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    2017.07.18

    【SMALL TALK】vol.10 「トレモノ」を知っていますか?(後編)

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    →【SMALL TALK】トレモノ・インタビュー前編はこちら!

    石垣島出身の3名と西表島出身の1名による4人組バンド「トレモノ」。フェスやライブ会場などを中心に話題になっている彼らが、7/5発売の1stフルアルバム『island island』(ワーナーミュージック)でついにメジャーデビュー! 南国を彷彿させるトロピカルなサウンドと、優しく温かなアコースティック感が今のトレモノの音楽。ゆったりリズムに身をゆだねれば、いつのまにか心は南の島へと。前編に続き、後編では彼らの故郷・石垣島についてお話をたっぷりお伺いしました。石垣島と音楽の深い関係、さらに、旅に出たくなるおすすめスポットも教えていただきました!

    [メンバー紹介] ※写真左から

    ドラム:狩俣匠吾(30歳)/通称:カーリー
    ベース:仲間全慶(27歳)/通称:マサボー
    ギター:難波 良(33歳)/通称:難波にぃにー
    ボーカル:木田龍良(30歳)/通称:チャンタツ 

    石垣島は“歌の島”。大人が音楽に厳しい。

    ――現在、石垣島にはどれくらいのペースで帰っていますか?

    木田:フェスやライヴイベントのときに帰らせてもらうんですけれども、年に3回ぐらいだよね。飛行機代とかもいろいろあるので、だいたいお盆か正月しか帰らないので、ライブやイベント出演で石垣島に帰れるのは、本当にありがたいです。

    難波:地元にライブで帰れるのは、めちゃくちゃ幸せ!

    木田:帰ったときは、結構、自由に過ごしてるよね。家族とご飯へ行ったりしてるかな。

    難波:でも、僕だけ西表島出身なので、実家に帰れないんですよ。石垣島のホテルに泊まって、釣りに出かけたり。船で40分ぐらいなんで、石垣島から西表島が見えるんですよね。でも、丸1日オフはつくれなくて、母ちゃんから「帰って来てるのに、実家に顔出さないって、どういうこと?」とか、毎回ぶつぶついわれて。俺だって帰りたいよ!とかいっています(笑)。

    木田:その代わり、母ちゃんが石垣島にライブ来てくれたりするよね。ライブの最前線で踊って、ファンキーなんですよ。

    ――石垣島はどんな島ですか?

    難波:芸能が盛んですよね。民謡や古典もあるんですけど、それ以外の音楽もあって、みんな熱い。音楽との距離が近いよね。よく東京で「沖縄出身のバンドです」というと、「三線やるの?」と聞かれるんですが、石垣の人たちは、「沖縄を売りにするんじゃなくて、好きにやったらいい。お前たちの中から出るものをやったらいい。無理に三線を入れなくていい」といってくれます。

    狩俣:石垣島は、「歌の島」と呼ばれていて、大人が“歌”には厳しくて、辛口だったりします。たとえば、島のイベントでロックやポップス系のコンサートがあったりするじゃないですか。そんなときに、うちの親父が見ていて、「あの歌詞はだめだな」とか普通にいうんですよ。

    ――なるほど、歌詞にダメ出しが。

    狩俣:石垣島の人は、しっかり歌を聴く人たちなんだな、ということは小さなころから感じています。

    ――民謡を歌う名人がご近所にいたりするんですか?

    狩俣:いっぱいいますよ。うちのおじいちゃんも毎晩8時から10時まで三線を弾いて歌います。おじいちゃんの部屋にテレビがあったので、僕は子供のころ、いつも三線の練習をしているじいちゃんの横で自分の好きなテレビを見ていました。テレビの音が聞こえないから、「じいちゃんうるさい!」というと、「お前がやかましい!」とかいわれて。

    木田:授業でも習ったりするしね。だからこそ、僕らは中途半端に三線は入れられない。ちゃんと歴史と文化を学んで、やるならいいですけれど、中途半端に沖縄だから三線入れなよ、ということはできないですね。中途半端にやると、沖縄の人に怒られるしね。

    狩俣:ただ1、2年くらい前に、じいちゃんに曲を聞いてもらった、「なんで三線入れないの?」といわれましたよ。その方が売れるんじゃない?って(笑)。じいちゃんの本物の三線が入ってたらいいけどね。

    木田:難しいよね、そのへんの葛藤は。僕たちはCDに入れてる音楽をライブでもやりたいと思っていて、ライブでできないことはCDにも入れない。じいちゃんにライブに来てもらって弾いてもらうならいいけど、毎回石垣から来てもらうわけにはいかないし……。じいちゃんを、東京に住ませるしかなくなっちゃう(笑)。

    「とにかく自分たちが良いと思うことをやり続けなさい」
    (by「BEGIN」の比嘉さん)

    ――石垣島のミュージシャンといえばBEGINさんですが、みなさんにとってはどんな存在ですか?

    木田:民謡をポップスとして進化させて、新たなジャンルを開拓した大先輩ですよね。BEGINの元ネタは民謡が多いし、葛藤もすごくあっただろうと思います。

    ――でも、そのおかげで石垣島の音楽に興味を持つ人は確実に増えましたよね。

    木田:僕たちは、その次の世代として、アイランドポップを開拓していきたい。トレモノといえば、こういう感じだよね、というものをつくっていけたらいいですね。なかなか簡単なことではないですけどね。

    難波:イベントの打ち上げで、BEGINのメンバーと一緒になる機会があったんですが、すごい優しいよね。「とにかく自分たちが良いと思うことをやり続けなさい」といってくれたんですよ。「『涙そうそう』もずっと売れなかったけど、やり続けていたら、結局は広がって、みんなが良い曲だね、と認知してくれたから」と。流行だけではなくて、自分たちから出てくるものをやり続けていきたいですね。

    石垣島のソウルフード「オニササ」とは?

