保冷剤の選び方
保冷剤にはいくつか種類があり、冷やす対象や使うシーンによって選ぶべきものが変わります。キャンプ用の保冷剤を選ぶ際のポイントを4つ紹介します。
選び方
ハード・ソフトの固さで選ぶ
保冷剤は、主に容器のタイプによってハードとソフトの2種類に分けられます。それぞれに特徴が異なるため、状況によって使い分けるのが理想です。
ハードタイプは容器が硬くて丈夫です。多少ぶつけたくらいではびくともせず、キャンプシーンでのタフな移動でも活躍してくれます。保冷力はソフトタイプよりも高く、重ねて使いやすい点も便利です。ただし重量があり、比較的再凍結に時間がかかります。
一方のソフトタイプは、軽量で取り回しがよく、普段使いに向いています。小さなすきまにも入れやすく、ピクニックなどの軽い移動にもぴったりです。保冷力はハードより劣りますが、再凍結までの時間が短く、毎日でも使えます。
冷やすものによって選ぶ
保冷剤の表面温度は、0℃か氷点下かで分かれており、何をどれくらい冷やしたいかでどちらをとるか変わります。弁当や飲み物など、冷やしたいけれど凍らせたくないものには0℃タイプがおすすめです。
一方、肉や魚などの生の食材や氷など、鮮度や温度を保ちたいものには氷点下タイプを選びましょう。氷点下タイプならアイスクリームを冷やすのにも使えて、楽しみの幅が広がります。
保冷時間で選ぶ
商品ごとに保冷時間は異なり、使用シーンによっては重要な判断材料になります。さらに記載されている保冷時間ずっと当初の表面温度をキープできるわけではありません。キャンプシーンで長時間の冷却が必要な場合は、冷却できる時間ができるだけ長いものを選ぶ必要があります。
たとえば、宿泊を伴うキャンプなら、昼から夜まで温度を保てるよう10時間以上の保冷時間が望ましいでしょう。中には最大24時間保冷し続けられる商品もあります。
日帰りのバーベキューであれば6時間程度、普段の買い物程度なら3時間程度の冷却時間があれば十分でしょう。
形状やサイズにも注目
形状・サイズでも使い勝手のよさを考え、キャンプシーンをよりよいものに仕上げましょう。一般的なハードタイプの保冷剤は板状が多いですが、中にはスティック状やキューブ状になっている商品もあります。
スティック型の保冷剤であれば、クーラーボックスの四隅や、食材のすきまにまんべんなく配置することで、効率よく庫内を冷却できます。商品によってはベルトが付いているものもあり、たとえば夏場の弁当を冷やすのに便利です。
キャンプにおすすめの保冷剤
キャンプにおすすめの保冷剤を3つ紹介します。主に日帰りや1泊程度のキャンプで活躍する、汎用性の高いタイプをピックアップしました。
TRUSCO「保冷剤」
約180分後も5~6℃程度で飲み物の温度をキープできるといわれる、ハードタイプの保冷剤です。保冷剤自体は約-13℃まで冷却可能です。容量が350g・760g・1100gの3サイズに分かれており、クーラーボックスの大きさに合わせて選べます。目安として、760gは14~35L程度のクーラーボックスに適しています。
強冷タイプで、一般的な保冷剤よりも時間経過による表面温度の上昇がゆるやかになるのも特徴の1つです。キャンプ中に食べ物・飲み物を冷やし続けたいときに活躍するでしょう。
TRUSCO 保冷剤350
トウリト「保冷材」
スティック状で、4本・8本・12本セットから選べる保冷剤です。それぞれを食材やドリンクのすきまに差し込むことで、効率よく庫内を冷却できます。1本の幅が3cm程度なので、スペースの有効活用にもつながるでしょう。
約-8℃の冷凍庫で8時間程度凍らせれば、約8時間の保冷効果が見込めます。0℃タイプのため、ドリンクや弁当を冷やすのにぴったりです。カラーはブルーとグリーンの2色展開になっており、表面が汚れても、一拭きできれいにできるメンテナンス性のよさもポイントです。
トウリト 保冷剤 12個セット
アイリスオーヤマ「保冷剤ソフトタイプ」
3種類のサイズから選べる、ソフトタイプの保冷剤です。凍るまでの時間は、-20℃の冷凍庫内で約12時間です。ソフトタイプのため取り回しがよく、クーラーボックス内のスペースを無駄にしたくないときに活躍します。普段の買い物でも十分な能力を発揮してくれるでしょう。
3個セット・5個セットから選べ、複数個を同時に使うことで冷却効果アップにも期待できます。アウトドアだけでなく、普段使いできるものを探している人におすすめです。
アイリスオーヤマ 保冷剤ソフトタイプ 500g
【氷点下】キャンプにおすすめの保冷剤
キャンプ中も、長時間の保冷力を発揮してくれる氷点下タイプの保冷剤を4つ紹介します。キャンプを予定している人だけでなく、日帰りバーベキューで生鮮食品を持って行く人もぜひチェックしましょう。
ダイワ「CPアイス 保冷剤S」
