- Text
- Source
教えてくれた人 せいろ料理研究家 サヤさん

ヘルシーだよ!
パン、野菜、ソーセージ、卵などを、せいろ1個で同時に作るモーニングレシピがインスタでバズり一躍人気に。著書『世界一カンタンでおいしい せいろレシピ』(KADAKAWA刊)では、89のレシピを紹介。目下、キャンプデビューの準備中。

せいろ料理はヘルシーで片づけも簡単
2025年2月に発売された著書『世界一カンタンでおいしい せいろレシピ』は、わずか半年で8回の重版を達成。著者でせいろ料理研究家として活躍する、今、注目のサヤさんに、アウトドアで気軽に楽しめるせいろレシピを教えていただいた。
「せいろ料理の魅力は、材料を入れて蒸すだけで、いろいろな食材を一度に調理できること。時短できるし、蒸している間は、ほかのこともできます。調理油を使わず、野菜をたくさん採れるからヘルシー。片付けも簡単なので、忙しいキャンプにもぴったりです」
そう話すサヤさんは、友人に誘われゴリゴリのキャンパーたちに、せいろで作ったキャンプ飯を振る舞ったところ、これが大好評。自身のインスタでも、蒸し焼きそばなどオリジナルレシピを紹介するようになった。
「屋外でせいろを使う際、気温や風の影響を受けやすいので、ウインドスクリーンを使って風をよけたり、蒸す時間を長めにするなど気をつけながら、せいろ料理を楽しんでください」
空前のせいろブームの今、キッチン用品店や雑貨店の目立つところに陳列されるさまざまなせいろ。安いものでは、2,000円程度から購入できる。予算的にもスタートしやすいので、ぜひ次のキャプでホクホクのせいろ料理を試してみない?
※レシピは2人分の分量です。レトルトカレー蒸しは、1人分の材料を入れたせいろを2段重ねて調理しました。
シンプルな道具で簡単に楽しめる
サヤさんイチオシのせいろ

「せいろには、杉、竹などいろいろな材質や大きさがあります。一度にたくさんの食材が入る直径24㎝の中華せいろは、2人分におすすめです」(サヤさん)
蒸し板を使えば手持ちのコッヘルでOK

せいろと鍋のサイズが合わないときには、蒸し板を置いて、その上にせいろをのせて使えばOK。蒸し板を介すことで、愛用のキャンプ鍋を使える。
クッキングシートでせいろの汚れを防ぐ

せいろのなかに敷き、お皿代わりにして具材をのせればせいろの汚れを防げる。食材ごとにシートを分ければ、味移りもしにくい。
鍋が安定するバーナーを使う

大きな鍋にせいろを積み重ねても安定するサイズのバーナーを使おう。今回は、岩谷産業のカセットフー"タフまる"を使用。
アウトドアでせいろ料理をおいしく楽しむ3か条
❶たっぷりのお湯をしっかり沸かす
❷いろいろな材料を一度に蒸して時短する
❸風や温度に対応しながら蒸し時間を調整する
【基本編】How to せいろ料理 !

野菜の豚肉巻き
材料
豚ばら薄切り肉…約5枚
塩・コショウ…少々
トマト…1/4個
大葉…2枚
豆苗…40g
もやし…1袋
にんじん…30g
ナス…約1/8(2切れ分)
エノキダケ…40g
味噌だれ
味噌…大さじ2
豆乳(または牛乳)…大さじ1+小さじ1
おろしニンニク…少々(約小さじ1/4)
砂糖(またははちみつ)…小さじ1~お好みで調整
塩オリーブオイルだれ
オリーブオイル、塩…各適量
❶豚肉は巻きやすい大きさに切り、塩・コショウをふる。トマトはくし形切りに、エノキダケは根元を切り落とす。にんじんは長さ6~7㎝ほどの細めのスティック状に切る。ナスは皮をところどころ縦にしま状にむき、食べやすい大きさに切る。アクが気になる場合は、皮をすべてむく。
❷トマトは大葉と一緒に豚肉で巻き、もやし以外の野菜とエノキダケを肉で巻く。
❸せいろにクッキングシートを敷き、包丁で穴を開ける。
❹もやしを敷き、肉巻きを並べ入れて10〜15分蒸す。
❺たれ2種の材料をそれぞれ混ぜて添え、肉巻きにつけながらいただく。

