水中カメラマン堀口和重が行く!八重山諸島で捉えた、マンタとプランクトン | 海・川・カヌー 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2023.01.19

水中カメラマン堀口和重が行く!八重山諸島で捉えた、マンタとプランクトン


海に潜って初めてわかる、生き物たちの美しい姿と生態。それを写真で誰にでも知らしめてくれるのが、水中カメラマンです。堀口和重さんは2022年12月、オランダのネイチャーフォトコンテスト「Nature Photographer Of The Year 2022」で水中部門グランプリを受賞した、その道のトップランナー。今回から定期的に水中写真の魅力についてお届けします。

八重山諸島・前編(マンタよりもプランクトン)

前回の大瀬崎の撮影から2日後、飛行機で沖縄県の石垣島で渡りました。到着日はあいにくの雨でしたが、気温も20 ℃と伊豆に比べて気温がとても暖かく快適に過ごせました。
翌日の天候は曇り後晴れ、陽射しも暖かく撮影日和となりました。私が石垣島に訪れた理由は、プランクトンの撮影ツアーを開催するためです。プランクトンを撮影することに興味を持っているダイバーがツアーに参加してくれました。
わざわざ石垣島にまで来てプランクトンの撮影?と不思議に思う方もいるのではないでしょうか。実は八重山諸島のアイドルとプランクトンには深い関係があったのです。今回は、そんなプランクトンの魅力について、皆さまにお伝えしたいと思います。

八重山諸島のアイドル・マンタ

ことの始まりは、4年前にダイビング雑誌の取材で石垣島に訪れたことです。雑誌に載せてほしい人気の生き物がいるので、ぜひ撮影してほしいという依頼がありました。その生き物は巨大なエイの仲間・ナンヨウマンタ(通称名:マンタ)でした。体の横幅は最大で4mにもなる大きなエイの仲間です。石垣島周辺で見られ、ダイバーの間では海のアイドル的な存在です。

以前、黒島で撮影したナンヨウマンタ。

夏は石垣島周辺で目撃されることが多いマンタですが、冬になると黒島周辺の海域に現れます。黒島周辺にマンタが現れる理由は、餌となるプランクトンが黒島沿岸に流されて集まってくるからです。マンタは大きく口を開けてそのプランクトンを海水ごと飲み込みます。その光景を見て、私には疑問が生まれました。
私は今までプランクトンの撮影などに力を入れており、その経験から、マンタが食べているプランクトンの中に、もしかしたら珍しい生き物がいるのではないのか?と疑問を持ったのです。そこから数年かけて、宝探しのようなプランクトンの調査が始まりました。すると、深海生物の稚魚や外洋で生活しているイカやタコの幼体など、珍しい生き物が次から次へと見つかったのです。こうして昨年からは撮影ツアーを開催し、ゲストと一緒に撮影を始めたのです。

今年の黒島近辺の様子。マンタを探しに沢山のダイビング船が集まります。

プランクトンの世界

水中撮影をするダイバーの中では、プランクトンの撮影が密かにブームになってきています。プランクトンと言われたら、ほとんどの人は微生物のような小さな生き物を思い浮かべるのではないでしょうか。

プランクトンは大きさに関わらず、潮の流れに乗って生活している遊泳力のない生き物のことを差しています。全長40m以上のクラゲの仲間から数ミリの稚魚や幼生など、とても幅が広いのです。今回のツアーで撮影した、珍しいプランクトンをご紹介します。

リュウグウノツカイの稚魚。体長約10mm。

こちらは有名な深海魚・リュウグウノツカイの稚魚です。鰭が長く遠くから見るとクラゲのように見えます。稚魚の頃は水面で生活し、成長するにつれて深海へと移動していきます。この個体は、ツアーに参加されたゲストが発見しました。

ソデイカの幼体。全長約10mm。

ソデイカは外洋に生息するイカの仲間で成体は全長1mにもなります。幼体はガラス細工のように美しいです。こちらもツアーに参加されたゲストが発見しました。

ヒメホウキムシの仲間の幼生。全長約8mm

最後の写真はヒメホウキムシの仲間の幼生です。成長するとブロックなどの人工物や岩やに付着する動物です。遠目からは、ゴミが浮いているように見えました。撮影して画像確認をすることで、やっと生物だとわかりました。

ゲストたちは小さなプランクトンの撮影に夢中で、すぐ近くを巨大なマンタやイソマグロが通っても気付かず、とてもシュールな光景でした。

この記事で紹介した生き物以外にも沢山のプランクトンを撮影しました。そちらは個人のInstagramにも載せているので、よかったら見てください。

次回は八重山諸島・後編

マンタとプランクトン以外の他の生き物も撮影しているのでそちらは次回ご紹介します。

日本全国・水中撮影をしながら日産セレナや船、飛行機で移動中!

今回の移動経路

START→伊豆(大瀬崎)沖縄(石垣島・黒島・竹富島)

撮影協力:石垣島ダイビングセンター MOSS DIVERS モスダイバーズ

私が書きました!
水中カメラマン
堀口和重

日本全国の海を中心に海洋生物やそれに携わる被写体を1年通して撮影。 雑誌・新聞・機材のカタログ・プロモーション作成・テレビの撮影と幅広く活躍中! 2019年.2020年日本政府観光局主催のダイビングフォトコンテストの審査員。 Nature Photographer Of The Year 2022では日本人初の水中部門グランプリを受賞。 Home page  https://photographer-holly.amebaownd.com/ Facebook https://www.facebook.com/kazushige.horiguchi Instagram https://www.instagram.com/holly1kaz/

 

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