上がってきたのは、イナダ! この前たくさん釣ったときはまだ『ワカシ』だったが、ちょっと見ない間にこんなに大きく成長したのか! 毎日小魚をたくさん食べたんだろう。もっちり太って脂も乗ってそう。もっとたくさん食べて、今度はワラサになって出会おうなーと、リリース。
ほどなく、隣で釣りをしていた沼野さんにも何かがヒット。ん? 離れたところで水面からジャンプしている。シーラか!? 上がってきたのは、やはりシーラ。これは小さい方で大きいのになると1メートルを越える個体もいるらしい。
ちなみにシーラはもともと緑や黄色のこんな色をしている魚だと思っていたが、普段はただのシルバーらしい。これは警戒色といって、危険な状態を周囲の仲間に知らせているという説がある。黄色い状態でファイトが長引くと群れがいなくなるというが、本当なんだろうか。
シルバーのシーラが見てみたいと狙うのだが、ヒットするのはイナダばかり。イナダは、結局3、4本釣れたと思う。
諦めかけていたら、何やら違う手応えの魚がヒットした。シーラだとしたら変色しないうちにと急いで巻き上げる。やった、シーラだ、しかもシルバー! 普通はこういう色なんだ、知らなかった。と、感心しながら撮影しているうちにバレる。ま、見られただけ良かった。
その後、突然の豪雨となり撤収。午前中だけの釣行となったが、ワカシからイナダへの成長も確かめられたし、シーラの色もこの目で見られたので大満足だった。
連載【漕いで、釣って、食べて】カヤックフィッシング奮闘記
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穴澤 賢(あなざわまさる)
1971年大阪生まれ。2005年7月から愛犬との暮らしを綴ったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイ、コラムなどを執筆するようになる。著書に「またね、富士丸。(集英社文庫)」、「明日もいっしょにおきようね(草思社)」、「また、犬と暮らして(世界文化社)」、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック「Another Side Of Music」(ワーナーミュージック・ジャパン)などがある。株式会社デロリアンズ代表。Blog:Another Days
取材協力:MARINE BOX100
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