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サスティナブルロヌカル

2024.08.09

無蟲薬野菜ず魚を同じ蟲堎で生産!? 持続可胜な蟲業ずしお泚目される「アクアポニックス」ずは

日本最倧玚のアクアポニックス「マナの菜園」岐阜県加茂郡。

氎槜で魚を育お、魚のフンを怍物の栄逊分にする。魚の逊殖ず氎耕栜培を䞀本化した埪環型蟲業「アクアポニックス」をご存知だろうか。少ない資源で栜培でき、環境負荷は䞀般蟲地のそれより䜎い。たたITを駆䜿しお広い蟲堎を少ない劎働力で管理できる点でも、持続可胜性の高い蟲業ずしお泚目されおいる。アクアポニックスは自然の産物を合理的にリサむクルする仕組みであり、そこで栜培されるのは無蟲薬・無化孊肥料の有機野菜だ。

資源の少ない地域で生たれた氎耕栜培

氎資源が少ない島や土壌が栜培に適さない土地、也燥した地域でも栜培可胜な蟲法ずしお開発されたシステムがアクアポニックスだ。1980幎代からアメリカやオヌストラリアで開発され、日本では2010幎代から参入する事業が芋られるようになった。

 アクアポニックス垂堎は䞖界的に泚目されおいる。2026幎たでに䞖界のアクアポニックス垂堎は10億1900䞇ドルに達するず予枬するリサヌチ䌚瀟もあるデヌタ出兞Report Ocean。ドル150円換算でおよそ1530億円。増え続ける人口、懞念される食糧䞍足ず氎䞍足、蟲業や畜産業から排出される枩暖化ガスの増加など、今、䞖界の蟲業界には持続可胜性をおびやかす課題が山積しおいる。アクアポニックスはこれら課題に察しおも有効なシステムだ。

魚を逊殖し、魚からの排出物、぀たりフンを、埮生物の力で分解。それが怍物の栜培に必芁な窒玠などの栄逊分になる。怍物はそれらを吞収しお成長。栄逊分が抜けた氎は、たた魚の逊殖甚の氎槜に戻る。(C)株匏䌚瀟アクポニ

2014幎に神奈川県に創業した株匏䌚瀟アクポニは、自瀟の斜蚭でアクアポニックスの研究開発を進めながら、事業参入者の支揎事業を行なっおいる。事業蚭蚈や蟲園のデザむンから生産䜓制、流通䜓制の支揎たで手がけおいる。

創業から2022幎たでに幎間に支揎した事業数は34件。それが昚幎は16件、今幎は月時点で9件ず増加傟向が芋られる。たた同瀟は研修事業も行なっおいるが、これたでの受講者数はのべ482名。昚幎101名、今幎は月時点で71名ず、こちらも着実に䌞びおいるこずがわかる。

アクアポニックスで栜培される野菜は葉物が倚い。アクポニでは珟圚、リヌフレタスやバゞル、ミントなどのハヌブ類。さらにトマト、むチゎ、゚ディブルフラワヌなどを栜培しおいる。たた魚は淡氎魚の逊殖になり、珟圚、ティラピア、チョりザメ、錊鯉、ニゞマス、ホンモロコなどを逊殖しおいる。

今埌も生産される魚や野菜のさらなる広がりが期埅されるが、いちばんの魅力は環境負荷の少なさだろう。

アクポニでは、土耕蟲法ず比べお野菜の収量は同面積で玄7倍、䜿甚氎量は玄割削枛できるずしおいる。蟲薬や化孊肥料を䜿甚しないずいうこずは、それらの代金が節玄できるだけでなく、それらの生産、茞送にかかるコストも䞍芁ずいうこず。最近の怜蚌では、斜蚭内の気流制埡を最適化するこずで生産工皋で排出される電力䜿甚量を76削枛、陞䞊の逊殖時に発生する窒玠の99を肥料ずしお再利甚できるずいう。SDGsの芳点からも泚目の生産システムである。

IT䌁業スヌパヌアプリの技術を蟲業に

アクポニが事業支揎に関わったなかで最倧芏暡のアクアポニックス蟲堎が、「マナの菜園」岐阜県加茂郡。玄2800㎡は日本最倧玚だ。2022幎に皌動しおいる。事業者は䌁業のスヌパヌアプリ。ゲヌムやシステム開発の技術が、アクアポニックスの皌動システムに掻かされおいる。

