夏は北海道サーフトリップで涼を得る
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    2023.08.15

    夏は北海道サーフトリップで涼を得る

    シンガーソングライター東田トモヒロさんの連載エッセイ、今回は毎夏訪れるという北海道での東田さんの過ごし方について。ライブにサーフィンにキャンプに…忙しく楽しそうです。

    サーフィン前日はポイントの近くでキャンプイン。

    僕の旅は道東の女満別空港から始まる

    ありがたいことに縁あってここのところ毎年のように、7月は北海道を旅しています。

    もちろんライブをやりながらなので仕事も兼ねていますが。

    本州や九州などでは夏真っ盛りの7月において、北海道のこの時期は朝晩など程よく涼しくてね、気持ちいい季節なのです。

    旅にはいつも網走在住のカメラマンの友人が同行してくれますのでね、彼、あべちゃんが収めた写真もいくつかご覧いただきながら話を進めてみたいと思います。

    僕の北海道の旅は、メジャーで派手な新千歳空港ではなく、若干シックな雰囲気漂う道東の女満別空港から始まります。このチョイス自体がもうすでに僕好み。

    あべちゃんと合流して真っ先に向かうのは、網走の街中にある居酒屋「屯々」。店主のヤンマーくんが、腕によりを掛けて作ってくれるオホーツク尽くしの特別な御膳は、旅の始まりを華やかに彩り、いきなりガソリン満タンにしてくれるのです。

    女満別空港から網走の料理店「屯々」へ。店主のヤンマーくん(中央)とカメラマンのあべちゃん(左)

    ほんとに美味しくて雰囲気のいいお店です。

    網走刑務所が全国的にあまりにも有名すぎてね、例えば「網走」と聞いただけで誰もが心の中でそれに続けて「刑務所」って言ってしまうくらい定着しているといっても過言ではありませんが、そんなイメージは全く感じない地域です。

    余談ですが網走に代表されるオホーツクエリアは、素晴らしい波がブレイクするサーフポイントがいくつも存在します。それらは知る人ぞ知るポイントばかりですから、我々ビジター向けではありません。オホーツクエリアは秋の終わり頃から冬の波が本番とだけここに記しておきます。

    ところで網走市内から少し南へ走った、斜里郡小清水町に「原生亭」という温泉があります。こちらのモール泉がほんと素晴らしい。広い湿原の中に佇む内風呂だけの小さな温泉ですから、ここを愛して止まない個性的なローカルの皆さん方に敬意を払いつつ、チャチャッと入浴しましょう。道東にお越しの際はこちらもぜひ足を運んでみてください。

    女満別空港は知床や旭川などへのアクセスに優れていますから、道東の旅の拠点としては最適です。羽田から新千歳ではなく女満別って選択で、貴方の北海道の旅はガラリと変わることでしょう、いやこれマジで。

    ライブは弟子屈からスタート、もう最高の場所です

    今回最初のライブは網走から走ること2時間弱の弟子屈で行いました。もうここが最高なんですよほんと。釧路川の源流、屈斜路湖とその周辺は実に清々しいエリアです。

    「SOMOKUYA」というカヌーのガイドをしていらっしゃるショップの庭、可愛らしいタイニーハウスのデッキをステージにして、毎年のようにライブをやらせてもらっています。以前そのSOMOKUYAさんに、カヌーで屈斜路湖や釧路川を案内していただいたことがありますが、それはそれはとても貴重な体験でした。

    弟子屈のソモクヤでのライブ

    屈斜路湖はエンジン駆動のボートなどの乗り入れが禁止されている湖なので、いつも静寂に包まれていて神秘的です。そして自然と人間が調和しながら暮らしている屈斜路湖周辺は、日頃忘れてしまいそうな大切な何かを思い出させてくれます。こういう時の「大切な何か」って一体なんなのでしょうね、自分で言っておきながらなんなのですが。

    SOMOKUYAのカヌーで屈斜路湖をクルージング

    僕の友人がSUPのガイドとショップもこの地で数年前にオープンしたりしてね、賑やかにもなりつつある道東の新たなホットスポットといった雰囲気です、弟子屈は。

    静かな湖面にオールを浸して、クリーミーな感触を得ながらゆっくりと漕ぎ進む。カヌーやSUPで屈斜路湖をクルーズするのは、道東の旅のクライマックスの一つとなり得るかもしれません。

    それからこの町には、北海道において、今のところ最も好みなスープカレー店があります、僕的に。道の駅の真向かいにある「つじや食堂」がそのお店です。

    店主のつじや氏は相当な音楽好きで、以前ライブで彼のパーカッションとセッションしたこともあります。店内ではレコードや古着、雑貨なども販売されたりしていて、絶品のスープカレー同様、あらゆる角度から訪れる人を楽しませてくれます。キャンプで使えそうな食器や容器、小物などもたくさん置いてありますのでね、ぜひお立ち寄りください。

    それにしても今年のSOMOKUYAさんでのライブは盛り上がりました。子どもたちが特に元気いっぱいでね、コールアンドレスポンスやダンスなどもガンガンに飛び出してきて、忘れがたい一夜となりました。

    そしてこの北海道トリップでは2箇所でサーフィンを楽しみました。最初は苫小牧の近く、北海道のメインとも言えるビーチブレイク、浜厚真というポイントで二日間。

    ここは札幌からも割と楽にアクセスできますのでね、波があればたくさんのサーファーで賑わいます。僕も厚真に行けば必ずや知り合いに会うことになります。一度海の上でこんな出会いがありました。

