人気のスタイル「スキーツーリング」とは
日本でのスキーリゾートにはたいていリフトがありますよね? でも北欧の雪山では少数派で、そういったところではスキーツーリングが人気のスタイルになっています。スキーにシールを付けて、山頂までハイクアップをしながら周りの景色を楽しむのです。シールとはクライミングスキンのことで、斜面を登るためにスキーの裏につけて、後ろに滑らないようにする滑り止めの役割を果たします。
そして、山頂でのコーヒータイムで一息つきます。スキーツーリングは時間と勝負するものではなく、仲間と一緒に周りの自然などをゆったり楽しむものです。
休憩が終わったらヘルメットを付けて、シールをとり、スキーブーツを固定して滑り降ります。何時間もかけて山を登っているので、滑り降りるのは1日1回、体力に自信のある人でも2回が限度。だから、この時間は旅のピークとして目一杯楽しみます。誰も滑っていない新雪にシュプールを描くことの、なんと気持ちのいいことか!
スキーツーリングは冬のハイキングのようなもの。登って滑り降りるだけではなく、いろんな場所に探検できるのも魅力です。スキー板はクロスカントリーのものより幅が広く、シュプールがない場所で滑ることができるので、スキー場では味わえない体験ができます。
ただし、初めての方には体力的にキツいかもしれません。まずは平らなところで慣れてからの挑戦をおすすめします。そして雪崩などのリスクを避けるためにガイドを雇ったり、ツアーに参加したり、現地に詳しい方について行くなどの事前準備もお忘れなく。
クロスカントリースキー
ダウンヒルスキーのように、スピードが出るタイプがお好みではない方には、クロスカントリースキーがピッタリ! 比較的平らなところで、細めのスキー板を履いて進んでいくスキーです。ダウンヒルほどスピードがでないので楽なスタイルと思われますが、実はものすごく体力を使うので、とても良い運動になります! 身体を存分に動かしながら美しい自然を味わいたい方におすすめのスタイルですね。
ところで、スウェーデンでは世界最大・最古のクロスカントリー大会「Vasaloppet(ヴァーサロペット)」が毎年3月に開催されます。約15,000人の参加者が90kmのレースに挑戦します。実は、2024年3月3日に放送されたヴァーサロペットは100本目で、参加チケットが1年前の2023年3月にはもう売り切れたという超人気のレースでした。スウェーデンの人々は生放送を観て、大変盛り上がったそうです。
そり&スキー遊び
雪中キャンプやBBQなど、荷物をいっぱい持っていく日には、クロスカントリースキーやツーリングスキーにそりをつけて遊びに行くことがあります。小さな子供やわんちゃんを連れていく日にも役に立ちます。コツを掴むまで少し時間がかかりますが、一度うまくいけばスムーズに雪の上を進んでいきます。
北欧ではだいたい11月から5月までスキーを楽しめます。その時期に行く機会があったらスキーリゾート以外の他のスキー遊びも試してみてください。様々な雪景色を楽しむことができるでしょう。
写真:Christian Olsson