北海道各地に点在する「ローカルゲレンデ」をめぐる旅 | スキー・スノーボード 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.04.02

    北海道各地に点在する「ローカルゲレンデ」をめぐる旅

    シンガーソングライター東田トモヒロさんの不定期連載エッセイ。今回は北海道の各地に点在する小さなスキーゲレンデを巡った旅の様子です。どんな旅路だったのでしょう?

    ヨコノリストのラストフロンティア発見!?

    いや〜今シーズンのゲレンデは各地雪が少なかったなんてもっぱらの評判でしたけれどね、それでもなお前向きにね、そんな雪山を健気にもたくましく楽しもうとするスノーラバーズの皆々様の姿には、感動すら覚えたものであります、マジな話。

    僕もそんな彼ら彼女らに感化されるかの如く、スノーシーンのメッカである北海道でのスノーボーディングを、あえて「今までにない角度」から楽しんでみようと旅してまいりましたのでね、ここにご報告させていただきます。

    掲げたテーマはズバリ「ローカルゲレンデをめぐる旅」です、はい。
    ニセコやルスツ、トマムなどに代表されるような名だたるリゾートスキー場には目もくれず、本州の、ましてや僕のような九州のヨコノリスト(サーフィン、スノーボード、スケートボードなど、いわゆる横乗りアクティビティを好む人)が聞いたこともないようなマニアックなゲレンデを楽しもうというコンセプトです、まさしく。

    とはいえもちろん仕事も絡めてしっかりライブもやりながらですので、なかなかのハードスケジュールでしたが。移動してライブ、移動して滑り、そしてまだ移動してライブといった具合にね。

    まずはそのコンセプトに沿うように、今回は旅のスタートを北の大地の果ての果て、稚内に設定しました。ローカルスキー場に出会うには、大きな都市から離れたエリアでライブをやるのが好ましいはずですから。

    ライブの様子稚内での心温まるライブの様子。

    稚内・音威子府、カニパーティーからのキラキラピステン

    稚内でのライブは主催してくださった漁師のスノーボーダーたちがノリノいい方ばかりでしたのでね、そこに集まってくれる人たちもまた温かくて素晴らしい方々ばかり。会場には家族連れも多く見受けられて、その子どもたちがヒップホップダンスをライブの合間に披露してくれたりして。ライブもことさら盛り上がったのですが、ライブ後の「カニパーティー」がまた盛り上がりました。

    タラバガニを持つ男性。

    見たこともないほど大きくて美味しい稚内産のタラバガニ。

    と言いますのも終演後に漁師の方のお宅にお招きいただきましてね、この時期に獲れる超ビッグサイズのオホーツクの貴重な「タラバガニ」を振る舞っていただいたのです。そのカニのデカイのなんのって、もう足なんかギターのネックぐらいありましたもの。私たち一般庶民の通うスーパーマーケットなどではまずお目にかかれない代物でした。

    これって東京あたりの料亭なんかで食べたら、いったい幾らくらいするのだろうと想像しちゃいましたね、思わず。兎にも角にも遠く離れた稚内の漁師さんたちとね、音楽とスノーボードとによってこのような温かい縁が結ばれるとは、なんて素晴らしいことでしょうか。

    自然と明日は一緒に滑ろうって話になってね、早速彼らおすすめのローカルゲレンデに連れて行ってもらう運びになりました。

    翌日の早朝稚内を出発し、内陸に向かって走ること約二時間、到着したのは「音威子府(オトイネップ)スキー場」。北海道で最も小さな村と言われている音威子府村にあります。人口700人にも満たない小さな村ですが、美術や工芸を深く学べる高校が全国的に知られていたり、黒い麺が特徴的な「音威子府そば」など、小さな村ならではの独自の魅力を放っていることが高い評価を得ているようです。

    スキー場を滑るスノーボーダー

    音威子府スキー場はのんびりとしていてゆったりと楽しめる。

    そんな知る人ぞ知る音威子府村のローカルスキー場は、ペアリフトが一本あるだけ!あー清々しい!他の選択肢を許さない一本リフトとは、なんて気持ちが良いことでしょう。僕らはね、朝一番に近いタイミングでエントリーしましたので、ゲレンデのピステンバーンはキラキラと鏡のように輝いていて、全くの手付かず。

