「自然派」の働き方。自作の軽トラハウスでどこでもコンサート
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    2020.09.28

    「自然派」の働き方。自作の軽トラハウスでどこでもコンサート

    「働き方改革」の波に乗り、好きな環境で仕事をする人が増加中。自然大好きモバイルワーク人間の自由な仕事空間を紹介します。今回はプロドラマーの目次敬之さんを紹介します。

    野外でのセッションは最高に気持ちイイ!


    目次さんの本業はドラマーである。自身の音楽活動のほか、BEGINや福山雅治といった名だたるアーティストのレコーディングやツアーに参加するなど、第一線で活躍している。そんな目次さんがいま力を入れているのが軽トラハウスをステージにして行なうライブ活動。その軽トラハウスは何と自身で作ったものだという。

    両サイドを開けて吹き抜けにできるのが特徴のキャンピングシェル。ステージにしたときの見栄えが俄然良くなるとか。仲間の手を借りて1週間ほどで完成。外板の絵はドラムを教えている生徒さんに描いてもらったそう。

    「ある日YouTubeで軽トラハウスで暮らしている人の動画を見て、ああこれは面白そうだと思ったんです。それで軽トラを購入し、材料をホームセンターなどで調達して自作しました。それ以前にも自宅の防音室やタイニーハウスをDIYしたことがあったので、そこそこ自信があったんですね。完成した軽トラハウスは当初キャンピングカーとして使っていたのですが、あるイベントで『SANPO』というクリエイターチームの軽トラハウスを見てこれだと。それはキャンピングシェルのパカッと開く斬新なもので、演奏ステージにぴったりだと思ったんです」

    軽トラハウスでの演奏はボーカルを担当する石塚美咲さん、キーボードを担当するジョン中山さ
    んを中心に行なっているという。キャンピングカーのイベントに呼ばれて演奏したこともある。

    「ライブハウスでの演奏と違い、使えるスペースや電気が限られているんですけど、逆にそこが
    醍醐味ですよね。軽トラの荷台というミニマムな空間の中でいかに『聴かせる』ことができるかを工夫するのが面白いんです。あと、僕はアウトドア好きでもあるので外で演奏するのが単純に気持ちいいっていうメリットもあります」

    実際に曲を披露していただいた。ユーモラスなステージから繰り出される超本格的な演奏。何もない草原がまるでよくできたミュージックビデオのようにシュールな光景に変わった。3人はこの軽トラハウスを活用し、『いばらきラブチャンネル』という番組配信も行なっている。取材場所まで移動し、この車を中継車兼スタジオ代わりに地元茨城の食やスポットなどの情報を発信しているという。

    ライブ配信もやってます!

    軽トラハウスは演奏のステージとしてだけではなく、自身が運営するYouTubeチャンネルの配信を行なうスタジオとしても活用している。シェル部分にはしっかりと断熱材も貼ってあるので快適に過ごせるという。

    夜はミラーボール型のステージライトによってムーディーな空間に。日中の爽やかなステージとは一転、ジャズをベースにしたちょっと大人な音楽を奏でる。スペースがミニマムなので、こうした演出の効果も絶大だ。

    「この車があることで、より演奏を自由で気軽に楽しめるようになりました。場所を選ばないというのはもちろんですが、自分たちで会場を借りてやるライブだとどうしても『客ウケする演奏で元を取らないと』みたいな発想に陥りがちですから(笑)。ぜひ東京のストリートや、フェスなどにも出没して演奏してみたいと思ってます」

    今後、軽トラハウスは屋根にも人が立てるよう改造し、二階建てのステージで演奏できるようにしたいと目次さん。むちゃくちゃ目立ちそうだ。

    充実装備でステージ& 宿として大活躍

    演奏や番組配信のための電気は屋根に設置したソーラーパネルからポータブル電源に充電して確保。

    運転席の上はキャンピングカーのようなバンクベッドで、寝ることも可能。窓があるので明るい。

    ポケットWi-Fiの性能が目覚ましく向上していて、外からのネット配信もほとんど不便はないとか。

    目次さん流!ノマド的ライブ生活3か条

    1. どんな場所でも演奏 できる
    2. 制約があるからこそ面白い
    3. より自由に音楽と向き合う

    プロドラマー/目次敬之さん

    目次さんはボッサバンド「NoaNoa」のドラマーとして’95年にメジャーデビュー。現在は自身の音楽活動の傍ら、ジョン中山さん、石塚美咲さんらと共にYouTubeチャンネル『いばらきラブチャンネル』も配信。

    石塚美咲さん

    ジョン中山さん

    ※構成/佐藤旅宇 撮影/阿部昌也

    (BE-PAL2019年6月号より)

     

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