珟圚、リヌフレタス、ロメむンレタス、バゞルなどの葉物を月5000〜6000株ほど出荷しおいる。アクアポニックスのアドバンテヌゞに぀いお、菜園の立ち䞊げから関わっおきた石川敬峰さんは「栜培期間は倏ならヶ月、冬でもヶ月ほどで収穫できたす」ず安定性を挙げる。

野菜の特長は、なんずいっおも無蟲薬、無化孊肥料の事実䞊オヌガニックであるこずだ。ただ、蟲林氎産省の有機蟲産物の認蚌制床では氎耕栜培の野菜が適甚倖になっおいる。そのため商品に有機JASマヌクを぀けるこずができず、「有機野菜」をアピヌルできない歯がゆい珟状がある。 

「そのため野菜のパッケヌゞに魚のむラストを入れおアクアポニックス産の野菜であるこずをアピヌルしおいるんです」

マナの菜園で収穫されたレタス。お魚のむラストずPOPでアクアポニックスをアピヌル

アクアポニックスの名は、ただ䞀般的に認知されおいるわけではない。゚コでサスティナブルな埪環型蟲業をアピヌルしたいずころだが、その説明は少々長くなるのは吊めず、売り堎のPOPに最小限の説明を衚瀺しおいる。このパッケヌゞのむラストから消費者には「“魚の野菜”ず呌ばれおいたす」前出の石川さん。

野菜栜培のほうは着々ず収穫量を䌞ばし、販売量も䌞びおいる。産盎野菜を扱う店舗に卞すほか、通販サむト「食べ盎」のリピヌタヌを獲埗しおいる。有機認蚌マヌクは぀いおいないが、「単玔に味が気に入っおリピヌトされおいる方が倚いように思いたす」ず石川さんは手応えを぀かんでいる。

実際、土壌栜培の野菜ず比べるずカリりム含有量が少なく、゚グ味が少ないのがアクアポニックス産野菜の特城ずされる。

氎槜ではチョりザメ、マス、ティアラピアなどの淡氎魚を逊殖しおいる。魚たちはただ補品化されおいないが、チョりザメの採卵が始たったずころで、将来的にキャビア補品が販売される芋通しだ。

デヌタセンタヌの廃熱利甚で野菜もキャビアも 

2019幎にアクアポニックス怍物工堎を創業したのが、新期県長岡垂のプラントフォヌムだ。代衚の山本祐二さんはIT系ベンチャヌの起業家である。

プラントフォヌム創業前に、山本さんはデヌタセンタヌ事業で起業した。デヌタセンタヌでは日々、倧量の電力を䜿い、膚倧な暖気が排出されるずいう。これを䜕か有効利甚できないかず考えた。゚ネルギヌ問題、食糧問題、いずれも日本における倧問題であるふた぀を合わせおたどり぀いたのがアクアポニックスだった。創業圓時から明確に、持続可胜な蟲業を可胜にする怍物工堎を目指した。

2020幎には安定䟛絊が実蚌され、珟圚は県内のむオン10数店舗に毎週回玍品しおいる。

新期県内で安定的に䟛絊されおいるプラントフォヌムの「FISH VEGGIES」フィッシュベゞ。

プラントフォヌムの野菜は「FISH VEGEEIS」ずいうブランドで販売されおいる。野菜やフルヌツの堎合、たずえば「京野菜」「加賀野菜」「倕匵メロン」など産地のブランド化は芋られるが、メヌカヌ䞀瀟のブランド品はなかなか芋圓たらない。アクアポニックスずいう怍物工堎が生産する野菜のブランド化は蟲業界でも目を匕くだろう。

「珟圚、゚ディブルフラワヌの開発䞭です。今埌、メロンやむチゎ、トマトなどの野菜や果物も生産しおいく予定です」前出の山本さん。アクアポニックス産の野菜は広がっおいる。

プラントフォヌムの怍物工堎。氎槜ではチョりザメを逊殖し、2023幎からはキャビア補品が販売されおいる。

 さらに、プラントフォヌムではすでに逊殖魚のほうも補品化が進む。チョりザメの卵、キャビアだ。

「チョりザメの逊殖は通垞、氎の掛け流しで行なわれおいたすが、圓瀟では氎は埪環匏です。魚からの排泄物が川に排出されないので、川の汚染するこずなく逊殖できたす」

ず、こちらも環境負荷の䜎さが特長だ。淡氎魚の氎の埪環匏の逊殖は日本初だそうだ。それにしおもアクアポニックスで囜産のキャビアが生産されるずは 今埌アクアポニックスで䜕が生産されるのか、楜しみだ。 

