焚き火の技術とテント避難のコツとは?木村とーるさん率いる「四万十塾」流の防災テクを紹介 | サバイバル・防災 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • 焚き火の技術とテント避難のコツとは?木村とーるさん率いる「四万十塾」流の防災テクを紹介

    2022.11.17

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    ライター1本で焚き火の着火に成功し、誇らしげなキッズ。このキャンプ体験は必ず防災にも活かせるはずだ。

    いつやってくるかわからない地球サバイバルを生き抜くために、「自分の命は自分で守る」自己防災が必要です。被災地でのボランティア活動も豊富な木村とーるさん率いる「四万十塾」では、キャンプで遊びながら防災スキルを学ぶことができます。「キャンプは最高の防災術だ!遊びながら覚える環境学習塾「四万十塾」の活動」に続き、「四万十塾」の活動をレポートします。

    現場でリアルに活かせた四万十塾流、防災テク

    四万十塾が子供に教えるアウトドア術は至ってシンプルだ。場所と素材を提供し、大人はできるだけ手を出さず、子供の好奇心に任せて経験を積ませる。
     
    この日も、災害時の救世主となる〝焚き火〟について、素材を与えて考えさせた。

    「さあ、薪に火をつけよう! 火がつかなかったら、夕食作れないから食べれないよ~」
     
    子供たちの表情が一気に真顔になった。与えた素材は、太薪、杉の葉、小枝、消し炭(燃え残った薪)、そしてライター1本。

    「ヤバイ、火がつかない」「スギの葉を上に置く?」「逆じゃね?」「あ~夕食なしかよ~」
     
    そこで少々ヒントを与えた。〝太薪は1本では燃えず、薪と薪の間の輻射熱で燃える。空気がないと燃えない。油分を含んだスギの葉がよく燃える。細い枝のほうが着火しやすい〟。
     
    子供たちはヒントを何度も復唱しながら薪を並べる。スギの葉、小枝、消し炭、太薪の順に重ねて、スギの葉に火をつけた。そしてフーッと息で薪に空気を送り込むと、見事に着火! 「よし、成功だ!」子供たちの顔がみるみる逞しくなった。

    「焚き火はライフラインが寸断したときに、暖がとれ、料理ができて役立ちます。コツは、あらゆる気象条件の中で経験を積むこと。焚き火の科学に興味を持つことも大切です」

    雨の日も対応可能な焚き火術

    ライフラインが途絶えた際、助けとなるのが焚き火の技術。
    湿った薪は濡れた部分を剝いで小割りにし、薪と薪の間に空気が入るように積むのがポイントだ。

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    焚き付け用の材料は、雨の日も対応できるよう事前に防水ケースに入れて用意。湿った箇所は剝いで小割にして使うのがコツ。

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    焚き付け用の葉や小枝を下にしき、徐々に太い枝を積んで下から着火。薪が多すぎると逆に燃えずらくなるので注意。

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    薪と薪の間に空気が入るように積み、唇をつぼめて一定方向から空気を送り込む。湿った薪は火の周囲に置いて乾かしながら使う。

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    火が安定したら太い薪を積み、手で煙突を作って火力を上げるのも、とーるさん流。火がついたらなるべく薪は動かさない。

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    薪は輻射熱で燃えるので、太い薪は1本だと火がつかない。2本以上並べるのが常識だ。熾きができれば焚き火はさらに安定する。

    テント避難のコツ

    新型コロナウイルスが蔓延する中、密が避けられる避難所として威力を発揮するのがテント。ただし災害時は施設の整った場所でのテント泊とは違う。その避難の方法を聞いた。

    防災で重要なのが日常の備えだろう。とくにキャンプグッズは備えのアイテムとして欠かせない存在だ。四万十塾が薦める防災アイテムの筆頭は、テント。

    「ウイルス感染に怯える現在、テントは避難の際に密を避けることができ、車中泊でのエコノミー症候群を回避できる格好の避難所となります。非常用持ち出しグッズのひとつとして、車などに備えておくことをおすすめします」
     
    防災用のテントは、設営が簡単にでき、駐車場などアスファルトの上でも自立できるものが良い。ハザードマップを参考に安全にテント泊ができる場所を事前に探しておくことも重要だ。

    「避難の仕方は地震、洪水、台風など災害の種類や規模、地形の違いなどによって異なります。まずは事前に自治体発行のハザードマップを参考にして、それぞれの状況に合わせて避難ルートを確認。避難所や親戚の家、知人宅、ホテル、在宅避難、疎開避難、車中泊、テント避難など、様々な避難場所を想定しておくことが大切です」
     
    避難は、天候や被害の状況を見ながら判断しなければならない。そのためにも「キャンプの経験値が重要」と、とーるさん。

    「防災スキルは、キャンプの経験値と比例します。自然の中で遊びながら、災害を生き抜く術を身につけてください」

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    右:コールマンXPヘキサタープ/MDX +
    ¥24,800

    簡単に設営が行なえるクロスポールを採用したタープ。日光をブロックする素材で涼しい空間が確保できる。避難が長期に及ぶ場合、居住スペースと生活物資置き場が分けて使えるのでタープも必需品。

    左:コールマンツーリングドームエアー/ST +
    ¥23,800

    暑い時季のキャンプや避難に向くソロ用テント。日光をブロックする素材とワイドエアメッシュ採用で暑さを凌げる。別売りの電動ファン装着で、テント内のスピード冷却も可能。

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    河原などペグの効かない場所でのテント設営は、強靭な竹や太枝に張り綱を結び、写真のようにT字の溝を掘り埋めて石で重石をし固定。

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    テントの下にスノコを敷いて床上げすると地面の湿気を抑えられる。地面がコンクリートの場合は、土嚢袋で固定。

    四万十塾の防災アイテム

    四万十塾×テンマクデザイン『中空焚火ゴトクちび』 
    ¥5,280

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    開く角度を変えることで、シェラカップからダッチオーブンまで、あらゆるサイズの鍋を置くことができる焚き火用五徳。

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    ビクトリノックス 『ウェイター』
    ¥2,024

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    ラージブレード(大刃)、コルク栓抜き、缶切り、せん抜き、マイナスドライバーなどが付いたミディアムサイズのマルチツール。

    焚き火用着火材

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    薪が湿っているときに使用する天然の着火材。シラカバ、ヒノキの薄板、スギ、コエマツ、着火材用防水ケース(焼酎のボトルを使用)。

    調味料各種

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    防水ケースに入れて常備している調味料類。長引く避難時の炊き出しを飽きさせないためにも、数十種類のスパイスを用意している。

    Wilderness Villages 四万十塾 塾長
    一般社団法人OPEN JAPAN理事
    木村とーるさん

    ローエネルギーで快適に暮らす方法を模索し、長野の山小屋で水道も電気もない暮らしを実践。拠点を四国四万十に移し、環境学習塾「四万十塾」を開講。阪神・淡路大震災でボランティア団体「神戸元気村」の立ち上げに従事。以後、災害支援活動を全国で展開。著書に『四万十塾の焚き火料理塾』など。

    ※構成/松浦裕子 撮影/茶山 浩 イラスト/近常奈央 協力/四万十塾

    (BE-PAL 2022年10月号より)

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