ道具は一式持っているが、今回はすべてレンタルにする。夕飯もキャンプ場で準備してもらうようにし(もちろん“おいしい”は絶対条件)、荷物は山岳用のコンパクトな調理用具と着替えだけに。遊び道具を持っていけない分、テーマパーク型の施設を選び、現地で楽しむ作戦にしたい。このふたつの条件を満たしたキャンプ場を岩手県陸前高田市で見つけた。あの飲食チェーンを展開する「ワタミ」が農業テーマパークとして手掛ける「ワタミオーガニックランド」だ。
野菜収穫体験に地元食材を味わうBBQ。しかも駅から徒歩10分の好立地。これはいけるぞ! と思ったところで娘から「え〜車がいい」との返事。どうしたものか。前途多難な予感?
それぞれがリュックに自分が持てる範囲の荷物だけを入れ、電車を乗り継ぎやってきた。
キャンプ場に着いたら、早速ハンバーガー作りで「自分でご飯を作る楽しみ」を味わい、スタッフの方と共に畑へ。ハンバーガーにも挟んだリーフミックスのほかピーマン、サツマイモの収穫体験をさせてもらう。無料でできるのはありがたい。
「ピーマンにカエルがいる!」
有機農業なので、カエルもいるし、虫もいる。土壌が健全な証拠と教える機会にもなった。
ブドウ畑見学をした後は、お待ちかねのBBQタイム。収穫したピーマンとサツマイモも出していただいた。「岩手めんこい黒牛」などのお肉たちと自家製の焼き肉タレの組み合わせが最高! 岩手県産ひとめぼれ米には、三陸産のワカメが混ぜてあって、普段はお米をあまり食べない娘がお肉より先にご飯をペロリ。食の細い娘が食べるということは本当においしい証し。キャンプ場で食べる夕飯の域を超えるクオリティーの高さだ。
共に歩き、体験し、たくさん笑った。普段はしない交通機関移動そして体験づくしのキャンプ。大人には何でもない経験も子供には大きな糧になる。つい「大変だから」と敬遠しがちだが、一歩踏み出せば、いつもより眩しい娘の笑顔が見られるのだと改めて思わされた旅だった。

JR大船渡線BRT 奇跡の一本松駅から徒歩10分

東日本大震災で被害を受けた大船渡線の復旧手段として導入されたBRT。ここは2013年に新設された。
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道の駅のある駐車場から交差点に入ると看板を発見。あとは目の前の道を真っ直ぐ進む。迷わずに行ける。
絶品! ハンバーガー作り

ランチはハンバーガー作り体験(1人1800円)を予約。準備された食材を焼いて自分で挟んで作る。「ありすポーク」を使った手ごねパテは150gの大ボリューム。野菜用、パテ用の2種類のソースが味の決め手。


おいしすぎる〜!

忘れられない!。
ワインになるブドウ畑見学

復興を象徴する事業のひとつとしてゼロからワインを作る取り組みを行なっている。今年は500本のワインになる予定。5000本の生産を目標にしているそうだ。


甘みもある〜。
【立ち寄りスポット】奇跡の一本松がある駅

JR大船渡線BRT(バス高速輸送システム)の駅。東日本大震災時に唯一残った「奇跡の一本松」を訪れる観光客のため2013年に新設された。


【立ち寄りスポット】徒歩17分の距離にスーパーあり

スーパー近辺は100円ショップやコンビニも。週末はマルシェも開催している。陸前高田駅が近いので、こちらの駅を利用するのもあり。
ワタミオーガニックランドとは?

東日本大震災で被害を受けた陸前高田市に2021年4月にオープン。農業や環境エネルギーなどが学べる場として、土づくりから始め、食べて見て楽しめるプロジェクトを展開する。
有機野菜の収穫を体験



地域の資源循環をテーマにした土づくりのもと、季節の野菜を育てている。収穫時期を迎えた野菜があると「収穫できますよ」とスタッフから誘ってくれる。無料で体験可能。

岩手の食を満喫する豪華バーベキュー

ボリュームたっぷりの手ぶらBBQは1人3500円。岩手めんこい黒牛、県内産豚バラ肉、ウインナーも県内産が味わえる。自家製タレも絶品。準備、片付けはやってもらえる。

イルミネーションで夜を楽しむ

場内の電気はソーラーシェアリングで賄っている。その電気を使い18:30〜21:00までイルミネーションを点灯。キャンプ場では珍しいイベントに、娘も大興奮していた。

朝食は山岳用のコンパクト調理用具で
前日にスーパーで買った食材で簡単な朝食。山登りで使う軽量コンパクトな調理用具なら、交通機関移動でも持ち歩ける。クーラーボックス代わりには保冷バッグを使った。

今回の宿はレンタルテントで!

ファミリーテント、寝袋、マット、テーブル、チェア、ランタンをレンタル。清潔に保たれていて、気持ちよく使えた。むしろ快適! 立て方が不安なときは教えてもらえる。

山川家の必需品3選
【父’S】ハンドドリップコーヒー

父は、朝に飲むコーヒーだけはこだわっている。ドリッパーとコーヒー豆、ミルを持ってきて淹れてくれた。いい目覚め!
【母’s】ホットサンドメーカー

ホットサンドメーカーをフライパン代わりにして朝食作りをした。パンも焼きやすく、フライパンよりも意外と便利に使える。
【娘’s】シール帳

娘がハマっているシール帳は絶対持っていきたいとのことで、自分のリュックに入れてきた。眺めているだけで楽しいそう。
オーガニック農業がテーマ!
ほしぞらファミリーキャンプ場
住所:岩手県陸前高田市気仙町土手影309
電話:0192(53)2107
料金:3,000円〜
営業:通年
予約:随時
テントサイト:25
その他の宿泊施設:0棟
DOCOMO
au
SoftBank
- ネット予約可能
- 温水洗浄便座あり
- バリアフリー
- 温水が出る
- 器具による焚き火OK
- ペットOK
- キャンプ用品一式のレンタルあり
駅前キャンプを楽しむ3か条
1 食も含めて手ぶらで行けること
2 キャンプ場にアクティビティーがあること
3 各々がキャンプに欠かせないアイテムを持っていくこと
※構成/中山夏美 撮影/高橋郁子
(BE-PAL 2025年11月号より)