せいろにクッキングシートを敷いて、蒸気をしっかり通すための穴を数か所あける。
↓

食材は、蒸気が全体にまわるように、詰め過ぎず隙間を作っておくのがコツ。
↓

お湯は、途中で空焚きにならないよう、多めの水量を入れて、しっかりと沸騰させる。
↓

鍋の上に蒸し板を置き、その上に、ふたを閉めたせいろをのせ、参考時間を目安に蒸す。
↓

参考時間になったら食材を見て、蒸し加減が足りなければ、再度ふたを閉めて数分蒸す。
↓

モチモチ!
蒸しサムギョプサル
材料
豚ばらブロック肉…300g
塩・コショウ…少々
エリンギ…1本
もやし…1袋
長ねぎ…1/2本
ニンニク…5かけ
キムチ…適量
添え野菜
大葉…適量
サンチュ…適量
かいわれ…適量
たれ
コチュジャン…小さじ1/2~1
(コチュジャンの種類によっても辛さが違うのでお好みで)
味噌…大さじ1
ごま油…小さじ1
はちみつ…小さじ1
おろしニンニク…小さじ1/2
いりごま…小さじ1
❶豚肉はひと口サイズに切り、塩・コショウをふる。エリンギ、長ねぎは縦に細く切る。ニンニクは皮をむく。たれの材料を混ぜ合わせる。
❷せいろにクッキングシートを敷き、包丁で穴を数か所開ける。
❸もやしを敷き、豚肉、エリンギ、長ねぎ、ニンニクをのせたら10~15分蒸す。
❹サンチュに大葉、かいわれ、具をのせ、たれをつけながらいただく。

レトルトカレー蒸し
材料
冷蔵のナン…2枚
レトルトカレー…2袋
卵…2個
赤パプリカ…1/2個
れんこん…スライス6切れ
かぼちゃ…スライス6切れ
ブロッコリー…4房
❶好みの野菜を用意。それぞれ食べやすい大きさに切る。
❷せいろにレトルトカレーを袋のまま入れ、その上にクッキングシートで包んだナンをのせる。
❸残りのスペースにクッキングシートを敷き、野菜をのせる。さらに残りのスペースに卵(生卵)を入れる。
❹10~15分蒸し、せいろから取り出して器に盛る。

りんご蒸し
材料
りんご…1個
クリームチーズ…お好みの量
メープルシロップ…お好みの量
シナモンパウダー…お好みの量
❶りんごは半分に切り、スプーンで芯をくりぬく。
❷せいろにクッキングシートを敷き、りんごの断面を上向きに置いて10~15分蒸す。
❸お好みでメープルシロップ、クリームチーズを添え、シナモンパウダーをふる。

【中級編】ローストビーフに挑戦!

材料
牛もも肉(塊)…200g
塩…ひとつまみ
ニンニク…1かけ
オリーブオイル…小さじ1
バゲット…2きれ
蒸し野菜用
ミニトマト…10個
マッシュルーム…4個
じゃがいも…1/2個
添え野菜用
レタス…適量
レモン…2きれ
紫たまねぎ…適量
ソース
ニンニクチューブ…小さじ1/2
バルサミコ酢…小さじ1
醤油…大さじ1
粒マスタード…小さじ2
はちみつ…小さじ1

❶牛肉は常温に戻し、塩をふっておく。
❷フライパンにオリーブオイルとスライスしたニンニクを入れて弱火にかけ、香りが立ったら牛肉を入れる。表面全体に軽く焼き色を付けたら、アルミホイルで包む。
❸じゃがいもは皮を剥き、縦に切る。マッシュルームは縦半分に切り、ミニトマトはヘタを取る。
❹アルミホイルで包んだ牛肉をせいろに入れる。ミニトマトは耐熱皿に入れ、せいろに置く。残ったスペースにクッキングシートを敷き、じゃがいもとマッシュルーム、バゲットを入れて約15~20分蒸す。
❺牛肉を薄くスライスし、蒸し野菜と生野菜を添える。ソースの材料を混ぜ合わせ、つけながらいただく。

※構成/山本修二 撮影/岩波純一 協力/笠置キャンプ場 https://kasagi-camp.jp/
(BE-PAL 2025年12月号より)







