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雑草の厄介さを理解しよう
雑草に困っている人はとても多いと思いますが、改めて雑草の厄介なところを紹介したいと思います。
雑草の特性

雑草は人間の生活している場所に勝手に生えてくる植物達で、家の庭や、公園や農地など様々な場所で芽を出します。その他にも、道路の隙間やビルの屋上など意外な場所にも生えてきます。
冬はあまり目立ちませんが、よく観察すると雑草がたくさん存在しています。
放置してはいけない理由
雑草を放置すると、様々な問題の原因になります。例えば、農地では作物の栄養を奪うので、作物が上手く育たなかったり、枯れてしまうことがあります。
また、イノシシや最近、深刻な問題になっている熊の隠れ場所になったり、害虫の発生源になる場合もあります。
厄介な雑草ランキング
これまで様々な雑草と関わってきましたが、その中でも特に苦労させられた厄介な10種の雑草をランキング付けしてみました。1度刈っただけでは終わらない雑草ばかりです。では、いきます!
10位:ナガミヒナゲシ

オレンジ色の花が特徴です。1990年代の後半から生育場所を拡大し、今では日本各地で見ることができます。自治体のホームページでも注意喚起されています。
ゴマよりも小さい種子をたくさん付けるので、種子が付く前に刈り取らないと翌年から大量に発生するので、4~5月頃に花を見つけたら早めに刈り取るようにしてください。
9位:ドクダミ

動画やインターネットの記事で防除方法が紹介されているくらい困っている人の多い雑草です。ドクダミは、種子と地下茎で増殖するので、茎や葉を刈り取ってもまた再生してしまいます。
パクチーのような独特の匂いがあり、素手で触ると手に匂いが残ります。でも、ドクダミには薬草としての効果もあり、内服薬として食あたり、下痢、利尿効果があり、外用薬としては皮膚病や腫物に効くとされています。なので、一気に減らそうとせず、使いながら徐々に減らしてみてはどうでしょうか?
8位:シロザ

放っておくと草丈が2メートルを超える大型の雑草です。大きくなるにつれて茎が硬くなるので、杖に使われているくらい丈夫です。このため、草刈りがまるで木を切るような感じの作業になります。また、大きく育ってしまうと、草刈り後の処分もすごく大変です。
夏になると一気に大きくなるので、5~6月のうちに刈り取るのがオススメです。
7位:セイタカアワダチソウ

空き地に生える雑草の代表格で、黄色い花がよく目立ちます。1970年代には、花粉症の原因と考えられて大きな問題となりましたが、花粉症の原因では無いことが分かり騒動は沈静化しました。
開花前の5月頃に1度刈り取り、茎や葉が再生してきた場合には9月頃にもう1度刈ってください。
6位:マルバルコウ

花だけ見ればきれいな雑草なのですが、農地に侵入してしまうと厄介で、特にダイズの天敵のようになっています。マルバルコウ以外にも、朝顔に似た花を咲かせるマメアサガオやマルバアサガオなども厄介で、これらは帰化アサガオ類と呼ばれています。
つるを伸ばして大きくなり、機械では刈りにくいため除草剤の使用が向いています。
5位:ギシギシの仲間

ちょっと不思議な名前の雑草ですが、種子と根茎から増殖するので、1度侵入すると、どんどん広がっていきます。また、枯らそうと思って土を耕すと根茎がバラバラ散らばり、かえって増えてしまうことがあります。数本くらいならば、根を掘り出してしまえばいいのですが、太い根を張るので、かなり大変です。
ギシギシの仲間には、ギシギシの他にナガバギシギシ、アレチギシギシ、エゾノギシギシなどがあります。
4位:アレチウリ

アレチウリは、特定外来種に指定されており、河川敷などで大繁殖している姿をよく見かけます。特定外来種は法律で生きたままの移動や、栽培が禁止されているので取り扱いに注意が必要です。
また、花の周囲に無数のトゲがあるため、以前、草刈りをした時に小さなトゲが刺さって大変な思いをしました。つるで伸びるために根元から刈らないといけないのですが、一面に広がるので、根元を探すのも大変です。その際は、他の雑草と一緒にまとめて刈ってください。
3位:イヌビエ