    行列ができることもありませんので、滑り降りたらそのままリフトオン。オートマチックなローテーションで、何らストレスを感じることなく思い思いのカービングを楽しむことができましたよ。思っていた以上に斜度もそこそこあるのでね、気持ちいいスピードでの滑りが十分楽しめるゲレンデでした。

    スキー場の林間コース

    音威子府ではツリーランもエンジョイしました。

    そしてなんと言ってもコストパフォーマンスがやばい。僕らは移動とライブがありますので9時半からの午前中券でちょうど良い具合だったのですが、チケット代金は1,300円。ゲレンデのみならず林間コースへ抜けるツリーランでパウダーを踏むこともできますし、雪質も申し分ありませんでしたよ。

    稚内のメンバーは、「旭川や富良野方面で散々滑った後、帰りにここに寄ると、結局音威子府が最高だねってなることもあります」と言っていましたが、なんとなくその気持ちがわかるような気がします。

    ライブ→滑り→ウマい飯→温泉……ゴールデンルーティン

    それから興部(おこっぺ)に移動してライブでしたが、途中の名寄で食べたスープカレーがまた美味しかった。たまたま飛び込んだそのお店は「KING BEAR」というスープカレー店でした。「彩野菜とハンバーグのスープカレー」をチョイスしましたが、一番人気のメニューなだけに、冷えた体がほっと温まる最高のランチでしたね、ほんと。後から調べたところによると、道内に3店舗を有する人気店なのだそうです。

    ハンバーグのスープカレー

    名寄のスープカレーKing Bear の定番メニューは、ハンバーグが美味。

    満たされたお腹を抱えてさらに走って、五味温泉で一風呂浴びたら、今回の旅のリズムが整い始めました。ライブ、滑り、ランチ、温泉、昼寝、またライブ、からの打ち上げというゴールデンルーティンです。あ〜これだから旅ってやめられません。

    そして興部ライブの翌日は、再び内陸へと走ります。僕らが向かったローカルゲレンデは「和寒(わっさむ)町東山スキー場」。こちらに至っては4時間券でなんと1,000円という、料金表思わず二度見必至の驚き価格。ジャパネットたかたのハイトーンボイスに乗せてご紹介したいほどのお値段ではありませんか。

    これによって僕の中におけるスキー場のイメージがいい意味で瓦解し始めました。それほど経費をかけなくても、もっと身近な遊びとしてスキー場でのスノーボーディングを楽しむことができるのだと確信したのです。もっと言えば、元々スキー場ってそういう存在だったはずってね。

    そんな和寒町東山スキー場は、リフトはしっかり二本ありました。斜度も十分なのでそれなりにスピードも出せます。さらにこの日はよく晴れていましたのでね、第二リフトを降り立っての眺望は最高の一言に尽きました。

    しかもよく観察すると、ピステンバーンの脇にある非圧雪ゾーンも、割と広く残されています。むむむっ、これってドカンと雪が降った日にはかなりパウダースノーも楽しめちゃうやつだぞっ、なんて良き想像は膨らむばかりです。いつかやってみたいな、ローカルスキー場のパウダースノーを狙う旅を。

    スキーロッジで休憩

    和寒東山スキー場の食堂は、数あるゲレ食の中でもかなりのハイクオリティ。

    そして特筆すべきは食堂の素晴らしさ。ほとんどのメニューが1,000円以下で提供されている上に、ちゃんとした手作りの美味しさを楽しむことができます。僕はザンギ定食、いわゆる鳥の唐揚げ定食にしましたが、味も量も申し分なし。ゲレンデでの食事は、通常の食堂の2、3割増しを覚悟しなければならないケースがほとんどなのですが、こちらの和寒東山の食堂は、市中価格と全く変わりのない思いやりが感じられます。それを思うとなんだかやたらと得した気分になりました、いや、まじな話。

    和寒のゲレンデは旭川市内からも30分程でアクセスできますのでね、旭岳やカムイなどのメジャーなポイントも素晴しいのですが、和寒町東山スキー場のような、マイナーだけれど味わい深いスキー場でのんびりと過ごすのも良いかもしれません。自信を持ってお薦めできます。

    北海道のスキー文化の奥深さに心打たれる

    とうま山スキー場

    当麻山スキー場は、なんと無料!