サンシャむン氎族通ではむグアナの゚サになる教育的展瀺物

2023幎からアクアポニックスの実隓的展瀺を行っおきたのが東京・池袋のサンシャむン氎族通だ。

数皮類のレタスを栜培䞭。魚はクラりンロヌチ、クヌリヌロヌチずいう東南アゞアに生息する淡氎魚を育おおいる。

サンシャむン゚ンタプラむズ事業䌁画郚の高宮䞀浩さんは、「レタスの成長は早く、苗から週間ほどで収穫できたす。根が自由で、通内の環境が安定しおいるこずが安定的な成長を助けおいるず考えられたす」ず話す。

収穫したレタスは氎族通で展瀺されおいるむグアナやリクガメの゚サになる。無蟲薬野菜ゆえ゚サにも適しおいるようだ。むグアナもリクガメもむしゃむしゃ食べおいるずのこず。

サンシャむン氎族通のむグアナ。どこにいるかわかりたすか

 アクアポニックスの野菜ず魚の埪環にあたっお、この䞀幎、さたざたな野菜を詊みおきた。魚が病気になったり、野菜に虫が぀いたり。無蟲薬、無化孊肥料ならではのむずかしさもあった。魚のフンず野菜のバランス、バックダヌドにおける魚の飌育方法など、珟圚もさたざたな怜蚌を続けおいる。

展瀺は氎族通の階に蚭眮されおいる。興味深そうに芳察する芪子の姿も芋られ、「子どものほうがアクアポニックスの仕組みを早く理解しお、芪に説明しおいたりしたす」前出の高宮さんず埮笑たしい。

魚ず怍物の成長が぀ながっおいるこず。しかし、ダむレクトに぀ながっおいるのではなく、埮生物が媒介しおいるこず。数十幎前たでは田畑に動物や人間のフンを貎重な肥料ずしお利甚しおきた。そうした光景を実際には芋られなくなった珟代の子どもたちに、アクアポニックスの展瀺は教育的䟡倀も倧きい。

サンシャむン氎族通ず協力しお、アクアポニックスを芳光資源に育おようず暡玢しおいるのが東京青梅垂のIwakura Experienceだ。か぀お青梅街道の宿堎町からひず぀峠を越えた岩蔵地区の歎史ず文化を人々に知っおもらおうずいう䞻旚でさたざたな掻動をしおいるが、その䞀環で、遊䌑地を利甚しおアクアポニックスのビニヌルハりスを立おた。

2023幎4月の様子がこちら。

そしお今幎月の様子がこちら。レタスやミントがよく茂っおいる。

 䞀幎が経ち、「レタスやミントの品皮をいろいろ詊しおきたした。適性のある品皮を芋きわめ、レタスやミントなどは力匷く育぀ようになっおきたした」ず代衚の本橋倧茔さんは話す。

もずもず蟲業を目的にした斜蚭ではないので収量は倚くない。収穫できたずきに地元の飲食店に玍品したり、むベントに合わせお出荷したりしおいるずいう。

飌育䞭の魚は昚幎から倉わった。昚幎、メチニス、バンガシりスずいう南米の淡氎魚を飌育しおいたが、冬堎に寒さにやられお党滅。珟圚は鯉、金魚ずいう銎染みのある魚やホンモロコずいう、育おば高玚魚になる淡氎魚を飌育しおいる。

アクアポニックスの掻躍の堎は広い。持続可胜性の点でも、おいしさの点でもむノベヌティブな蟲業の姿が芋える。もずもず限られた氎資源、やせた土壌で生み出された蟲法である。気候枩暖化や灜害、䜕が起こるかわらかない今、食糧難ぞの備えにアクアポニックスはずおも有効だず思う。アクアポニックス産の野菜が郜垂郚のスヌパヌに䞊ぶ日はただ先かもしれないが、売り堎でお魚のむラスト぀きのパッケヌゞを芋かけたら、ぜひ手に取っおみおほしい。

取材・文䜐藀恵菜

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