栽培されている作物としてのヒエもありますが、雑草にもヒエが存在します。農地や空き地にはイヌビエが生えますが、水田にはタイヌビエという湿地を好むヒエが生えてきます。
タイヌビエは、小さい頃の見た目が稲の苗とよく似ていますが、穂が出て来ると違いが分かるので、昔はその時期にヒエ抜きという農作業が行われていました。現代では、除草剤を使用すれば、ヒエを枯らして稲だけを育てることができるようになっています。
2位:クズ

過去にも何回か紹介してきたクズですが、生命力がとても強く、フェンスや電柱、街路樹などあらゆるものに絡まります。道路や線路にも侵入するので、交通支障の原因にもなります。
クズは、根が残っていると再生するので、原因となる根を掘り出してしまえばいいのですが、地中に巨大な根を張るので、そう簡単にいかないのが現実です。ちなみに、クズの根に含まれるでんぷんはクズ粉(本くず粉と呼ばれています)としてクズ餅の原料になります。
4月頃のクズはまだ小さく刈り取りやすいのですが、1度刈ってもすぐに葉や茎が再生します。このため、根気強く刈り続けるしかありません。除草剤を併用すれば、刈り取りの回数を減らすことができます。
1位:メヒシバ

イネ科の雑草で道端や空き地でもよく見かけますが、農地にも侵入し、密生すると緑色の敷物のようになります。また、メヒシバは再生力が強く、刈り取ったメヒシバをそのまま土の上に置いておくと、節の部分から根が出てきます。
その他にも、農地に生えたメヒシバは作物の栄養を奪うだけでなく、茎が農業機械に絡まるので草刈りや収穫の際にも邪魔になってしまいます。見た目は地味なメヒシバですが、あえてワースト1位にしました。
メヒシバは梅雨時に一気に伸びるので、5月頃に土を耕すことで減らすことができますが、その後も土に残っている種子から新しい芽が出て来るので、小まめに取り除くことが大切です。他の雑草もそうですが、1度の草刈りだけでは終わらないので、草刈り後にもよく観察しておいてください。
雑草管理の方法と対策
雑草を抑える手段はいくつかありますが、完ぺきな方法はありません。このため、手間や費用を考えながら、管理をしていくことになります。
雑草管理の選択肢

一番簡単に広範囲の雑草を抑える方法は除草剤を使用することですが、その他に、雑草を鎌や刈り払い機で刈り取る方法や、防草シートと呼ばれる生地で土を覆うという方法があります。
刈り払い機はとても便利で、農家さんでは1家に1台という感じですが、刃がむき出しのため、取り扱いに注意が必要です。また、防草シートは狭い場所の雑草を抑えるには便利ですが、面積が大きくなるとシートをきれいに敷く作業が大変になります。
雑草を抑えるコツ
これは昔から言われていることですが、雑草は小さいうちに取り除いてしまうことが大切です。大きく育つと、除草剤が効きにくくなったり、茎が硬くなるので草刈りの効率が落ちてしまいます。しかも、種子を付けるまで放置しておくと周辺に飛散するので、翌年から更に多くの雑草が生えてきます。
冬の間にできる雑草対策をしておこう!
冬でも雑草はたくさん生えていて、春の訪れとともに一斉に大きく育ちます。このため、冬のうちに雑草を抜き取ったり、土を耕すことで、春以降の雑草を抑えることができます。冬の時期は雑草が小型、作業中も汗だくになることがなく、作業がしやすいという利点もあります。
小さいうちに対処し、マメに刈り取るべし
厄介な雑草達も、完ぺきという訳ではないので、今ある管理技術を使いながら上手に付き合っていくことになります。そして、今回ご紹介した雑草を見つけたら放置せず、草刈りの時期やタイミングを見極め、雑草がまだ小さいうちに対処してください! 1日20分など、時間や範囲を決めて、毎日、少しずつ草取りをするのもオススメです。








