福島県・猪苗代町にて、安達太良山を歩きつつ野湯へ
コースタイム:30分
標高:1,260m
総距離:2㎞
左:マイケルさん
「ワオ、 ワンダフル!」
26歳、デンマーク出身。職業はマーケティングアシスタントとサッカーコーチ。「滞在中は自国との文化の違いに触れてみたい」
右:ソルベークさん
「忘れられない思い出できた♪」
29歳、フランス出身。神社仏閣・風景など日本の文化が大好き。「日本といえば温泉。大自然の中での入浴がとっても楽しみです」
ガイド 大友佑樹さん
磐梯朝日国立公園内の自然体験を提供する、総合アウトドアアクティビティセンター&カフェ「Cafe & activity nowhere」を運営。
いざ、沼尻温泉元湯へ!
約3000か所の温泉地を有する温泉大国ニッポン。温泉を楽しみにする訪日外国人も多い中、さらにディープな体験をしてみたいと沼尻高原での野湯体験ツアーへ訪れたのは、デンマークから来たマイケルさんだ。
「自然の中に自噴する『野湯』の存在を知って、これはエキサイティングな体験になるし、いい土産話にもなると思って参加しました」
そしてこの日のもうひとりの参加者は、フランス人のソルベークさん。
「安達太良山のハイクを楽しみながら絶景を見たり、野湯に浸かって自然を体感してみたいと、今日ワクワクして来ました」
案内人はカフェを経営するかたわら、「エクストリーム温泉」ガイドツアーを主催する大友さん。野湯がある沼尻元湯付近には、有毒な硫化水素ガスが発生しているのでガイドは必須だ。
さて、午前9時10分に集合し、出発前のストレッチ運動。今回歩くのは元湯までの約2㎞だが、ガイドがいれば通れる場所もある、手頃な約30分のルートだ。
温泉の配管脇に沿い、歩幅ほどの細い山道を慎重に歩くふたり。そして歩くこと、約10分。前方に雲の隙間から磐梯山が顔を出した。「ビューティフル!」とスマホを取り出し暫し撮影タイム。すっかりテンションが上がってきたふたりは、V字谷と温泉が流れる川に辿り着いた。
マ:「川がブルーだ♪」
ソ:「オーマイ・ゴッド! この川は普段もこんな色なの?」
大:「いえ、その日の気温によって緑、乳白色などに変化します。今日は天気もいいので、キレイな色になっていますね」
その後、河原に降りて温泉に触れたりしながら歩くと、あっという間に硫黄川と沼尻温泉の源泉が交わる元湯へ到着。大きな岩が転がり、黄色や白色の地肌が剝き出しになった大地に湯気をあげながら大量の温泉が流れ落ちている。
大:「お疲れさまでした。入浴スポットに到着で~す」
マイケルさんは水着姿になり、躊躇なく全身どぼ~ん。滝つぼに座り、打たせ湯を楽しむ。一方のソルベークさんも足湯を満喫している。
マ:「ワンダフル! 日本の温泉には何度か入ったけど、こんなに開放感がある体験は初めて」
「記念に写真を撮ってください」と大友さんにお願いしたソルベークさん。その後合流する友人に見せたいそうだ。
1時間ほど野湯を楽しみ、カフェに戻ってツアーは終了。芝の上に張られたテントで寛ぐソルベークさんと、元気いっぱい、マウンテンバイクで高原を滑走するマイケルさん。
日本の自然を体感できる最高の一日となったようだ。
野湯に向かって出発!
9:10
出発前のストレッチ
ツアー開始前、参加者全員でストレッチ。期待に胸をふくらませるふたり。
野湯の必需品
安全にツアーを敢行するため「硫化水素計」を携行する大友さん。濃度を常にチェック。
9:15
ツアー限定「沼の平ルート」から出発
源泉まで約2㎞の配管沿いを歩くルート。ガイドなしでの侵入は禁止されている。
9:20
温泉の配管から温度をチェック
源泉から中ノ沢温泉まで湯を送る配管に直接触れると、意外な温かさにびっくりするふたり!
崩落場所は慎重に
崩落で斜面が剝き出しになった箇所は、アルミ板やロープが設置されているので楽々クリア。
9:25
磐梯山を見渡す絶景ポイントで撮影
「結構歩いたかな?」と思う絶妙なタイミングで磐梯山の登場。絶景が心身を癒やしてくれる。
9:30
V字谷が見えると沼尻温泉元湯まであと少し!
前方にV字谷と温泉が流れる硫黄川が見えてくれば、沼尻元湯まであと少し!
温泉が流れる硫黄川発見
太い配管の先に美しいブルーの川が。期待からか足速になっていく。
9:35
河原へ降りて温泉に触れてみる
河原へ降りて湯の川とご対面。気温や季節によって色が変わるのも自然の神秘。
Gooal!
9:40
適温の入浴スポットに到着!
お目当ての野湯に到着。滝つぼで自然の湯を浴びてテンションMAXのマイケルさん。
これが沼尻元湯だ!
沼尻温泉元湯。昔はこの深い谷に数軒の温泉宿があった。
猪苗代の銘菓とお茶でいっぷく
元湯に到着した後は草餅と菱茶でおやつタイム。ふたりの会話も弾む。
河原で発見! 字が書ける不思議な石
元湯で拾った赤い石で字が書けると聞いて、ノートに自分の名前を書くソルベークさん。
12:00
マウンテンバイクやテントを楽しんで……
カフェに戻り昼食をとった後は、店先の張られたテントで寛ぐソルベークさん。開放感あるサイトにご満悦。
カフェでまったり
ツアーの受け付けはコチラ
Cafe & activity nowhere
住所:福島県耶麻郡猪苗代町蚕養沼尻山甲2864
電話:0242(93)7081
営業時間:10:00~16:00
休日:火、水、木曜
エクストリーム温泉ツアー/6,600円~24,200円(1名あたり。参加人数により変動)
HP:https://www.numajiri-lodge.com/nowhere/
※構成/渡辺裕美 撮影/小倉雄一郎
(BE-PAL 2024年10月号より)