長時間の保冷力に期待できる、ハードタイプの保冷剤です。メーカーの調べでは、0℃グレードと比べると-16℃グレードを使用しているCPアイスは、保冷時間が3.7倍長いそうです。
別売りのCPシャッターを一緒に使うことでさらに保冷力がアップします。
低粘度のさらさらタイプなので、完全凍結の判断が容易なのもポイントです。ハードタイプのため、食材の下に置いてもつぶれる心配がありません。
ダイワ CPアイス 保冷剤S
ロゴス「倍速凍結・氷点下パックL」
約-16℃の表面温度になる同社従来製品と比べ、倍速凍結タイプの氷点下パックです。予冷時間は約18~24時間に短縮され、使いやすくなっています。予冷する際は、冷凍庫の温度を-20℃(最強)に設定することが推奨されています。
容器は半透明のため、凍結しているかどうかが一目でわかる点も便利です。
保冷力にすぐれ、約7時間程度氷点下をキープできるため生鮮食品やアイスクリームの保冷にも使えます。内容物には植物性素材を使用している点もポイントです。
ロゴス 倍速凍結・氷点下パックL
キャプテンスタッグ「スーパークールタイム〈L〉500g」
-13~16℃程度の保冷力を誇るソフトタイプの保冷剤です。ソフトタイプながら、強力な保冷力を発揮します。
表面温度を氷点下でキープできる時間は約160分と比較的短いため、日帰りのアウトドア向きといえます。一方、ハードタイプの保冷剤や氷と併用することで、保冷力強化も可能です。
内容物は植物性素材で、万が一中身が漏れたときの安全性にも配慮されています。予冷時間の記載はないので、余裕を持って準備しておきましょう。
キャプテンスタッグ スーパークールタイム〈L〉500g
VASTLAND「ハイパワー保冷パック」
表面温度で-16℃程度を4時間程度、7時間後まで氷点下を維持できるハードタイプの保冷剤です。
メーカーによると、表面温度が-19℃以下になるまでの時間は約3時間で、一般的な保冷剤の約半分程度としています。比較的スピーディーに予冷ができます。
VASTLANDのソフトクーラーボックス各種にぴったり収まるサイズのため、同メーカーでそろえると使い勝手がよいでしょう。サイズは500g・800g・1000gの3種類から選べます。
VASTLAND ハイパワー保冷パック
保冷剤を使うときのポイント
どんなに強力な保冷剤でも、時間の経過とともに徐々に溶け出し、保冷力を失ってしまいます。しかし、少しの工夫をすることで、保冷剤の能力を高めることも可能です。保冷剤を効果的に使うためのポイントや、捨てる際の注意点を解説します。
使う時のポイント
保冷剤の効果的な使い方
保冷力を長持ちさせるためには、周囲の温度を低く保つことがポイントです。保冷剤は冷蔵庫ではないため、自ら冷気を生み出すことはできず、溜め込んだ冷気を放出するのみです。
そのため庫内を涼しく保つためには工夫が必要です。保冷剤を複数使ったり、配置を工夫したりすることで、冷却効果を上げられます。
たとえば、保冷剤をクーラーボックスの上部・下部に配置すると、保冷効果を上げやすくなります。食材やクーラーボックス内を予冷しておくことも重要です。
そのほかペットボトルを凍らせて、保冷剤代わりにする方法もあります。暑い夏の時期であれば、ペットボトルの中身が程よく溶ければシャーベット状になり、冷たいドリンクも飲めるので、一石二鳥の方法ともいえます。クーラーボックスを日陰に置くことや、開閉時間を短くすることもポイントです。
捨てるときは自治体に確認しよう
一般的に、保冷剤には明確な寿命が設定されていません。しかし、容器が破損したり、中身が漏れ出てしまったときは処分する必要があります。保冷剤を捨てるときは、一般的に可燃ごみとして捨てられます。そのため、基本的にはそのまま可燃ごみの袋に入れれば問題ありません。
ただし、自治体によって処分方法も異なるので、捨てる前にルールを確認する必要があります。また、トイレに流すとつまりの原因にもなり得るので、決して流さないようにしましょう。
保冷剤の内容物に高吸水性ポリマーが使われている場合、消臭剤としての再利用が可能です。高吸水性ポリマーには、においを吸収する性質があるとされているので、捨ててしまう前に再利用するのも1つの方法です。
まとめ
夏場などの暑い時期のキャンプにおいて、食材の保冷は重要な問題です。一般的な小さいサイズの保冷剤では、夏場のアウトドアには役不足の面が否めません。そのため、キャンプやアウトドアには、専用の保冷剤を持って行くようにしましょう。
アウトドア用の保冷剤は、表面温度や容器のタイプによって、いくつかの種類に分かれています。どのくらいの時間を保冷したいのか、何を冷やしたいのかによって選ぶものが変わります。
自身のキャンプ計画に照らし合わせ、ぴったりの保冷剤を選びましょう。