災害とともに進化!ポータブル電源の歴史をひもとく【2011〜2018】 | ポータブル電源 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

ポータブル電源

2026.02.12

災害とともに進化!ポータブル電源の歴史をひもとく【2011〜2018】

災害とともに進化!ポータブル電源の歴史をひもとく【2011〜2018】
防水・防塵性能を誇る製品の登場や安全性の向上など、ポータブル電源の進化が止まらない。アウトドアライフに欠かせないツールの歴史を探る。今回は2011年からはじまる前編をお届け。
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より安全に、高機能に! Portable Power Station History by BLUETTI

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蓄電池の進化がポータブル電源を生んだ

快適なアウトドアライフを楽しむため、また防災用としても、今や欠かせない存在となったポータブル電源。その歴史を振り返ると、世界初の機種が発売されてから、20年にも満たない新しい製品であることがわかる。
 
そこで普及までの背景を調べてみた。2000年代初頭には、それまで充電池の主力として使われていたニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池に代わる、小型で高性能なリチウムイオン電池が普及。ノートパソコンやデジタルカメラ、携帯電話などに使われるようになった。それらの機材を出先で充電するために、小型のモバイルバッテリーが登場したのもそのころ。
 
2009年には、アメリカのゴールゼロが、ニッケル水素電池を使ったシェルパシリーズを発表。これはパワーバンクと呼ばれ、現在のポータブル電源の元になったとされる。
 
そして、2010年のハイチ地震や2012年のハリケーン・サンディなどの自然災害時に、パワーバンクや鉛電池のESS(蓄電システム)が活躍。その利便性が注目されることで、各国の企業が参入し、研究や開発がスタートした。
 
では、日本市場で、ポータブル電源がどのように普及していったのか。パイオニアブランドのひとつであるブルーティ・ジャパンCOOの川村卓正さんに聞いた。

「2011年3月に東日本大震災がありまして、私は、すぐに宮城県女川町にある避難所へ、ボランティアをしに出かけました。当時は、まだスマートフォンよりも携帯電話が普及していた時代。携帯電話のキャリア各社が、発電機や大型蓄電池を積んだ電源車と呼ばれるクルマを避難所の前に横付けにして、充電するサービスを展開していました。そこには連日、百人ぐらいの列ができていたんです。その光景を見て、もっとパーソナルな蓄電池を作ろうと思ったんです。そして、日本中の電気メーカーにあたりました。
 
ところが当時、まだ日本には持ち運べる蓄電池の技術がありませんでした。次に東京大学の研究室に行き、そこで知り合った中国人と一緒に、中国の研究所を巡りました。そのなかの一社が、ブルーティの前身となる企業です。その企業は当時、リチウムイオン電池などを製造していました。充電回路とか、インバーター回路といわれる変換装置も開発していて、バッテリーに蓄電したDC(直流)電源から、一般家電用のAC(交流)100Vに変換する技術を持っていたんです。『一緒に蓄電池を作ろう』という話をして、2011年のうちに蓄電システムの開発チームを発足。開発をスタートしました。そして、2012年には量産型の蓄電池の販売を開始しました。当時の製品は、重量が60㎏ほどあり、寿命も現在の10分の1程度。しかも1台100万円もするような製品でした」
 
川村さんが中国へと渡り、ポータブル電源の共同開発を始めた企業は、2009年に中国の深圳で創業した「パワーオークグループ」。当時、同社が手がける製品の多くは、自社ブランド製品ではなく、有名ブランドのOEMだったという。そのため蓄電池関連では、世界トップクラスの技術を誇っていたにもかかわらず、企業名は無名に近かったそうだ。

普及のために不可欠な軽量化を追求

「量産品はできたものの、重いと日本では普及しないだろうと考えました。そこで2014年には、軽量化を実現できるリチウムイオン電池を使った量販型のポータブル電源システムを世界で初めて開発しました。それが、『パワーオークAC20』という製品です。製造から10年以上経った現在も東京・秋葉原にある弊社のショールームに展示していて、その機種はまだ動いていますよ」

「AC20」は、最大出力200Wを誇り、重量は約2.9㎏と軽量。現在のポータブル電源のベースになる携帯性のいい製品として注目を集めた。

「当時はまだブルーティというブランド名もなく、業務のほとんどが大手企業へのOEMのバッテリーパックやポータブル電源を供給する生産工場でした。蓄電池関連の展示会にも出展していましたが、それはOEM先を探すためです。それでも、『AC20』がよく売れたことを記憶しています」

ブルーティが歩んだポータブル電源の歴史 2011 to 2018

2011年】

•東日本大震災発生
•東日本大震災被災地におけるボランティア活動により、ポータブル電源の必要性を痛感
•蓄電システムの研究開発チームを発足

2012年】

•リチウムイオン電池を搭載した
量産型蓄電システムを発売(世界初)

2014年】

•パワーオークがリチウムイオン電池を搭載した世界初の量産型ポータブル電源「PowerOak AC20」を発売
•「ポータブル電源システム」と命名
•国際二次電池展(東京)に初出展

2016年】

•5kW太陽光発電用蓄電池を発売

2017年】

•太陽光発電モジュール型蓄電システムを発売

2018年】

•北海道胆振東部地震の大停電発生
•日本拠点を設立
•ポータブル電源「BLUETTI」ブランドの立ち上げ
•「EB40」を発売

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ブルーティ・ブランドから2018年に発売された「EB40」。リチウムイオン電池を搭載。出力は300W(最大600W)だった。

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2011年の東日本大震災から2024年の能登半島地震まで、被災地支援を行なっている。

お話を聞いたのは……BLUETTI JAPAN COO 川村卓正さん

自社製品の開発秘話や、ポータブル電源が普及するまでの歴史を話してくれた。

※構成/山本修二 写真提供(トップ画像)/三浦孝明

(BE-PAL 特別編集 ポータブル電源アウトドア活用パーフェクトガイド より)

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