    ――石垣島といえば、あこがれの旅先ですよね。おすすめの食べ物やスポットがあったら、教えてください!

    木田:「知念商会」の“オニササ”がすごくおいしい! 島のソウルフードで、おにぎりと、ささみのフライを自分で合体させて食べるんですけど、僕らはそれを食べて育ったといっても、過言ではないです。中学校の裏にあって、学校終わったら、部活が始まる前に“オニササ”食べてから部活するという日々でした。それが青春時代だったなぁ。「MONGOL800」のキヨサクさんも、イベントのときに石垣でオニササ4つぐらい食べたらしい(笑)。自分たちの思い出の場所に、先輩のアーティストさんたちが来て、島のソウルフードを食べてくれることが、何か嬉しいですよね。

    狩俣:あとは、アイスクリーム屋さんの「石垣島ミルミル本舗」。空港にもあるんだけど、本店が海がすごくキレイに見える高台にあるんですよ。暑い日に、そこで融けかけのアイスを食べるのが楽しみ。種類はフルーツを使ったものがいろいろあって、僕はいつも紅芋。ゲンキクールのアイスもありますよ。

    木田:ゲンキクール! あれはアイスもいいけど、飲んだ方がいいね! 石垣島にしかない乳酸菌飲料で、コンビニとかどこにでも売ってるんですけど、あれ、飲んだら、石垣帰って来たなあ、という感じがするね。あれは飲んでほしいですね~。

    ――仲間さんのご実家は、泡盛をつくる「仲間酒造所」さんなんですよね? 

    仲間:東京では、ほとんど出回っていないんですが、「宮之鶴」という名前の泡盛です。宮良という部落にあって、家族だけでやっています。全部手作業で、僕も小さいころは瓶を洗ったり、瓶にお酒をつめたり、ラベルを貼ったりしていました。大量生産はできなくて、地域で愛されているタイプのお酒です。

    木田:ライブ会場でも泡盛とソーダとシークァーサージュースを混ぜて、“マサボール”ってのを出したことがあるんですよ。結構好評で、毎回売れ切れるよね。

    狩俣:ん? 何と何で割ってるんだっけ?

    木田:だから、今、説明したじゃん。ソーダとジュースで割ってるって。ちゃんと話聞いて! 消しゴム投げるよ(笑)。

    ――最後に今後の活動について教えてください!

    難波:今年の3月に竹富観光大使に任命していただきました。僕、西表島出身なので、西表でトレモノ主催のフェスをやりたいですね。それがひとつの目標だね。

    木田:自分たちとつながっている先輩アーティストの方とかを呼んでね。いま、そこに向けて、どう活動していくかを考えている段階です。石垣島には、アーティストもお客さんも海を見ながら楽しめる「Tropical Lovers Beach Festa」があったり、群馬県の水上には、キャンプをしに来てもらって、音楽はその隣にあるというスタンスの「New Acoustic Camp」というフェスがあって、どちらもすごく良いんですよ。僕らはミュージシャンだから音楽が中心になりがちですが、もうちょっと違う観点でフェスを考えられたらいいな、と。とにかく、まずは絶対に開催して、島がちょっと沈むぐらい人を集めたいですね。そのためにも、日々いろんなところで音楽を鳴らして、多くのみなさんに僕らのことを知っていただきたいです!

     

    ↑ ライブの様子。音が鳴りはじめると、会場はまたたく間に、すさまじい熱気に!

    トレモノ

    2009年結成。石垣島出身の木田龍良(Vo&Gt/30歳)、狩俣匠吾(Dr/30歳)、仲間全慶(Ba/27歳)と、西表島出身の難波良(Gt/33歳)の4人による。ソウル・ファンク・レゲエ・ラテン・サーフと様々なジャンルを、南国育ちの感性でチャンプルーしたトロピカルなサウンドが特徴なアイランド・ポップバンド。 2013年に開催された、タワーレコード主催オーディション「Knockin’ on TOWER’ s Door vol.3」にてグランプリを獲得。その後、「SUMMER SONIC 2013」をはじめ、各地のフェスに参加。2015年には地元石垣島で開催された「Tropical Lovers Beach Festa’2015」や「石垣島 TsunDAMI アイランド野外フェス2015 」など、地元でも活躍の場を拡げ、ライヴパフォーマンスも注目を増し、フェスバンドとしての知名度も高まる。2017年には、富士通 FMV「ずっと、あなたと。FMV」Web CMに書き下ろし楽曲を提供。また石垣島マラソンのテーマソングを提供。3月には地元沖縄県八重山郡竹富町の観光大使に就任。そして7月にはキャリア初となるフルアルバムをワーナーミュージック・ジャパンよりリリース。

    トレモノ『island island』 ¥2500

    ▷トレモノオフィシャルサイト  http://toremono.com/

    →【SMALL TALK】トレモノ・インタビュー前編はこちら!

    ◎文=上浦未来 インタビュー写真=関口佳代

     

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