    そして極めつけが、今回の旅最後に訪れた当麻町にある「とうま山スキー場」。なんとこちらのスキー場は無料なのです。一枚のバーンにシュレップリフトという特殊なロープを掴んで登るタイプのリフトがあるだけのシンプルさ。町営のスキー場はまさにファミリーゲレンデの名にふさわしい雰囲気を醸し出しています。小さいながらレンタルスキーやレンタルボードなどもありますし、斜度もキツくありませんから、初心者の方や子どもに経験させたいと思っていらっしゃる方にとっては、この上ないマッチングのゲレンデとなり得るでしょうね、間違いなく。

    ライブ風景

    ツアー最終日は当麻山スキー場の真向かいにあるピザレストラン「ココペリ」にて。

    とうま山での滑りを楽しまれた後は、ぜひ道向かいのピザレストラン「ココペリ」を訪ねてみてください。美しい雪の森を眺めながら、最高のピザに出会えるはずです。

    このように僕の北海道のローカルゲレンデを楽しむ旅は、あまりにも興味深いのでね、もうすでに来シーズンもフォーカスしてシリーズ化してみたいと思っているほどです。何気なく立ち上げたコンセプトでしたが、こんなにも面白い旅になるとは、嬉しい誤算というかね、北海道スノーシーンの懐の深さを再認識させられました。

    皆さんも機会があれば、今シーズンのラストに、この古くて新しいローカルスキー場の魅力に触れてみてくださいね。

    スキー場を滑るスキーヤー

    最高の天気に恵まれて、ローカルゲレンデのバーンに思い思いのターンを描く。

    *今回のエッセイは網走在住のカメラマン、Abechan の写真を交えてお届けしました。https://www.instagram.com/the_day_photography?igsh=MWFkbnRsMno3NnhnOA==

    今回のアウトドアにおすすめの一曲

    Soundgarden 「Black hole sun」
    ‘90年代のオルタナティブロックの名曲ですが、醸し出す渋めの雰囲気は、まるでローカルスキー場のリフトの佇まいです。

    東田トモヒロNEWS

    GAKU-MC × TOMOHIRO HIGASHIDA THE DAY〜島巡り LIVE TOUR 2024〜
    最強のアウトドアコンビ東田トモヒロとGAKU-MCがタッグを組み、2021年コロナ禍の中、キャンピングカーで全国を巡った「DRIVE AND LIVE TOUR 2021 THE DAY」から三年。“色々な島へ渡り、出会った皆さまへ音楽を届けに行きたい“その二人の想いから『島巡り LIVE TOUR』と題し全5ヶ所のツアーを開催いたします。長年の音楽キャリアを持つ二人の中で共通する「旅」を通じて、共に音楽を楽しんだ事が、誰かの「ありがとう」に繋がるようなライブツアーになります。心躍らす空間を皆さまと一緒に作り上げていきたいと考えております。


    【日程・会場】
    5月6(月・祝) 【熊本】 tsukimi (開場 18:30 / 開演 19:00

    https://www.instagram.com/tsukimi_kumamoto?igsh=MWIzemVyMXdydDJhMg==

    5月8()   【天草】 café RAIN (開場 18:00 / 開演 19:00)

    https://www.instagram.com/caferain_?igsh=czluODN0Z3ltN2lo

    5月10()   【屋久島】 PANORAMA (開場 18:00 / 開演 19:00

    http://panoramayakushima.com
    5月11()   【種子島】 BAMBOO FOREST(開場 19:30 / 開演 20:00

    http://bamboo-forest.net

    5月14()   【鹿児島】 SOUL MASTER’S CAFÉ(開場 19:00 / 開演 20:00)

    https://www.facebook.com/soulmasterscafekagoshima/?locale=ja_JP

    【チケット】
    前売 4,000円 当日4,500円※チケット購入方法は各会場へお問い合わせ下さいませ。

    〜詳細はコチラ〜

    GAKU-MC オフィシャルHP  

    http://www.gaku-mc.net       

    ■東田トモヒロ オフィシャルHP

    https://lit.link/higashidatomohiro

    私が書きました!
    シンガーソングライター
    東田トモヒロ
    1972年生まれ熊本市在住。ニューヨークでのレコーディングを経て2003年にメジャーデビュー。旅とサーフィン、スノーボーディングをこよなく愛し、そのオーガニックなサウンドを通して「LOVE&FREEDOM」を発信し続けるシンガーソングライター。

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