巨大ムースを激撮!カヌー旅で出合ったカナダ・オンタリオ州の自然美
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 自然観察・昆虫

    2024.06.01

    巨大ムースを激撮!カヌー旅で出合ったカナダ・オンタリオ州の自然美

    巨大ムースを激撮!カヌー旅で出合ったカナダ・オンタリオ州の自然美
    「カナダの自然」といえば――ユーコンを連想する読者も多いだろうが、オンタリオ州もオタワやトロントなどの都市がある一方、緑と水が織りなす雄大な自然を擁している。

    トロント在住フォトグラファーが、オンタリオの四季折々の自然美を送り届ける。
    こちらから動画も楽しめます

    WIND from ONTARIO~森の海、水の島~

    #1 巨大ムースとの遭遇

    「おーい、ちょっと通して〜」
     
    目の前に立ちはだかる巨大なムース(ヘラジカ)に話しかける。
     
    早春のアルゴンキン州立公園でのカヌー旅。湿地帯の蛇行する水路を進んでいると、曲がったその先に彼はいた。大きな雄のムースが、水の中に頭を突っ込んで、一心不乱に水草の新芽を食べている。厳しく長い冬を過ごして消耗した体に、栄養を補給するためだ。アルゴンキンでは、野生のムースは保護されハンティング等の危険な目にあわないので、人間をあまり警戒しない。
     
    僕は、ムースが水草を喰む音まで聞こえる至近距離での貴重な出逢いに驚いて興奮し、夢中でカメラのシャッターを切る。ひとしきり撮影した後、平静に戻って考えた。ここを通らないと、今夜の野営地には辿り着けない。
     
    以前カヌーを下りた途端、腰まで泥にハマって身動きが取れなくなった。だから、重い荷物を担いで泥濘の原野を迂回するのは避けたい。なんとかムースに道を譲ってもらえないものかと、距離を詰めたり離れたり、嘆願の念を込めて話しかける……。
     
    かれこれどのくらい時間が経っただろう。ようやくムースが重い腰を上げ、動いてくれた。
     
    僕はカヤックを漕ぎ出しながら、ムースと共にした二人だけの時間に感謝した。そして、ありがとうありがとう、と手を振っていた。

    カヤック

    ムース

    カヤック

    カヤックの上から度々ムースと目が合う。3m以上はありそうなムースだが、僕のほうもカヤックと一体となって、体長4mを超えるワニのような生物に見えているはずだ(笑)。

    アルゴンキン州立公園

    地図

    アルゴンキン州立公園は、首都オタワや最大都市トロントからも比較的近く、カナディアン・カヌーの聖地とされる。

    撮影・文/尾西知樹(Tomoki Onishi)

    トロント在住のフォトグラファー、マルチメディア・クリエイター、カヌーイストでサウナー。オンタリオ・ハイランド観光局、Ontario Outdoor Adventuresのクリエイティブ・ディレクター。カナダの大自然の中での体験とクリエイティブを融合させたユニット magichours.ca 主宰。

    MAP/モリソン

    (BE-PAL 2024年6月号より)

    NEW ARTICLES

    『 自然観察・昆虫 』新着編集部記事

    食べられる野草は何がある?季節別に写真付きで紹介!

    2024.10.02

    命を自然界に返す「やさしいノグソのしかた」を教えてください!

    2024.09.26

    次のチャンスは数万年後!? 一時は崩壊説が出た紫金山・アトラス彗星が、一転、見られるかも!

    2024.09.25

    リフレッシュ&デトックス! 自分で摘んだ植物で「野草茶」を作ってみませんか?

    2024.09.25

    初秋の原っぱで音楽鑑賞!秋の鳴く虫の声を聞いてみよう

    2024.09.22

    9月17日は中秋の名月!なぜ月はいつも同じ「ウサギの餅つき」面が地球に向いているのか?

    2024.09.16

    野性のキキョウはほとんど見られなくなってしまった…美しい姿をイラストで解説

    2024.09.15

    クワガタの種類別寿命一覧と長く飼うためのコツを教えます!

    2024.09.11