    「もしかして東田くん?」

    「そうだよ!アロハ!」

    「いつも聴いてるよー!びっくりしたー。」

    「ありがとう。ところで明日の夜***でライブなんだけど遊びにきませんか?」

    「行く行くー!」

    ってなことが起こりましてね。会話だけ聞いてるとどんだけお調子者同士だって雰囲気ですが、お互いいい波に乗ったりしてますから、もうすっかり心は満たされて高揚気味なもんでね、ついつい話が弾みます。

    サーフィンのチャーミングなところの一つに、海を舞台とした人と人のコミュニケーションにおけるポテンシャルの高さが挙げられます。まさにそれはアロハスピリットの賜物です。

    僕はこうして、お客さんをライブ会場にスカウトしたりしてます(笑)。

    浜厚真のポイントはとても広いので、ビジターも割と楽しみやすいのですが、ゾーンによってはローカルサーファーのエキスパートの方々が集まっている場所がありますのでね、空気感を察知していただいて、ルールとマナーを守った上で楽しみたいところです。

    夏とはいえ北海道の海水温はひんやりとしています。ジャージ素材のフルスーツ、あるいはタッパーにロングジョンをご用意されていた方が無難です。場合によってはセミドライでちょうどいいって時もあるくらいですからね。冷んやりして気持ちいいですが。

    北海道でのサーフィンは夏でもフルスーツが必要です

    浜厚真でライブの後、帯広エリアでサーフィンを

    浜厚真では新しくオープンしたキャンプ場『THE DAYS』でライブしました。サーファーのオーナーらがステージに流木を使って波のオブジェを拵えて、その日を心待ちにしてくれていました。

    浜厚真の新しいキャンプ場「THE DAYS」

    旅人やビジターも大歓迎してくれる新しいスポットの誕生です。真横には『FORT BY THE COAST』という味もロケーションも素晴らしいカフェもあり、ホットシャワーも併設されています。海上がりにカフェでピザを食べて、そのままキャンプインってのも最高のルーティンですよ。

    『FORT BY THE COAST』https://10a.jp/fort/
    『THE DAYS』https://the-days.jp/

    波乗りのもう1ラウンドは、浜厚真と同じ太平洋側ですが、襟裳岬のさらに東に位置する帯広エリアでした。ポイントから60kmほ離れたキャンプ場で、満天の星空の下でのテント泊を楽しみ、そして朝早くから海へと向かいました。

    ここではポイントの名前は申し上げられませんが、クラシカルなリーフブレイクはとても美しい波でしたよ。その日は小さなうねりだったのですが、安定したリーフの地形が綺麗にそれを拾ってくれますのでね、コンパクトな波ながらロングライドを楽しむことができました。

    帯広エリアでも波に巡り会えました

    波待ちの時間にこちらのローカルの方にも、「もしかして東田トモヒロさんですか?いつも聴いています!」なんて声を掛けていただいたのは本当嬉しかったなあ。毎度のことですがミュージシャンで良かったって思う瞬間です、はい。

    今回は二週間ほどの旅でしたが、ライブは5ステージこなしました。弟子屈に始まり、東川、浜厚真、小樽、興部は2箇所。

    興部での野外ライブ。手作りの会場のデコレーションが素晴らしい。

    どの会場もそれぞれのローカルの友人たちが特別な演出をしてくれましたが、特に興部でのライブは印象的でした。三十代を中心とした気のいいスノーボーダーたちが、原っぱとも言えるようなプライベートながら広々とした空間を使って、手作りの野外フェスみたいなキャンプインのライブを製作してくれたのです。

    レザークラフト作家の友人ハブちゃんが出店してくれたり、ニセコのスノーボーダーの友人ススムくんがたこ焼きのお店を出してくれたり、地元のサーファーがDJをやってくれたりと、まさに興部ロックフェスティバルといった趣き。

    手作りのステージにオリジナルの照明アレンジ。大きな焚き火を囲んで夜遅くまで歌い、踊りました。

    このように厳しくも温かい自然に抱かれて暮らす北海道の人々と触れ合っていると、彼ら彼女らがその風土をとても愛していることが手に取るように分かります。旅をしていて自分の気持ちがとても落ち着いていられるのは、そんな彼らの自然に根ざしたリズムの心地よさに触れていることに起因しているのだなと思います。

    だから僕は、旅をするたびに北海道のことがどんどん好きになってゆくのです。

    P.S 今回のアウトドアオススメの一曲

    ジャクソンブラウンの「Jamaica say you will」
    北海道の爽やかな風を浴びながら走っている時に聞いて見てください。もう帰るの嫌になるかも。

    東田トモヒロNEWS

    【デヴュー20周年記念ニューーアルバム「Rough Morning」リリース】

    「Rough Morning」
    発売:2023年6月7日(水)
    価格:CD 2,200円(税込)
    仕様:CD / デジタル

    配信URL
    https://linkco.re/1ucVpDVr
    YouTube
    https://youtu.be/2pLXmfIKNZQ

    【2023.8.27(SUN) WINDBLOW 海賊祀り】

    ■2023.8.27(SUN)
    ■16:00 open 17:00 start     
    ■場所:海の家 Beach Garden(さがらサンビーチ)
    ■出演:Keison、東田トモヒロ 

    ■料金:前売 ¥3000 当日 ¥3500 +1drink
    ■*前売予約は
    ・メールにて→こちらのフォーム(https://thebase.com/inquiry/windblow-official-ec)
    ・TELにて→ WINDBLOW実行委員会 0548-52-0-5015

    私が書きました!
    シンガーソングライター
    東田トモヒロ
    1972年生まれ熊本市在住。ニューヨークでのレコーディングを経て2003年にメジャーデビュー。旅とサーフィン、スノーボーディングをこよなく愛し、そのオーガニックなサウンドを通して「LOVE&FREEDOM」を発信し続けるシンガーソングライター。

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